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「できない」を言うことは優しさを培う大切な能力【子育てエッセイ】

子どもの「でーきーなーいー!」に手を焼くことは日常茶飯事だ。

先日も2歳の娘ちびちーちゃんがなかなか靴下を履くことができずに、イライラが頂点に達したのだろう。玄関の床に寝転がってぐずり始めた。


この時の声掛けには一般的な正解がいくつかある。
「靴下って履くの難しいよね~」と現状に共感すること。
「もう一度靴下履いてみる?」と次の行動を言葉にして伝えること。
「次は靴下を履けるよ!」と励ますこと。

先ほどあげた3つ以上に私が大切にしていることがある。
それは、
子ども自身が「できない」「てつだって」と他人に伝えられること。


私は保育士をしていた経験から、この言葉の大事さを身に染みている。伝えられることで、
①人に優しくすることができる
②嘘を言わなくなる
③自分の気持ちを伝えられるようになる
に繋がると思っている。子どもが「できない」「てつだって」と伝えてきたときの大人の反応にもよるけどね。


どんな大人の反応がいいのかと言うと、
「え、いつもはできるじゃん。自分でやってよ~。」
「できないじゃないでしょ。」
「そんなこともできないの?」

ではなく、

「教えてくれてありがとう~。今日は手伝うね!」
「できるときとできないときがあるよね~」
「ママができないときは手伝ってね、よろしく!」

と、意気揚々に手伝う。

ポイントは、
「できない」と言ってはいけないと思わせる言動を控えること。


「できる」日と「できない」日がある。
「できる」人と「できない」人がいる。
その境界線がグラデーションであることが感覚としてわかってもらえたらいいなと思って、そのような対応をしている。

今回のちびちーちゃんの例でいうと、靴下は靴下でもハイソックスは「できない」けど、くるぶしソックスなら「できる」だったり。

大人だって普段は自炊できるけど、仕事が忙しかったり風邪をひいてしんどいなどで「できない」ときもある。

「できる」と「できない」の境界線はくっきり分かれているのではなく、曖昧。大人も子どもも、そう捉えることで「できない」ことに対して必要以上の劣等感を感じない。できることは確かに素晴らしいけど、できないことは悪じゃない。



床に寝そべってぐずっていたちびちーちゃんのその後は、2回ほど靴下を履くことにチャレンジし「ママ~、できない。てつだって。」とお願いされた。私は「できる日もあれば、できない日もあるよね~」と快く了承して、途中でつっかえている靴下を直した。

翌日はひとりで靴下を履いてドヤ顔で「ママ!みて!!!できたよ!!!」とご満悦だった。加えて、弟(1歳)ができないことに対して「おおきくなったらできるよ!」と前向きな言葉をかけている。



「できない」「てつだって」と言える土壌を作って、いつでも「できない」「てつだって」が受け入れられ環境があったらいいと思う。

できなくて人に助けてもらったり優しくしてもらうたびに、子どもは「助け合うこと」「優しくすること」を学んでいる。

「できる」ことへの優越感。「できない」ことへの劣等感。植え付けているのはきっと大人だから。それよりも、助け合うことや優しさを伝えていきたい。






明日もいい1日になりますように。



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