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「この仕事、自分に向いてない」はちょっと立ち止まってみよう

どうも、ジョシダです。31歳でして、町工場の3代目社長をしています。小さな工場ですが、大量生産系の仕事をしています。

 さて、今日この記事では、仕事の向き不向きについてを述べます。「この仕事、私に向いてるなー」とか、「この仕事、私には向いてないなー」など、日々お仕事をこなす中で皆さん一度は思ったことがおありでしょうし、そういうことを言う方々が周りにいらっしゃると思います。「この仕事、自分には向いていない」という言葉。ちょっと一度立ち止まって、考えてみませんか。

そもそも仕事が向いていないってなに?

 仕事が向いていない、の意味はもちろん、仕事内容が自分にとって不向きであることを意味しています。しかし、ちょっと待ってみてください。
 仕事が自分に向いていないんでしょうか?
 自分が仕事に向いていないんでしょうか?

あれれ、よく分からなくなってきませんか。言いたいこととしては「仕事」と「自分」の「ミスマッチ」を言いたいですよね。大丈夫です。そこは十分に分かっているつもりなんです。でも、それって上のどちらのパターンでも言えてしまいませんか。さて、それでははっきりさせるために、もう少し考えてみようと思います。「向く」の反対の「向いていない」という状態を、僕はさきほど「ミスマッチ」と表しました。つまり、「向く」とは「マッチ」しているということですね。「合う」ということです。合う、合う…。
ここで疑問が生まれました。一体どっちがどっちに合わせるのでしょう?

「仕事くん」と「自分さん」

 分かりやすく、こうしましょう。ふたりの登場人物がいます。「仕事くん」と「自分さん」です。
仕事くんはイチゴが好きですが、チョコレートが嫌いです。サッパリとしていて甘いイチゴの方が、甘ったるくて口に残るチョコレートより美味しいと思っているからです。
反対に、自分さんはチョコレートが好きですが、イチゴが嫌いです。チョコレートの甘みと渋みのある奥深い味の方が、酸っぱいばかりのイチゴより美味しいと思っているからです。
ふたりの好みはそもそも全く合っていません。完全にミスマッチです。
 しかし面倒なことに、理由はともかく二人は一緒に1つのケーキを作らなければならない状況になりました。もちろん仕事くんはイチゴケーキを作りたく、自分くんはチョコレートケーキを作りたいと思っています。しかし作れるケーキは1つです。さて、どうすべきでしょうか。

…なんていうことがあったとしたら、まぁ大抵は間をとるのがオチです。イチゴチョコレートケーキにするなり、イチゴケーキとチョコレートケーキのハーフ&ハーフにするなり、はたまた全く違う、お互い好きでも嫌いでもないケーキにするかもしれません。ただ、間をとるということは、お互いが何かしら均等に歩み寄っているということです。
 さて、いまこのふたりが歩み寄れたのは、それぞれが「仕事くん」であり「自分さん」であったからです。つまり、どちらも主体性を持った「個」であったからですね。しかし、これらを「仕事」と「自分」に戻してみましょう。えぇ、お気づきでしょうか。主体性を持っているのは「自分」しかいないということに。

主体は「自分」だけ

 いま、「自分」だけが主体性を持っています。主体性を持っているということは、意思があるということです。「仕事」はそもそも「事」なので、もちろん主体性はありません。ここで当初の疑問をもう一度、確認しましょう。
 「仕事が自分に向いていないんでしょうか?」
 「自分が仕事に向いていないんでしょうか?」

はい、そうです。「仕事」はそもそも自分を向くことはありません。「仕事」にそんな意思はそもそもありません。それに対して「自分」は主体性を持っています。「合っていない」ということは、「自分が仕事を向いていない」と言い換えられないでしょうか。つまり、「仕事が向いていない」とは、「自分が仕事の方を向くことができていないから合わない」と言えます。

仕事を自分に近づけて、自分は仕事に歩み寄る。

 仕事をするのは自分です。だから、自分がその仕事をきちんと見つめ、考え、理解してやるしかありません。仕事の方にはそんな意思なんて無いからです。しかし、いくらきちんと見つめようが、考えようが、理解してやろうが、なかなか上手くいかないこともあるでしょう。そう簡単に分かりやすい物事なんてありません。対価としてお金を貰おうというような仕事ですから、そもそも面倒なものです。そうやって上手くいかないときに大事なことが、これです。

仕事を自分に近づける

 仕事には意思がありませんので、ほっとくと何も起きません。自分の方を向かないのはもちろんのこと、遠ざかりも近づきもしません。「仕事と付き合っていく」という表現がありますが、なんて面倒なものと付き合おうとしているのでしょうか。しかし、驚くなかれ、遠ざけも近づけもできる者がいます。そうです。主体性というものをもった「自分」です。
「自分」だけが、仕事を近づけさせられます。そして近づけることで、自分がより仕事に向きやすくなります。仕事を近づけるとは具体的にどういうことでしょうか。それは例えば、仕事・作業の内容をもっと理解しやすいものにする、手段を変えて簡単にする、などの変更や改善、工夫です。

もし、いまあなたや、あなたの周りの誰かが「仕事」との向き合い方に悩んでいたり、「仕事が向いていない」と漏らしていたら、ぜひこういう考えもあるということを覚えておいて頂けると、少し考え方や物の見方が変わるかもしれません。
それで救いになったとしたら、光栄です。

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