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ドイツ語の学習手帳

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僕なりのドイツ語の勉強法や文法に関する記事をまとめています。良ければ読んでいただければ嬉しいです。
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#文法

【ドイツ語】格があって大変と言うけれど

【ドイツ語】格があって大変と言うけれど

「ドイツ語の難しさ」の理由として、「格変化があって難しい」はよく聞かれます。

実際、格変化を覚えるのはひと苦労ですし、慣れるまでにも時間がかかります。

ただ、ドイツ語の場合、格変化をするのは冠詞や形容詞で、名詞自身はそこまで変化をしません。

強いて言えば、単数2格(男性と中性のみ)と複数3格に格変化を表す語尾が名詞につきますが、言ってしまえばそれだけで、名詞だけを見ても何格かは分かりにくいの

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覚えておくと便利なドイツ語文法用語(その2)

覚えておくと便利なドイツ語文法用語(その2)

こんにちは!
今回は、前回に続き、ドイツ語でドイツ語を学ぶ際に覚えておくと便利な文法用語を紹介していこうと思います。

今回は、「時制」に関するものです。

Tempus / 時制まずは、そもそもの「時制」から。

時制とは、文の表す動作や状態などが、話し手の時点(「今」)から見て、前のこと(=過去)なのか、同時(=現在)なのか、先のこと(=未来)なのか等を表すもので、ドイツ語では動詞の形を変える

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【ドイツ語】「gehen」 ≠「行く」

【ドイツ語】「gehen」 ≠「行く」

ドイツ語には、日本語の「行く」に当たる単語がありません。

ドイツ語には英語の「go」に似た単語「gehen」があります。
でも、英語の「walk」に似た単語は見当たりません。

じゃあ、ドイツ語で「歩く」ってどう言うのでしょうか?

ドイツ語にも、ちゃんと「歩く」という単語があります。
それは何かと言うと…

実は、「gehen」なのです。

ここからは重要な点なのですが、

ドイツ語では、「動

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【ドイツ語:漢字で覚える前つづり】unter【非分離】【下】

【ドイツ語:漢字で覚える前つづり】unter【非分離】【下】

こんにちは!
今回は、非分離と分離の両方がある前つづりのうち、非分離「unter」を見ていきたいと思います。

意味はそのままずばり「下」。

非分離の前つづりなので、

「下で~する」「下回って~する」

というように動詞を修飾します。

早速見ていきましょう。

「下」unter:下で、下に(←「方向」ではなく「位置」)

冒頭でも書いたとおり、「unter」の意味は「下」なのですが、「下で」

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【ドイツ語:漢字で覚える前つづり】ver-【変】【逆】【代】【移】【了】【誤】【尽】

【ドイツ語:漢字で覚える前つづり】ver-【変】【逆】【代】【移】【了】【誤】【尽】

こんにちは!
今回は、ドイツ語の非分離前つづり「ver」を取り扱おうと思います。
この前つづりはよく使われる動詞に付いているものですが、様々な意味があります。今回はその中でもよく目にする意味を見ていきたいと思います。

それでは早速見ていきましょう。

「変」ver:変化とその結果を表す

これが「ver」の最もよく使われる意味と言っても過言ではありません。名詞や形容詞に「ver」が付くことで、「

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【ドイツ語読解】ロシアの軍事侵攻に関する南ドイツ新聞論説記事

【ドイツ語読解】ロシアの軍事侵攻に関する南ドイツ新聞論説記事

こんにちは!
今回は久々ですが、ドイツ語で書かれた新聞の読解をしていこうと思います。
教材は、ロシアの軍事侵攻に関する、南ドイツ新聞のバイゼ経済部長の論説記事「Schließt Russland aus(ロシアを排除せよ)」です。

第一段落

【ポイント】
【1】:in Zeiten wie diesen: 「diesen」の後に省略されているのは「Zeiten」です。すなわち「この(時の)よう

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やはりドイツ語は難しい -2-

やはりドイツ語は難しい -2-

こんにちは!
今回も、「ドイツ語が難しいと思う理由」について、記事を書いていこうと思います。

難しいと思う点、今回は2点目ですが、それは「格変化」です。

これも言わずと知れた、ドイツ語の難関です。
「デア・デス・デム・デン」と呪文のように定冠詞の格変化を覚えた方、ニ外でドイツ語を選択された方なら誰しも経験があるのではと思います。

ただ、覚えるのが難しい格変化ですが、覚えてしまうと、とても有用

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【ドイツ語】枠構造の枠が外れるとき

【ドイツ語】枠構造の枠が外れるとき

Ich glaube, dass...

と言い始めたとたん、頭の中にガチガチっと固まった「枠」が浮かび上がり、すごく喋りにくくなります。

「枠構造」の中では、ドイツ語の語順が「主語-述語-目的語」から、日本語と同じ「主語-目的語-述語」に変わるからです。

日本語と語順が一緒というのは利点でもあるのですが、文が長くなってしまったとき、先に動詞を言ってしまって、「あ・・・」と後で思い返す、という

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【ドイツ語】接続法は「距離感法」

【ドイツ語】接続法は「距離感法」

今回はドイツ語の「接続法」について書こうと思います。

文法の最後の方に出てくる項目で、いきなり「法」と出てきて難しく感じる文法事項でもあります。

なぜ「接続法」と言うのかというと、接続詞の後に使われることが多いためです。

ドイツ語でも確かに、「wenn」や「als ob」などの接続詞の後に接続法が使われることもありますですが、それだけに限られません。

この文法用語はラテン語やラテン語の子孫

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【ドイツ語】漢字で覚える前つづり:vor【「前」「先」「偽」】

【ドイツ語】漢字で覚える前つづり:vor【「前」「先」「偽」】

こんにちは。

更新が遅れてしまいましたが、ドイツ語の前綴りシリーズ、今回は「vor」を取り上げたいと思います。
本記事の内容は、あくまで単語を効率的に覚える際の参考として読んでいただければ幸いです。

vorは英語のbeforeに当たる単語です。

英語のbeforeにもドイツ語の「vor」に通じる単語「fore」が隠れていますね。これはforefront(額)のように、「前」「先」という意味を

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【ドイツ語】Es handelt sich umの意味

【ドイツ語】Es handelt sich umの意味

 こんにちは。

 今回はドイツ語の表現「Es handelt sich um+A(※)」の使い方について紹介させていただければと思います。

(※)このNoteでは、1格をN、2格をG、3格をD、4格をAと書かせていただきます。

 このEs handelt sich bei D um A は、初級文法の終わりに出てくる表現で、「DにおいてはAが問題である」というような訳語がついていることが多い

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【ドイツ語】数字が分からない(2)

【ドイツ語】数字が分からない(2)

 こんばんは。今回は前回に引き続き、「ドイツ語の数字が難しい」という話をしていきたいと思います。

 ドイツ語の数字は21から99までが、1の位と10の位を逆にして言う(つまり、「31」は「1と30」と言う)という点は前回の記事に書かせていただいたとおりです。

 ただ、あの後気づいたのですが、

 13から19も、実際は1の位と10の位を逆にして言っていますよね。

 13は「dreizehen

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【ドイツ語】英語と似ているドイツ語5

【ドイツ語】英語と似ているドイツ語5

 こんにちは。

 今回も、自分なりの基準ですが、英語と似ていると思ったドイツ語の単語をご紹介していこうと思います。

 場所を表す単語+前置詞から成り立った副詞 ドイツ語では、物を表す代名詞と前置詞を一緒に使いたいとき、「er, sie, es」という通常の3人称の代名詞ではなく、場所を表す単語を前置詞と組み合わせます。

 Ich denke an meine Karriere.(僕は自分のキ

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【ドイツ語】分離動詞はなぜ分離する?

【ドイツ語】分離動詞はなぜ分離する?

 こんにちは!

 前回の記事「分離動詞の覚え方」の続きとして、ドイツ語の分離動詞について自分なりの考察を加えてみようと思います。(間違っているところが色々とあると思いますので、ご了承ください。)

 分離動詞は、前つづりと動詞本体(文法用語で「基本動詞」と言います)から成り立つ動詞で、辞書に載る形(「不定詞」)で使われるときはくっついているのに、文の中で使われると、真っ二つにバラけてしまう動詞の

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