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『読むアートはいかがですか?』9

みなさんおはようございます。西会津より戻り、少し肌寒さを感じる東京です。あぁ、ぬくい。新たに自分なりの「ゆたかさ」を探していきたいなと感じる今朝です。

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時間を忘れると人は豊かになれる

西会津町は東京から車だと約3時間半。電車でもほぼ同じくらい。春夏秋冬が折々に楽しめるとてもゆったり時間が流れる場所です。

ゆったり時間が流れるので、時を忘れてしまいます。その動きの速度を緩めて、食事を作ったり、ゆったり味わったり、会話がなくともその場を楽しめる時間は、私にとっての豊かさ。人との暮らしにこそ豊かさがあると感じられる。

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西会津国際芸術村を皆さんに知ってほしい

西会津の上野尻という地域があります。これから来る冬は雪深く、あたり一面が白で埋め尽くされ、山々は白黒とも思えるようなコントラストになります。それはそれは幽玄で水墨画の世界。

そんな中、旧新郷中学校校舎をリノベーションして建設された「西会津国際芸術村」。そこには西会津にあるからこそ、それが生まれる、素敵なアートの世界があります。

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NPO法人BOOT(ブット)が管理運営をしている施設で、代表理事は矢部さんというランドスケープデザイン(都市における公園などの公共空間デザインをいいます)を専門とされています。この方がまぁ本当にぶっ飛んでいて(最高の褒め言葉です)、かつ、博識で本当にお話をしていて尽きないのです。

先日もNYに行って「栄川(さかえがわ)」という福島の日本酒をPRしてきたというお話や、この土地の歴史話で立ち話で話し込んでしまいました。

矢部さんは楢山集落で暮らす代々続くお家柄。もとは三浦半島の蘆名家とこの土地にわたってきたそうです。私の祖先も蘆名家とつながりがあるので、何となく親近感。ちなみにこちらの楢山集落の運営管理もされています。素敵。

私はこの方やそのメンバーの方々とお話しするのが本当に楽しいらしいです。なんでこんなに共感できるのだろう。ちなみにBOOTはNext Commons Labと業務連携しています。

どんなところ?

フルクテアタラシイ山の暮らしを創造するためのクリエイティブセンター。

西会津町は人口約6500人。限界集落と言っていいくらい、ベテランの方が多い街です。そこへできたのがここ西会津国際芸術村。

海外から芸術家を招き、住居を兼ねたアトリエとして活用し、芸術を通した国際交流や、都市と地方を結ぶ交流の拠点として平成16年開村した、西会津町が管理する施設です。

NYやリトアニアなど。さまざまな国からアーティストがこちらへ遊びに来ては、展示やWSなどを通じて町の人々との交流を作っていく場となっています。そこには、雪で閉ざされ一見閉鎖的な”いなか”ではないグローバルかつアカデミックな世界観があります。

西会津国際芸術村が迎えた初めての滞在アーティストは、リトアニアのアーティストでした。それから15年、脈々と続いているリトアニアとのご縁から文化交流プロジェクトとして、10月に滞在制作をしていた、ガラスアーティスト ダリア・トゥルスカイテ さんと、来年、リトアニアにて風土を学び、制作をする陶芸家 小孫哲太郎さんの2人展を開催致します。

なんと15年も交流が続いているということに驚きました。リトアニア…私はあまり知識がなかったのですが、こういうきっかけがあるとその国に対して非常に大きな興味関心を抱くことになります。

リトアニア、美しい街!!!なんと。バルト三国の一つで、IT先進国と言われるエストニアの近くなんですね。ああ、美しい。世界遺産もあるようです。そして気になるのは「食」。食べてみたいでしょう!実はこの西会津国際芸術村で作って食べるWSなんかもあるようですよ。

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どんなWSやっているの?

昨日お伺いした時は「箸づくり」そして”まぼろしカフェ”という常設のめちゃくちゃ立派なキッチンで地元の食材を使い、自然を味わうお食事会が開かれていました。こちらは新潟からいらっしゃったシェフのお二人。料理には山からとってきた草花をあしらったようです。時間があれば参加したかった…!!その山に入って草花を取ってきたのは矢部さん。パンツが泥んこになっていましたが、笑顔。ほんとに素敵です。

自然とともに生きる。

なぜなら人間も自然の一部だから。なんなら宇宙の一部でもあるから。私が彼を好きな理由は、その自然の摂理を結構論理的にお話してくださるんですね。

その中に私は自分が疑問に思っていることの「答え」を見出せることがあるのです。ここにこそ私が彼らとお話をしていて楽しいと感じる理由があるんだと思います。例えば、「人間は景色というものに対してなぜ美醜を判断できるのか」それは太古の昔は自然というものは人間にとって脅威でしかなかった。しかし。今や自然はほぼ人間の手が入り、昔々のままというものは地球に残っていません。その手が入った自然とともに暮らすことで、人間は安心し、その安心が安定につながり「景色」というものに安堵を覚えた結果が美しさ、つまり安定、調和に結び付いたDNAが脈々と受け継がれているのではないかという話でした。


このお話に私は至極共感したのですが、本当に人間はその命を運ぶことに一生懸命になっていたのだと感じます。それは本能というべきか動物的というべきか。

現代を生きる私たちにとって、忘れているもの、DNAが呼び起さないモノがあるんだなと感じました。

五感で自然と自分の関わりを知る

西会津町にいくと、風の音や野焼きの匂い、朝餉や夕餉の匂い、遠くから聞こえる鳥の鳴き声やさまざまな五感で「暮らし」を感じます。都会にいる私はその感覚を忘れてしまい、そこに生きることがすべて。自然を観ずに人間ばかりを見る世界にいます。それに疑問や息苦しさを覚えるからこそ、自然に帰ることができる場所は、とても帰る価値がある場所です。

”もっと自由に生きていいんですよ”私の尊敬するお二人がいう言葉。

その言葉に素直に共感し、そう生きたいと思う毎日です。是非皆様、西会津町へ。ちなみに1月15日に東京原宿で西会津町のイベントがあります。ご興味がある方は、是非ご一緒しましょう!




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