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古事記が隠した縄文の女神② ~白山姫とセオリツ姫、そしてワカ姫~

先日の続きです。古事記を調べていくと、いろんな縄文の女神が封印されていることに気づきます。その一つが前回書いた白山姫。


・清冽さと異界を結ぶ女神、白山姫

白山姫は全国約三千社にのぼる白山信仰の祭神。石川県の白山比咩(はくさんひめ)神社のご祭神であり、「菊理媛(ククリヒメ)」という名前で、『日本書紀』に登場します。「くくり」は「括る」にもつながり、白山姫は「和合の神」「縁結びの神」として信仰されています。

白山姫は、神産みで命を失ったイザナミに逢うため、黄泉を訪問したイザナギでしたが、彼は彼女の変わり果てた姿を見て逃げ出します。そんなイザナギの身勝手さにイザナミは怒って追いかけます。
イザナミに黄泉比良坂で追いつかれ、口論となったところに、泉守道者(よもつちもりびと)が現れ、イザナミの言葉を取継いで「あなたと一緒に帰ることはできない」とイザナギに伝えます。
つづいてあらわれた白山姫(菊理媛神)が何かを言うと、イザナギはそれを褒め、現世へと帰って行きました。

「白山信仰」は水への感謝がルーツであり、白山姫はケガレ(穢れ)を祓う神格を持ち、同時に、死者(イザナミ)と生者(イザナギ)の間を取り持つシャーマン(巫女)のルーツです。そして「水」で心身のケガレ(穢れ)を清める清冽さを持ちあわせています。
白山姫はイザナミの兄妹でもあり(※諸説あります)、イザナギとイザナミの間に生まれたアマテル(天照大神)の叔母で、アマテルに最初に産湯を行った女神ですが、古事記では一切ふれていません。


・白山姫と日本にあるシュメールの痕跡

白山姫の正式名「菊理媛(ククリヒメ)」の「クル」はシュメール語で、山や冥界(異界)をさす言葉。
シュメール文明とは紀元前3000年~6000年ごろ、中近東のメソポタミアで都市文明を最初に生み出した人々。有名なメソポタミア文明の初期文明が、「シュメール」。ある時、シュメール人は突如として歴史から姿を消します。

不思議なことに日本には、シュメール文明の痕跡があります。
熊本県の阿蘇や山口県の角島、そして下関の彦島八幡宮、広島の宮島の頂上でシュメール文字で彫られた石が見つかっています。広島の宮島にもあるそうなので、探せばもっとあるのかも?!
シュメール人は別名「スメル」人と言われ、日本語で、天皇をさす「スメラミコト」の語源とも言われています。「すめる」の語源は「統べ(め)る」なので、「日本を統べる王」として、古代、天皇は「スメラミコト」と呼ばれていました。しかし明治維新後、天皇を「スメラミコト」を呼ぶことはなくなります。ほかにもシュメール神話は多神教で、「八百万の神々」が登場する、日本神話との共通点がたくさんあるそうです。

縄文を調べていくと、シュメール関連が色々出てきます。ヒッタイトやバビロニア系も来ていたようで、イギリスのオックスフォード大学の歴史教授は「日本人にはヒッタイト民族のDNAが流れている」と断言しています。
古代の出雲族は、シュメール系?とも融合したフシがあるので、いつかそのことも書けたらいいなと思います。


・古事記が隠した女神、セオリツ(瀬織津)姫とワカ姫

縄文期、白山姫の他にも活躍した女神たちがいます。それがセオリツ(瀬織津)姫と、ワカ姫。
セオリツ(瀬織津)姫は、神道の祭祀で、大祓詞(おほはらへのことば)の中で唱えられる水神で、すべての罪を海に流してくれる神さま。セオリツ姫は弁財天と同一視されることもあります。
現在、セオリツ姫は伊勢神宮の別宮で、天照大神の荒魂としてまつられています。

そしてワカ姫はアマテルの姉とも妹とも言われ、「和歌」のルーツになった女神。アマテル(天照大神)の幼名が「ワカヒコ」で、「ワカヒメ」と対になっているとの説もあります。
セオリツ姫とワカ姫は、古事記や日本書記には載っていません。そんな女神たちは縄文期、どんな活躍をしたのか?なぜ古事記に書かれなかったのか?長くなったので続きますね。


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本だけでなく、実際に現地に行ったりして調べていますが、わからないことが多いです。だからこそ魅かれる縄文ミステリー!縄文の謎解きははじまったばかりです。(*ᴗˬᴗ)⁾⁾💕ペコリン