器械運動_教材紹介

スポーツ運動学(発生運動学)の理論を下敷きに器械運動を教えています。これまで発信したこ…

器械運動_教材紹介

スポーツ運動学(発生運動学)の理論を下敷きに器械運動を教えています。これまで発信したことをまとめたり、運動やスポーツについて考えたことや感じたことを備忘録のつもりで残していきます。器械運動や運動指導に興味のある人に引っかかってくれればうれしいです。

最近の記事

【マット運動】後転について①技術について

はじめに器械運動で扱う後転は基本的な技になりますがつまづく学習者も多い運動です。指導の前に後転系統の技に共通する技術を正確にとらえておきたいです。 後転の技術解説発展技ができそうな「大きな後転」を目指して,技を習得していきたいです。 ①回転加速(おしりを遠くにつく) 回転の勢いをつけるための技術です。かかとより遠くにおしりをつけることで勢いを産むことができます。苦手な学習者や怖がる学習者に強要すると嫌がるので,時期を見て教えるようにしたいです。 さらに,回る時のポイン

    • 【番外編・ブレイクダンス】ウインドミル

      はじめに2024年にパリオリンピックで行われるブレイクダンスより,〈ウインドミル〉という技を取り上げました。学生時代は得意技でしたが,習得に苦労した覚えがあります。YouTube などで練習動画も多く上がっていますが,私が個人的におすすめする練習方法など残していこうと思います。 ウインドミルの実施と練習方法体操経験者のウインドミルですので,ブレイクダンスの専門家からすると,違和感があると思います。ちなみに,私が学生時代にはA難度として評価されていましたが,現在では無くなって

      • 【マット運動】倒立〜観察ポイント〜

        はじめに倒立ができる人からすると「あたりまえ」なことでも苦手な学習者からすると,意外と知らないこともあります。 倒立の際の腕の出し方と踏み切り足意外と観察の観点として上げられることが少ない,ポイントです。私は倒立の習熟度を把握する際には,腕の出し方,目線,踏み切り足の使い方を確認します。 ①腕の出し方 腕は下あるいは横から,伸ばして出すようにします。そうすることで,頭が入るるのを抑止し,目線が地面から離れることなく,倒立位に向かうことができます。 ②踏み切り足の観察

        • 【マット運動】倒立〜壁倒立の注意点と補助の方法〜

          はじめに倒立は,初めから1人で行うには難しいです。そのため,壁や補助を用いて行うのが一般的です。 壁倒立と補助ありの倒立壁や補助があるから,どのようなやり方でもいいというわけではありません。いくつか注意点がありますので,まとめたいとお思います。 ①補助の仕方 振り上げ脚側にたって,体幹部の近くである膝の裏や太ももの裏を片方だけ補助するといいでしょう。苦手な学習者は,逆さまになるのを嫌がるので,脚は長時間持たないこと。それよりも,少ない時間で何回もやらせる方が効果的です。

        【マット運動】後転について①技術について

          【マット運動】倒立〜予備運動〜

          はじめに器械運動で扱う技は非日常的な動きです(他の領域も細かくいえばそうですが)。学習者は日常的に経験しない運動を行うのですから「器械運動の技に取り組む素養はありそうか」といったことを確認するために予備運動が扱われることになります。この予備運動は小学校低学年なら主運動として用いても全く問題ありませんし,中学年や高学年なら準備運動の一部として取り扱ってもいいです。 倒立の予備運動とは器械運動の技を達成するのに必要な技能を育てるようなものが選ばれるべきです。いくつか紹介します。

          【マット運動】倒立〜予備運動〜

          【スポーツ運動学】武井壮スポーツ万能になる方法(動画の紹介)

           少し前に話題になりました、武井壮とタモリの動画です.運動に興味のある方は是非とも初めからみてほしいですが,時間がない人は2:54〜みるといいかと思います。(リンクが切れていたら申し訳ありません) 当時、見た時は衝撃的でした. 武井壮さん曰く,技術練習をする前にやっておくことは,「自分の思ったとおりに体を動かす」ということです. 特に,動いてない状況で思った通りに体を動かせない(「ズレ」ている)と,運動中はもっとズレて動いているということです. 全て,心に刺さるのです

          【スポーツ運動学】武井壮スポーツ万能になる方法(動画の紹介)

          【マット運動】前転について②バリエーション

          はじめに前転に関しては複雑な構造を有していないためつまづく学習者はそう多くありません。しかし、発展技にいくと急につまづきます。そういった学習者には、バリエーションのある前転をすることをお勧めしています。 前転のバリエーション①片足踏切と両足踏切 1番単純なバリエーションです。開始や終わりの体制を片足か両足にすることで多くのバリエーションが作れます。 ②初めの体勢の変化 開始姿勢を変化させることで難易度が変化します。 ③着手のバリエーション 手の甲をつくのか、手をグ

          【マット運動】前転について②バリエーション

          【マット運動】前転について①技術について

          はじめに器械運動で扱う前転は非常に基本的な技になります。この技でつまづく学習者は多くありませんが、その発展技につまづく学習者は大勢います。指導の前に前転系統の技に共通する技術を正確にとらえておきたいです。 前転の技術解説①回転加速(腰角度増大) 回転の勢いをつけるための技術です。はやく回ることではなく、腰を伸ばして高い位置から下ろします。 ②伝導技術 腰をできるだけ伸ばしたまま振り下ろし、地面に足がつく瞬間に膝を曲げ、かかえ込みます。この時の膝を曲げるタイミングは開脚

          【マット運動】前転について①技術について

          noteの内容について

          はじめに私は普段、運動学(発生運動学)の理論をベースにして器械運動を主に教えています。これまで専門書を読んだり現場での指導経験を重ねてきました。運動指導に困っている先生やこれから運動学を学ぼうとする人に向けて、わたしのこれまでの学びを備忘録として文章に残そうと考えたのがきっかけです。 扱う内容①運動学(発生運動学)について注1) ※私の理解の範囲で「簡潔」に「わかりやすく」をモットーに残したいと思います。特に、難しい言葉を可能な限り使わないようにしたいとは思っています。

          noteの内容について

          【鉄棒運動】逆上がりについて

          はじめに 今回は、逆上がりについてまとめました。といってもTwitterでいったことをまとめただけです。これまで雑多に色々な技や種目について述べてきましたが、とりあえずわかりやすくなるように、種目や技ごとにまとめようと思います。とりあえず〈逆上がり〉からです。 逆上がりに必要な技能と練習段階技術的な要素になります。指導する前には押さえておきたいです。 ①肩角度減少 肩角度を狭めることです。脇が開いたり、鉄棒とお腹が遠いのはこのパターンです。鉄棒の握り方は逆手でもいいです

          【鉄棒運動】逆上がりについて