【マット運動】後転について①技術について
はじめに
器械運動で扱う後転は基本的な技になりますがつまづく学習者も多い運動です。指導の前に後転系統の技に共通する技術を正確にとらえておきたいです。
後転の技術解説
発展技ができそうな「大きな後転」を目指して,技を習得していきたいです。
【マット運動・後転】
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) November 22, 2021
「大きな後転」を目指すためには、「順次接触」と「回転加速」、そして手の押しと腰角度を開く「頭越しの技術」です。それぞれの技術は独立しているのではなく、密接に関わり合っています。できない学習者には丁寧に教えてあげたいものです。 pic.twitter.com/Tee5sPzNDF
①回転加速(おしりを遠くにつく)
回転の勢いをつけるための技術です。かかとより遠くにおしりをつけることで勢いを産むことができます。苦手な学習者や怖がる学習者に強要すると嫌がるので,時期を見て教えるようにしたいです。
【マット運動・よい後転に向けて】~回転加速①おしりを遠くへ着く~
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) December 1, 2021
後転で勢いをつけるために、かかとよりお尻を遠くにつけることは重要です。ただし、初心者は以下の点に気をつけるべきです。
①しゃがんだ姿勢開始し、地面と平行にお尻を遠くにする
②上体を倒すのは地面にお尻がついた後
です。 pic.twitter.com/h9U9gOxOHb
さらに,回る時のポイントは,「おしりがついてから背中を倒す」「地面と並行におしりを遠くる」です。高いところから遠くにしたり,おしりの位置が上下するといい回転がつけられません。
【マット運動・よい後転に向けて】
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) December 3, 2021
後転の勢いをつけるためにおしりを遠くにつくことは重要です。ただし回転の仕方がまだわかっていない学習者には「おしりをマットと平行にする(上に飛ばない)ように遠くにする」「上体を倒すタイミングはおしりが地面に着いてから」を意識させるとわかりやすいです pic.twitter.com/yJppi4s5CM
練習方法としては,滑りやすいフロアーでおしりをスライドさせる練習をするといいでしょう。これがマットでの動きと繋がると一発で後転が変わります。
おしりを遠くに着くために、私は映像のような練習をさせています。
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) December 8, 2021
①フロアでしゃがみ立ち
②かかとの位置を動かさないように(かかとで地面を押す)、おしりを地面と平行に遠くにする
③ 手は前に残し、上体は倒さずに長座の姿勢になる
うまくいけば体がフロアを滑るように移動します pic.twitter.com/uidyFB892T
②伝導技術
意外と知られていないのですが,腰角度を開き,一気に閉じることで勢いが生まれます。おへそを見ることを強要しすぎるあまり,膝をずっとかかえ込んで小さな後転にならないようにしましょう。かえって回りづらくなります。回転加速と共に教えられるといいかと思います。
【よい後転に向けて】~腰角の増大~
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) December 10, 2021
よい後転のためには「腰角度を一度大きく開いて、一気に閉じる」ことが重要です。腰角度の増大は、おしりをかかとから遠くする技術と密接に関わっています。腰角度の増大と、それを閉じることがスムーズにできるとよい後転です。これを「順次接触」といいます。続 pic.twitter.com/6IK6olgpzx
③頭ごし
頭越しの際には,手で押すことも大事ですが,腰を伸ばすことも大事です。手の押しとともに,適切な位置で腰を伸ばしているかも確認したいものです。
【後転の頭越し①】
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) January 26, 2022
後転の大事な頭越しです。「手の押し」に注目がいきがちですが、腰を伸ばすことも非常に大事です(こっちの方が大事という人もいます)。頭越しでは、胸と膝を抱え込んだままではなく、立ち上がりに向けて一気に腰角度を開きましょう。これが後転倒立など発展技にもつながります。 pic.twitter.com/uSIuNUQW7J
後転では,回転の途中で腰角度を開く動作が必要になります。
【後転の頭越し②】
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) February 14, 2022
棒(タオル等でも可)をはさみ、落とさないように後転をやってみるとわかるのですが、頭越しでずっと抱え込むのは専門家でも難しいです。どこかで腰を伸ばす努力をすることが必要です。もちろん腰を伸ばすタイミングと方向は教えないと、頭越しがうまくいかないこともあります→ pic.twitter.com/tUPDk8FHlA
また,転がり方が上手になれば手の押しはなしをせずとも後転はできますが,適切な技術が必要です。
【後転の頭越し③】
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) February 15, 2022
後転の頭越しを腕を組んで行いました。回りかたがわかっていれば手のひらで床を押すことに固執する必要はありません。後転で回るためには、手のひらをつくより大事なことがあります。何をしたくて手のひらをつくのか、考えなければいけません→ pic.twitter.com/lrHmdOC3uX
もちろん手のおしはなしも大事ですが,適切な位置で床を押す必要はあります。手の押しはなしはまた後日まとめたいと思います。
おわりに
まずは,「後転ができる」「後ろに回るのが怖くない」ことが大事です。徐々に発展技をみすえて正確な技術を身につけていきたいです.間違った動きを、何度も練習すれば、間違った動きが上手くなります.
参考文献
金子明友(1982)教師のための器械運動マット運動.大修館書店.
三木四郎(2015)器械運動の動感指導と運動学.明和出版.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?