【マット運動】倒立〜予備運動〜

はじめに

器械運動で扱う技は非日常的な動きです(他の領域も細かくいえばそうですが)。学習者は日常的に経験しない運動を行うのですから「器械運動の技に取り組む素養はありそうか」といったことを確認するために予備運動が扱われることになります。この予備運動は小学校低学年なら主運動として用いても全く問題ありませんし，中学年や高学年なら準備運動の一部として取り扱ってもいいです。

倒立の予備運動とは

器械運動の技を達成するのに必要な技能を育てるようなものが選ばれるべきです。いくつか紹介します。

①背支持倒立

逆さ感覚や逆位での足の伸ばし方，前転の腰角度増大など多くの技術が詰め込まれています．

【マット運動・倒立①】〜実践編①予備運動その1背倒立〜
背倒立にも色々なパターンがあります。①背中を手で支える②地面を腕で支える③腕を耳の横にする④手を上に伸ばす等(難易度高いです)。様々な背倒立を、経験させてあげるといいと思います。 pic.twitter.com/uRmQmgbQI9

— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) December 4, 2019

②カエルの足うち

倒立の支持感覚などを養う際に使います．着地の時に音を鳴らさないようにするのがポイントです．バリエーションもいくつかあります．

【マット運動・倒立②】〜実践編②予備運動その2カエルの足打ち〜
さか立ちが苦手な学習者は足の下ろし方が雑です。下位教材で、手のひらでの支え方や、足の下ろし方を学習させましょう。音を鳴らさないように下ろすためには①手の近くに足を下ろす②足を下ろしたら手でゆかを押して上体を起こす事です pic.twitter.com/VOXJm2fV5T

— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) January 10, 2020

③腕支持感覚

腕支持の感覚を養う運動は必須です．バリエーションを用意しました．回数や時間を長くすると効果的です．

【マット運動・倒立③】〜実践編③予備運動その3手支持のバリエーション〜
さか立ちが苦手な学習者は手で自身の体を支えられない事が多いです。いろんなバリエーションの下位教材で、目の前の学習者が手支持ができているか確認してみましょう。準備運動としても使って良いです。 pic.twitter.com/503UsJ7Qrd

— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) January 12, 2020

おわりに

器械運動の授業にもかかわらず、準備運動で体育館を2周走るするなどの指示が与えられる場面を見聞きすることがあります。走ることで、逆立ちや開脚前転ができるようになるのでしょうか。体を温めたいのであれば予備運動で温めるべきです。本時の授業は、体育館に来たときから始まっています。授業のストーリーを上手に組み立てるヒントにしてみて下さい。