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第26回世界スカウトジャンボリー2027会場下見

ご存じの方も多いかもしれません。次の世界スカウトジャンボリー(The World Scout Jamboree, 通称WSJ)は、ポーランドのグダニスクにあるソビエシェボ島で開催されます。期間は2027年7月30日(金)~8月8日(日)だそうです。

▼ソビエシェボ島(Wyspa Sobieszewska, Gdańsk, Polska)

7月現在、「ソビエシェボ島はこんなところです!」みたいな日本語版のサイトはなく、私も更新を心待ちにしている一人でした。ですが、なかなか情報が上がらないし、折角留学に来ているということなので、自分一人で下見に行ってきました。

お待たせしました。画像込みで出来る限り現地で見たこと、感じたことを紹介していきたいと思います。
(下見当時は何も情報が無く、どこがキャンプサイトかも分からなかったので、実際の開催場所とは位置がズレている可能性が大いにあります。こんな雰囲気の場所だということだけでも、皆様のご参考になれば幸いです。)


①行き方:グダニスク駅(Gdańsk Główny)出発

ジャンボリー当日にどのようなコースを辿るかは定かではありません。ここでは、主要駅であるグダニスク中央駅(Gdańsk Główny, グダニスク グウーヴニェ)を出発地として紹介しておきます。

グダニスク中央駅(Gdańsk Główny)

ここから、112番バスのPrzegalina(プシェガリナ)行きに乗ります。バスのチケットは赤色のBiletyと書いてある券売機から買えます。親切にも購入の仕方を紹介しているサイトがあったので、行く方は参考にして下さい。幸運なことにクレジットカードが使えます(Visa, MasterCard対応、JCB不可)。
ポーランドの通貨złoty(ズウォティ)はユーロよりも安いので、24時間券を買っても損になりません。

▼グダニスク トラム、バスの券売機使用方法

112番Przegalina行きを待つ、写真は中央駅から1つ先のバス停、赤いBiletyの筐体が券売機
バスはこんな感じ、写真はソビエシェボ島で撮ったPrzegalina行きのバス

バスの乗り方ですが、チケットを持ってそのまま乗るだけです。開いた3つの扉の内、どこからでも乗れます。どこかにチケットをかざしたり、運転手にチケットを見せる必要もありません。
低確率でバス会社の検札スタッフが、有効なチケットを持っているか確認しに来ます。その際はチケットを見せましょう。チケットを失くした、見せない、買っていない場合、その場で罰金を支払わされます。

バスに乗れたら、Lazurowa(ラズロヴァ)まで向かって下さい。グーグルマップ上では、Lazurowa 02と表示されます。45分の長旅になります。

※島の中心となる駅はSobieszewo(ソビェシェヴォ)なので、そこから歩いても良いかと思います。

Lazurowaまで、自分以外降りる人はいなかったです


②ソビエシェボ島到着

45分間バスに揺られ、とうとうジャンボリー会場に到着しました。あいにく曇りですが、雨が降ってないだけ幸いです。

降りてみて絶望、目の前に広がっているのは大自然溢れる牧場のような緑地ではなく、生を一切感じさせない陰鬱とした荒地でした。

現地に着いて最初の写真、帰りたい

ここがキャンプサイトになるのかは分かりませんが、公式HPやPR動画のような青々とした自然を楽しみにしていた自分は、「騙された」とさえ思いました。まだ冬だから景色が死んでいるだけという説を望んでいます。

早速散策を始めていきます。バス停を降りてすぐ北の方へ通り道があるので、こちらの方へ進んでみます。

舗装道路だが、状態は悪い
森の方は鳥の鳴き声さえしない不気味な場所

誰もいない山奥のような印象ですが、幹線道路は思いの外、交通量が多いです。写真に写っている道も3台くらい車が出入りしていたので、遭難する心配はなさそうです。

早速キャンプ場?のような場所がありました。Camping "69 Orlinek"という場所らしいです。門が閉じていて入れませんでしたが、このキャンプ場が実際のジャンボリーのキャンプサイトになるかもしれません。(なったら広そうだし楽しいだろうな。)

奥は結構広い
ワンちゃんが中から全速力で吠えながら追っかけて来ます

道を奥まで進み続けると、車が沢山停めてあるエリアに入りました。この数から察するに、意外と穴場的な観光スポットなのかもしれません。登山用の杖を持った本格的なトレッキング装備の老夫婦や、長い釣竿を持ったおじいさん、小学生くらいの女の子2人を連れた夫婦など、幅広い年齢層がこの地を訪れています。全員ポーランド語で会話をしており、アジア人はおろか、他の国から来ていそうな人は一人もいません。

車と人が沢山で安心した

地図看板もあります。ですが、英語表記は全くなく、ポーランド語しかないため、ほぼ何の役にも立ちません。

識者翻訳を求む
一応GoogleLensで翻訳してみた
場所の説明らしい
4Gが使えるほどには電波があります

③海を求めて

さて、このまま海を目指します。他の観光客が導かれるように森の外の方へ歩くので、その流れに付いて行きます。段々空が見えるようになっていきました。

やっと英語看板
海が見えてきた
海!ポーランドの海!
砂浜と海!!
冬じゃなかったら泳ぎたい!!
たき火した後の炭と燃えカス
火を使っていいのかは不明

写真だと全く伝わりませんが、海水は冷たく、思いの外透き通っていて綺麗でした。砂浜もゴミはほとんどなく(火のゴミはあるけど)、浜辺散策の家族連れやカップルで賑わっています。ワンちゃんを浜辺で走らせていた人もいました。夏場はもしかしたら泳げるかもしれません。


④森の散歩

海辺は満足に散策できたので、ここからは森の方へ入って行きます。
森側へは誰も入って行かないので、先程の砂浜よりも静かな雰囲気です。

森への入り口
AI生成みたいな写真になっちゃった
自転車道もあるそう
特に険しい道ではないので初心者向き
隙間なく木と苔が地面を覆う

さすがにこの森の中ではテントを建てることは出来なさそうです。来る可能性があるとしたら、ハイキングくらいでしょうか。獣道が所々にあるので、そんなに迷う可能性はないと思います。

松かな?
針葉樹林なのは絶対にそう
足元の苔
触ってみると柔らかい
たまに開けた場所がある
所々大穴があるので足元注意
夏は青々とした木があるかも
やっと人がいた
やっと主要道路が見えてきた


⑤森の反対側へ

海と森は一通り見終わったので、道路を挟んで反対側の開けた場所へ行ってみます。北側にはテントを張れるような場所が無かったので、サイトになるのは南側かもしれません。

橋の上から
川が濁っているし、生が一切感じられない
車が一台も通らない
寂寞とはこのことか
車が通った跡
非常にぬかるんでいる
不安になるくらい何もない
地平線が孤独感と物言えぬ虚無を運んでくる
足元の植物は枯れているし
ぬかるんでいるのでまともに歩けない
道路の反対側へ
こっちはもはや沼

開けた場所の割に風は穏やかでした。ただ正直なところ、あまりここでキャンプしたいとは思いません。ここがキャンプサイトになるかは分かりませんが、雨が降った時に足が沈むほどぬかるむような場所なので、テントが泥だらけになる未来しか見えません。

⑥西の方へ

道路の西の方を目指します。バスから建物が何個か見えたので、お土産探しついでです。

電灯以外何もない道路

この道路は意外にも車の交通量が多いです。バスもたまに通るので、昼間なら遭難しても助けを呼べると思います。

ヨーロッパは右側通行
バンガローがあった
泊まりたい
ポーランド語(上)・英語(左)・ドイツ語(右)の看板
Żabka(ジャプカ)というスーパー(サイズはコンビニ)
ポーランドならどこにでもある
Market Kamiで昼食を買う
クレジットカード使えた(Visa, MasterCard)

ジャンボリー中にスーパーに立ち寄ることは出来ないかもしれませんが、一応あるということは書いておきます。品揃えは良いのですが、日本人が喜ぶような食材はないです(米も味噌もない)。あとお客さんがポーランド人だけで、ものすごく自分の存在が浮いていました。もちろん店員さんもオールポーランド語対応です。

旗のあるラウンドアバウト
ヴィスワ川(Martwa Wisła マルトゥヴァ ヴィースゥァ)と
ポーランド独立回復100周年記念橋
(Most 100-lecia Odzyskania Niepodległości Polski
モゥスト スト レチャ オヅゥズスカーニャ ニェポドゥレグゥォーシュチ ポルスキー)
橋を渡ればポーランド本土


⑦川辺散策

ここからは川辺を歩いて行こうと思います。グダニスクはヴィスワ川の河口というだけあって、川が魅力的です。夏に泳げるのかは分かりませんが、泳げたらさぞ気持ち良さそうな場所です。水面にもゴミが浮いておらず、日本の都心の川のようなドブ臭さを一切感じさせません。

水の波打つ音がリラックスさせる
たまに民家?があるくらいの風景
老後に住んでみたい
ボートクラブの施設に公衆トイレもあった
有料トイレだった、4ズウォティ必要

時間が無かったので、島の外周一周は叶いませんでしたが、気分転換の川辺散歩は十分なデジタルデトックスになりました。天気のいい夏の涼しい気候で散歩したら、また違った風景を楽しめるかもしれないです。

バスのシートが可愛いデザイン

⑧帰り方

帰りはポーランド独立回復100周年記念橋のそばにある広場からバスで帰ることが出来ます。バスの券売機もあるので、グダニスク中心部に戻りたい方は約1時間バスに乗ることになります。

Wyspa Sobieszewskaの看板
正面のカトリック教会が象徴的

中心部に戻りたい方は112番バスのWały Piastowskie(ヴァーウィー・ピヤストフスキィェ)行きに乗って下さい。

Wały Piastowskie行きのバス

⑨終わりに

ヨーロッパ開催の世界ジャンボリーということで、恐らく語学面や資金面、あるいは初めての海外という漠然とした不安が参加前には付き物です。それはいくら信頼できる仲間がいても、最後まで拭い去ることが出来ない、自分では対処しようのない心理的反応です。けれど、意外と行ってみると楽しい・何とかなるというのもジャンボリーです。日本とは全く空気の違う大自然を2週間も味わうことが出来たら、あとで振り返って後悔することは絶対にないです。そして、現地の人たちはとても優しく、英語を話せる人も多々います(おまけに英語がゆっくりで聞き取りやすい!)。ポーランドの物価も、お隣のドイツと比べたらかなり安くて助かります。

もしこの記事を読んで、少しでも行きたいという気持ちになれば、是非行ってみて欲しいです。写真の読み込みでPCの動作が重くなってしまった方、申し訳ないです。最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

⑩おまけ(グダニスク観光)

グダニスク中心部
Zielona Brama w Gdańsku(ジェロナ・ブラマ・ウ・グダニスク、Green Gate)の夜景
Westerplatte(ヴェスタープラッテ)
第二次世界大戦始まりの地、ここからナチスドイツ軍がポーランド侵攻を始めた
ポーランド名物料理ピエロギ(pieróg)、味が全くない餃子

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