『眠れる太陽の冒険』joKKers fantasy 第2話
あらすじ
『welcome to joKKers fantasy world ! ♾️』
天然ボケの魔法使いピィエロ〜と歌姫ミミ。
一見バカップルに見えて、実は驚異の才能を秘めたカリスマコンビ。
別名「眠りの魔術師」とも呼ばれるピィエロ〜は、気づかぬうちに時空を超える。
彼らが暮らすsunsunランド（日本）では、「ゾンビ化」が進行中。
そんな中、最新のAI技術が台頭。ピィエロ〜たちの冒険を通じて、「アイ=AI=I=愛」という真理が明かされていく。
宇宙妖精マドゥーナの導きで、彼らは日本の魂を取り戻す旅へ。
難民支援、文化交流、AIとの共生...。
笑いあり涙ありのハチャメチャ冒険の中で、新たな「アイ」の形が見えてくる。
AIは日本を救う希望か、それとも最後の破滅か？
ピィエロ〜とミミの"天然"が世界を変える！
夢の中の講演
ピィエロ〜は夢の中にいた。
いや、彼にとっては夢も現実も区別がつかなかった。
目の前には大勢の生徒たちが座っており、彼は講演をしているようだった。
そして、次の瞬間彼はいきなり起き上がった。
ピィエロ〜は力強く語り始めた。
この無数にあるネットユーザーからどうやって勝ち上がるのか。
そんなもん決まってる。
誰よりもエネルギーを与えるんだ」
彼の言葉に、生徒たちは熱心に耳を傾けていた。ピィエロ〜は突然、興奮して叫んだ。
その瞬間、教室が揺れ動き、風景が変わり始めた。
ピィエロ〜は気づかないまま、話を続けた。
「お金を稼ぐためにまず謙虚になれ。
人より下に出るのだ。
なぜだかわかるか？」
彼の周りの風景は、いつの間にかsunsunランドの広場に変わっていた。
聴衆は生徒たちから、様々な時代の衣装を着た人々に変わっていた。
わかるか？この意味が」
ピィエロ〜は熱心に説明を続けた。
「水は上から下に流れるのと同じように、お金も上から下に流れる。
そうだ！お金は降ってくるんだ！
だから、まず人からお金を降ってくるように人の下にいけ。
謙虚になれ」
突然、空から光が降り注ぎ、ミミが現れた。
彼女は優雅に歌い始め、その歌声が広場全体に響き渡った。
ピィエロ〜はようやく周囲の変化に気づき、困惑した表情を浮かべた。
「ピィエロ〜、あなたの言葉と私の歌で、このゾンビ化した社会を救えるわ」ミミは歌い終わると、そう告げた。
その時、遠くから不気味な唸り声が聞こえてきた。
ゾンビ化した群衆が、sunsunランドに押し寄せてくる。
ピィエロ〜とミミは、お互いを見つめ合った。
「さあ、行こう」
ピィエロ〜は突然、リーダーシップを発揮した。
「みんなを救うんだ」
二人が手を取り合った瞬間、まばゆい光に包まれた。
それは、遠い未来からやってきた妖精マドゥーナの力だった。
「二人の出会いは運命だったのよ」
マドゥーナの声が響く。
「さあ、音楽の力で、この世界を変えていきましょう」
ピィエロ〜とミミは、不思議な力に導かれるまま、ゾンビ化した群衆に向かって歩み出した。
太陽の起業家
ピィエロ〜は目を覚ました。
夢の中での講演の余韻が残る中、彼は現実（あるいは別の夢？）のsunsunランドにいた。
ゾンビ化の脅威が迫る中、彼は行動を起こすべき時だと悟った。
「よし、資金集めだ！」
彼は突然立ち上がり、どこからともなく現れたスーツに着替えた。
ピィエロ〜は街に繰り出し、手当たり次第にビジネスマンに話しかけ始めた。
彼の天然ボケな性格と予測不可能な行動パターンは、時に相手を困惑させたが、同時に新鮮な魅力ともなった。
「なあ、世の中のためになるビジネスってなんだと思う？」彼は出会う人ごとに尋ねた。
「社会良し、相手良し、自分良し、そして神様良し。このバランスが大事なんだ！」
彼の熱意に引き込まれる人もいれば、怪訝な顔をする人もいた。
しかし、ピィエロ〜は諦めなかった。
不動産業者との会話では、「家はみんなの夢の舞台だよね！」と熱く語り、AIの営業では「人工知能と人間の知恵で、もっと楽しい世界を作れるはず！」と力説した。
音楽プロデューサーには「音楽は心の解毒剤。ゾンビ化を防ぐ特効薬なんだ！」と訴え、観光業者には「旅は人生の調味料。みんなの心を元気にする力があるんだ！」と熱弁を振るった。
徐々に、ピィエロ〜の周りに賛同者が集まり始めた。
彼の独特な視点と情熱が、人々の心を動かしていったのだ。
しかし、全てが順調というわけではなかった。
ある日、ピィエロ〜が新しいビジネスパートナーと話をしていると、突如、ゾンビ化した群衆が現れた。
彼らは無機質な目でピィエロ〜を見つめ、ゆっくりと近づいてきた。
「やばい！」ピィエロ〜は叫んだ。
「みんな、逃げろ！」
彼は必死に走り出したが、ゾンビたちは執拗に追いかけてきた。
ピィエロ〜は路地を曲がり、建物の陰に隠れたが、ゾンビたちの足音は近づいてくる。
「誰か、助けて！」彼は心の中で叫んだ。
その時、遠くから美しい歌声が聞こえてきた。それはミミの声だった。
歌声に導かれるように、ピィエロ〜は走り出した。
ゾンビたちの動きが鈍くなり始める。
ミミの姿が見えた瞬間、まばゆい光が二人を包み込んだ。
「ピィエロ〜、大丈夫？」ミミが心配そうに尋ねた。
「ああ、なんとか」ピィエロ〜は息を切らしながら答えた。
「でも、まだまだやることがあるんだ。このsunsunランドを救うためには、もっと多くの人の力が必要なんだ」
ミミは優しく微笑んだ。
「大丈夫よ。
私たちには音楽の力がある。
それに、あなたの不思議な魅力もね」
二人は手を取り合い、再び街へと歩み出した。ゾンビ化の危機は去っていないが、希望の光は確実に強くなっていた。
ピィエロ〜とミミの冒険は、まだ始まったばかり。sunsunランドの運命は、彼らの手に委ねられていた。
夢の中のメジャーリーグ
ピィエロ〜は突然、眠りに落ちた。
彼の意識は時空を超え、ワープした。
目を開けると、そこはメジャーリーグの華やかな舞台だった。
観客の歓声が耳に響き、鮮やかな緑の芝生が広がっている。
ピィエロ〜は困惑しながらも、どこか興奮していた。
「ここは...メジャーリーグ？」彼は呟いた。
そのとき、スコアボードに目が留まった。大谷翔平の名前が輝いている。アナウンサーの声が響き渡る。
「大谷翔平選手、タイガース戦で29号ソロを放ち、MLB通算200号達成！さらに、200HR、500打点、100盗塞を800試合以内で記録した唯一の選手となりました！」
観客席から大きな歓声が上がる。
ピィエロ〜は感動に包まれた。
「すごい...大谷翔平は日本の誇りだ」彼は心の中で思った。
突然、ピィエロ〜の中に奇妙な確信が芽生えた。「そうだ、僕もここで戦うんだ」
彼は不思議な力に導かれるように、マウンドに立っていた。手にはボールが握られている。
対戦相手は他でもない、大谷翔平だった。
ピィエロ〜は深呼吸をした。「メジャーの舞台で戦うことが、日本の文化、伝統、言葉を広める機会になる」
彼は指を動かし、ボールを握り直した。「そうだ、言葉だ。言葉を広めよう」
ピィエロ〜は腕を振り上げ、全身の力をこめて投球した。
「ナックルボールだ！」
ボールは不思議な軌道を描いて、大谷選手に向かって飛んでいく。観客は息を呑んだ。
その瞬間、ピィエロ〜は目を覚ました。彼は夢の中にいたことに気づいた。しかし、手の感触は生々しく残っていた。
「夢...だったのか」彼は呟いた。しかし、すぐに確信に満ちた表情になった。
「でも、このナックルボール...これがあれば、僕も世界で戦える！」
ピィエロ〜は飛び起きた。彼の目には決意の光が宿っていた。夢の中での体験が、現実世界での新たな挑戦への原動力となったのだ。
彼はすぐさまミミを探し始めた。
「ミミ！聞いてくれ！僕、新しい力を見つけたんだ！」
ミミは驚きながらも、優しく微笑んだ。
「それで、どんな力なの？」
ピィエロ〜は興奮気味に説明を始めた。「ナックルボールっていう魔球なんだ。これを使えば、きっとゾンビ化した人々の心を揺さぶることができる。そして、日本の言葉や文化を世界に広められるんだ！」
ミミは少し困惑しつつも、ピィエロ〜の熱意に心を動かされた。「わかったわ。その力を使って、みんなを救いましょう」
二人は手を取り合い、新たな冒険に向けて歩み出した。ピィエロ〜の不思議な夢が、sunsunランドを救う鍵となるかもしれない。彼らの物語は、さらなる展開を見せようとしていた。
野球と平和の架け橋
ピィエロ〜はナックルボールの感触を確かめながら、ミミに語り始めた。
「ねえミミ、大谷翔平って本当にすごいんだ。彼は日本の誇りなんだよ」
ミミは興味深そうに聞き入った。「そうなの？どんなところがすごいの？」
ピィエロ〜は目を輝かせて説明を始めた。
「まず、メジャーリーグの歴史を考えてみよう。1876年に始まったメジャーリーグで、二刀流として成功した選手は大谷が初めてなんだ。ベーブ・ルースですら、投手か打者かの選択を迫られたんだよ」
彼は続けた。「日本のプロ野球も1936年に始まったけど、ここまで投打両道で活躍した選手はいなかった。大谷は日本ハムファイターズで培った才能をメジャーで花開かせたんだ」
ミミは感心した様子で聞いていた。ピィエロ〜は熱を帯びて話し続けた。
「そして、WBC（ワールド・ベースボール・クラシック）だよ。2023年の大会で大谷は投手として16奪三振、打者として .435の打率と1本塁打を記録したんだ。日本の優勝に大きく貢献したんだよ」
「メジャーでの成績も驚異的だよ。二刀流でMVPを獲得し、シーズン30本塁打と10勝を同時に達成した唯一の選手なんだ。そして今、200本塁打、500打点、100盗塁を800試合以内で達成。これは歴史に残る偉業だよ」
ピィエロ〜は少し考え込むように言葉を選んだ。「でも、大谷の偉大さは単に記録だけじゃない。彼は野球を通じて、世界に夢と希望を与えているんだ」
そう言ってピィエロ〜は、遠くを見つめた。
「野球には不思議な力があるんだ。
かつて戦争で敵対していた国々を、スポーツを通じて結びつける力が」
ミミは静かに頷いた。ピィエロ〜は続けた。
「第二次世界大戦後、アメリカと日本は野球を通じて関係を修復していったんだ。
敵国だった者同士が、同じフィールドで汗を流し、互いを尊重し合う。
そこには平和への大きな一歩があったんだよ」
ピィエロ〜は熱く語った。
「野球は単なるスポーツじゃない。
それは平和の象徴なんだ。
大谷翔平のような選手が、国境を越えて活躍することで、世界はもっと一つになれる。
そこには愛があるんだ」
ミミは深く感動した様子で言った。
「素晴らしいわ、ピィエロ〜。でも、それとあなたのナックルボールはどう関係があるの？」
ピィエロ〜は明るく笑った。「僕のナックルボールは、大谷選手の二刀流のように、予測不可能で自由なんだ。
この不思議な球で、ゾンビ化した人々の心を揺さぶり、sunsunランドに平和と愛を取り戻すんだ」
彼は真剣な表情で付け加えた。「野球が国と国を結びつけたように、僕たちの音楽と魔法で、人々の心を一つにできる。それが、このsunsunランドを救う鍵になるんだ」
ミミは優しく微笑んだ。「素敵な考えね。じゃあ、私たちの音楽とあなたのナックルボール、そして大谷選手の精神で、この世界に平和と愛を広めていきましょう」
二人は手を取り合い、新たな希望を胸に、sunsunランドの再生に向けて歩み出した。彼らの前には、ゾンビ化した群衆が立ちはだかっていたが、今や恐れる必要はなかった。ピィエロ〜とミミの心には、野球と音楽が育んだ平和への強い思いが宿っていたのだから。
過去の教訓と未来への希望
ピィエロ〜は深い思考に沈んでいた。彼の表情が急に真剣になったのを見て、ミミは優しく尋ねた。
「どうしたの、ピィエロ〜？」
ピィエロ〜は重々しく口を開いた。
「ミミ、僕は今、人類の大きすぎる過ちについて考えていたんだ。第二次世界大戦のことさ」
彼は慎重に言葉を選びながら続けた。
「1939年から1945年まで続いたその戦争は、人類史上最大の悲劇だった。数千万人もの命が失われ、都市は破壊され、そして...」
ピィエロ〜は一瞬言葉を詰まらせたが、決意を新たにして話し続けた。
「これは人類の大きすぎる過ちだったんだ。みんなで反省しなければいけない。国民も、政治家も、経済界の人たちも、全ての人がね」
ミミは静かに頷きながら聞いていた。ピィエロ〜は熱を帯びて語り続けた。
「目の色、肌の色、考え方、宗教、老若男女...そんなものは関係ない。人類全体の過ちなんだ。人類であるなら、みんなで反省しよう」
ピィエロ〜は遠くを見つめ、少し悲しそうな表情を浮かべた。
「そして、その戦争の結果、日本の多くの文化、伝統、歴史、言葉が失われてしまったんだ。僕たちの大切な遺産がね」
彼は突然、目を輝かせた。
「だからこそ、僕はこれらを蘇らせたいんだ。そして、その美しい文化を通じて、世界を一つの愛で包みたい。僕とミミのようにね」
ミミは感動して、ピィエロ〜の手を握った。
「素晴らしい考えよ、ピィエロ〜。でも、どうやって？」
ピィエロ〜は明るく笑った。
「僕のナックルボールと君の歌声さ！ナックルボールは予測不可能。それは人生や平和のようなものだ。簡単には掴めないけど、諦めずに追い求め続けるべきものなんだ」
彼は続けた。「そして君の歌声。それは日本の伝統的な音楽の美しさを現代に蘇らせる力を持っている。僕たちの力を合わせれば、きっとsunsunランドを、いや、世界を変えられる」
ミミは優しく微笑んだ。「そうね。私たちの音楽と魔法で、過去の過ちを乗り越え、新しい未来を作りましょう」
二人は手を取り合い、sunsunランドの空を見上げた。そこには、ゾンビ化した群衆の向こうに、かすかな希望の光が見えていた。
ピィエロ〜は力強く宣言した。「行こう、ミミ。僕たちの音楽と愛で、このsunsunランドを、そして世界を一つにするんだ。過去の教訓を胸に、未来への希望を歌いながらね」
そして二人は、新たな冒険へと歩み出した。彼らの前には困難が待ち受けているかもしれない。しかし、彼らの心には平和への強い思いと、文化の力への信念が宿っていた。ピィエロ〜とミミの旅は、まさにこれから本当の意味で始まろうとしていたのだ。
時を超えた絆
WBCに向けての熱心な練習を終えたピィエロ〜は、疲れ切った体を引きずるようにして家に帰った。
ベッドに倒れ込むと同時に、深い眠りに落ちていった。
そして、またしても不思議なワープが始まった。
目を開けると、そこはピィエロ〜が想像もしなかった世界だった。原始の森が広がり、巨大な木々が空を覆い、見慣れない動物たちの鳴き声が響いている。
「ここは...原始時代？」ピィエロ〜は困惑しながら周りを見回した。
彼は立ち上がり、おそるおそる歩き始めた。周囲には見覚えのあるものは何一つない。そして、最も不安だったのは、ミミの存在が感じられないことだった。
「ミミ？ミミ、どこにいるの？」彼は叫んだが、返事はなかった。
ピィエロ〜は不安を感じながらも、前に進むしかないと決意した。彼は森を歩き、川を渡り、丘を登った。その途中、彼は自分の記憶が曖昧になっていることに気づいた。sunsunランドのこと、ゾンビ化した人々のこと、そして...ミミのことさえも。
「僕は...何のためにここにいるんだ？」彼は混乱し始めた。
そのとき、遠くから不思議な音色が聞こえてきた。それは歌声...いや、まだ歌とは呼べないかもしれない。しかし、何かを呼び起こす力強い声だった。
ピィエロ〜は、その声に導かれるように歩み寄った。すると、小さな空き地に、一人の原始人の少女が立っていた。彼女は石を打ち付けてリズムを刻み、声を上げていた。
その瞬間、ピィエロ〜の中で何かが目覚めた。
「ミミ...？」
少女は振り向いた。彼女の顔はミミとは全く違うが、その目には見覚えのある光があった。
ピィエロ〜は、ふと自分のポケットに手を入れた。そこには、いつの間にか小さな笛が入っていた。彼は迷わずその笛を吹いた。
不思議なメロディが森に響き渡る。少女は驚いた表情を見せたが、すぐに笑顔になり、ピィエロ〜のメロディに合わせて声を上げ始めた。
二人の音楽が交わる中、ピィエロ〜の記憶が少しずつ戻ってきた。sunsunランド、ゾンビ化、そして...ミミとの約束。
「そうか...僕たちの絆は、時代を超えて存在するんだ」ピィエロ〜は思った。
音楽が終わると、少女は笑顔でピィエロ〜に近づいてきた。彼女は何か言葉を発したが、ピィエロ〜には理解できなかった。しかし、その笑顔の意味だけは分かった。
ピィエロ〜は少女に向かって言った。「君の中にも、音楽の力がある。それは時代を超えて、人々の心をつなぐ力なんだ」
少女は理解したかのように頷いた。
突然、ピィエロ〜の周りが光に包まれ始めた。彼は少女に向かって手を振った。
「さようなら。そして...ありがとう」
光が強くなり、ピィエロ〜の意識が遠のいていく。
目を覚ますと、ピィエロ〜は自分のベッドの上にいた。しかし、彼の心には確かな思いが残っていた。
「音楽の力は、時代を超える。そして、僕とミミの絆も...」
ピィエロ〜は微笑んだ。彼は新たな決意を胸に、再びWBCの練習に向かう準備を始めた。この不思議な体験が、彼の野球とsunsunランド再生への情熱をさらに強くしたのだった。
原始の試練と未来への警鐘
ミミらしき少女が姿を消した後、ピィエロ〜は一人、広大な原始の森に取り残された。彼の周りには見慣れない植物や動物たちだけ。sunsunランドでの記憶は遠くなり、魔法を使う方法さえ思い出せない。
「どうしよう...」ピィエロ〜は途方に暮れた。
しかし、生きるためには何かをしなければならない。空腹感に駆られ、ピィエロ〜は初めての狩りに出た。最初は失敗の連続だったが、少しずつコツをつかんでいった。
日々が過ぎ、ピィエロ〜の原始生活が始まった。彼は木の枝で簡素な小屋を建て、近くの川で釣りを覚えた。魚を捕まえる度に、彼は少しずつ自信をつけていった。
「よし、これで食べていける」
そして、ある日、ピィエロ〜は平らな土地を見つけ、そこを耕し始めた。石器を使って地面を掘り返し、見つけた種を植えていった。
「sunsunランドでは考えもしなかったけど、自分の手で食べ物を作るって、なんだかすごいことだな」
ピィエロ〜の生活は徐々に安定していった。しかし、彼の心の奥底には常に不安があった。sunsunランドのこと、ミミのこと、そして自分がここにいる理由。
そんなある日、ピィエロ〜が作った小屋の前で休んでいると、突然まばゆい光が現れた。その中から現れたのは、マドゥーナだった。
「マドゥーナ！」ピィエロ〜は驚きと喜びで叫んだ。
しかし、マドゥーナの表情は暗かった。彼女は手をかざすと、空中に映像が浮かび上がった。そこに映し出されたのは、炎に包まれ、ゾンビたちに蹂躙されるsunsunランドの姿だった。
「ピィエロ〜、見てごらん。これがsunsunランドの未来よ」マドゥーナは悲しげに言った。
ピィエロ〜は言葉を失った。彼が知っていた美しいsunsunランドが、破壊され、闇に包まれていく。
「でも、僕には何もできない。魔法も使えないし...」ピィエロ〜は落胆した様子で言った。
マドゥーナは優しく微笑んだ。「ピィエロ〜、あなたはここで大切なことを学んでいるのよ。生きること、創ること、育てること。これらは全て、魔法よりも強い力なの」
ピィエロ〜は自分の手を見つめた。荒れて、傷だらけの手。しかし、その手で彼は生き抜き、この地に新しい生活を作り出したのだ。
「そうか...僕は、ここで本当の力を学んでいたんだ」
マドゥーナは頷いた。
「そう、ピィエロ〜。そしてこの力こそが、sunsunランドを救う鍵なの。でも、時間がないわ。私たちは早く戻らなければ」
ピィエロ〜は決意に満ちた表情で立ち上がった。「分かった。僕はここで学んだことを、sunsunランドの再生に生かすよ。みんなで協力して、新しい世界を作り上げるんだ」
マドゥーナは手を差し伸べた。「さあ、行きましょう。ミミがあなたを待っているわ」
ピィエロ〜はマドゥーナの手を取った。彼らの周りを光が包み、原始の世界が遠ざかっていく。
ピィエロ〜の心には、原始での生活で得た強さと、sunsunランドを救うという決意が宿っていた。
生命の声と持続可能な未来
マドゥーナの魔法により、ピィエロ〜は突然、周囲の動植物の声を聞くことができるようになった。最初は驚きと喜びに包まれたが、すぐにその声の内容に愕然とした。
「人類なんて嫌いだ。人類はこの地球をめちゃくちゃにした。人類は破壊しようとしている」
木々や草、小鳥や昆虫たち、すべての生き物がそう叫んでいた。ピィエロ〜は膝をつき、深く頭を垂れた。
「本当に申し訳ない...」彼は心から謝罪した。
マドゥーナは静かに語りかけた。「ピィエロ〜、あなたは人類の代表として、この声を聞いたのよ。でも、まだ希望はある。SDGsを知っているかしら？」
ピィエロ〜は首を傾げた。「SDGs？それは何？」
マドゥーナは優しく微笑んだ。「持続可能な開発目標（Sustainable Development Goals）のことよ。2015年に国連で採択された、2030年までに達成すべき17の国際目標なの」
彼女は空中に17の目標を映し出した。
1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう
6. 安全な水とトイレを世界中に
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任 つかう責任
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう
16. 平和と公正をすべての人に
17. パートナーシップで目標を達成しよう
ピィエロ〜は目を輝かせた。「これだ！これこそ私たちがsunsunランドで、いや、全世界で取り組むべきことだ！」
彼は立ち上がり、周りの生き物たちに向かって叫んだ。「聞いてくれ、みんな！僕たち人類は間違いを犯した。でも、これからは変わる。この17の目標を達成して、地球を再生するんだ！」
木々がざわめき、小鳥たちがさえずった。その声は少し和らいでいた。
ピィエロ〜は続けた。「例えば、目標15の『陸の豊かさも守ろう』。僕たちは森を大切にし、生態系を守る。そして目標13の『気候変動に具体的な対策を』。クリーンエネルギーを使い、CO2排出を減らす」
マドゥーナが付け加えた。「そして、目標17の『パートナーシップで目標を達成しよう』。これが最も重要かもしれないわ。人類だけでなく、すべての生き物と協力して、この目標を達成していくの」
ピィエロ〜は決意に満ちた表情で言った。「そうだ。僕はsunsunランドに戻ったら、みんなにこのSDGsの重要性を伝える。ゾンビ化した人々の心を取り戻し、一緒に持続可能な未来を作るんだ！」
突然、遠くからミミの歌声が聞こえてきた。それは希望に満ちた、美しい歌だった。
マドゥーナは微笑んだ。「さあ、ピィエロ〜。新しい使命を胸に、sunsunランドに戻りましょう」
ピィエロ〜は頷き、マドゥーナと共に光の中へと歩み出た。彼の心には、SDGsの17の目標と、すべての生命との共生という新たな決意が刻まれていた。
sunsunランドの再生、そして地球全体の持続可能な未来への冒険が、今まさに始まろうとしていた。
親愛なる読者の皆さまへ
この物語は、時空を自在に操る魔法使いミミとピィエロ〜、そして彼らの賢明な師匠マドゥーナを通じて、日本を象徴するsunsunランド（太陽の国）の冒険をお届けしています。
平安時代への不思議なワープ、源氏物語の世界との出会い、そして現代への架け橋。
これらは単なるファンタジーではありません。
日本の豊かな伝統、文化、歴史を現代に蘇らせ、私たちの中に眠る本来の姿を呼び覚ます物語なのです。
ゾンビ化した現代社会。
それは、私たちが自分たちの本質を忘れてしまった姿かもしれません。
しかし、この物語が示すように、目覚めるための鍵は私たち一人一人の中にあるのです。
日本から世界を豊かにしていく。
それは大きな目標なのかもしれません。
しかし、皆様方の小さな行動、気づき、そして笑顔が、大きな変化の始まりとなると信じています。
この物語にはユーモアも多く織り交ぜました。
なぜなら、人生には笑いも必要だと思うからです。
『楽しむことの深さ』
難しいことも、クスッと笑いながら考えれば、新しい発見があるかもしれません。
皆さまがこの物語を楽しんでくださったなら、これ以上の喜びはありません。
そして、もしこの物語が、あなたの中に眠る「日本の魂」を呼び覚まし、新たな一歩を踏み出すきっかけになれば、私の思いは皆さまに届いたことになります。
さあ、あなたも魔法使いになりましょう。
過去と現在、未来をつなぐ魔法を使って、sunsunランドこと日本を、そして世界をより良い場所にしていきましょう。
その魔法とは、あなたの中にある「愛」と「行動」なのです。
一緒に、日本から世界を変える冒険に出かけましょう！