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追悼・野村克也さん 日本野球を作り上げた道楽家を偲ぶ

ありがとう!マスタープロ野球!

本日、日本野球の立役者が、奇しくも建国記念日の今日の未明、お亡くなりになりました。

ご冥福をお祈りいたします。

野村克也さんといえば、「ノムさん」「野村監督」と言われ親しまれてきました。現役時代には、スーパースター長嶋茂雄と比較され、ノムさんは、「王や長島はひまわり、私は月見草」と称していました。

確かに、王さんは世界のホームラン王として、前人未到の記録を打ち立て、長嶋さんは数々の記録はさることながら、「我が巨人軍は、永久に不滅です」という名言を残し、引退後は長嶋監督として巨人を率いて、野球史にも日本の歴史にも残る「ミスタープロ野球」と言われるようになりました。

野村さんは、選手としても、史上2人目の三冠王達成(世界のプロ野球史上初の捕手による三冠王)、選手出場試合数歴代2位、監督出場試合数歴代3位、通算本塁打数歴代2位、通算安打数歴代2位、通算打点数歴代2位、通算打席数1位(11970打席)、通算打数1位(10472打数)、通算犠飛数歴代1位(113犠打)、通算併殺打1位(378打)、ベストナイン19回受賞で1位といった数々の記録を残しました。選手時代には「ささやき戦法」が有名ですが、監督になってからは「ID野球」と言われた野球でヤクルトや阪神、楽天などを歴任し、優勝に導きました。その手腕を「野村再生工場」と称して、指導者としても輝かし記録を残しました。

長嶋さんが「ミスタープロ野球」なら、野村さんは「マスタープロ野球」と称したいと思います。


道楽家・野村克也

長嶋さんといえば、東京六大学のスタートして、鳴り物入りで巨人に入団しましたが、野村さんは、巨人ファンでありながら、レギュラーになりやすいことをと考え、南海ホークス(現・ソフトバンクホークス)に、契約金0のテスト生として入団しました。野村さんは、貧しい家庭だったそうなので、憧れよりも現実を求めたのかもしれません。

野村さんは、甲子園にも出場しておらず、無名な選手だったそうです。実際、南海入団後、才能がないとコーチに言われたり、戦力外通告もされたそうですが、「クビになったら生きていけません。南海電鉄に飛び込んで飛び込んで自殺します」と言って(脅して?)クビを免れましたが、実力が足りていなかったのは事実だそうです。

そこで必死に練習やトレーニングを積み、野球のことを研究したそうです。実際に活躍するまでには、3、4年を要したそうですが、その後は8年連続本塁打王、首位打者、三冠王などを記録しました。

打者としても投手としても、プロの世界で生き残るために、相当な訓練をしたんだと思います。長嶋さんや王さんをはじめ、当時のスター選手と渡り合う為に、自らを「月見草」と称して奮起し、自分にできることを徹底的に突き詰めたんだと思います。

その結果として、輝かしい記録を残したこととなり、才能がないと言われた所から大スターになった過程は、メソッドとして、監督になったときにも大きな効力を発揮して、名選手を育てたんだと思います。

その姿はまさに「道楽家」そのものです。

人を育てる為のメソッドを作ろうとしたわけでもなく、大スターになろうとしたわけでもない。貧しかったことを"せい"にせず、やらなければいけなかったこと、やりたかったことをやる為に、足りないものを認めて、学びながら努力したんだと思います。それは、"せい"ではなく"おかげ"になっていたんだと思います。だから、気がつけば、前人未到の境地にいて、身につけたものは監督になっても解説者になっても、生かすどころかそれ以上の価値を生む。

そんな道楽家の極みを、ノムさんは体現してくれたのではないかと思います。


野村さんが残した名言の数々

最後におまけとして、ノムさんが残した名言の数々を残したいと思います。

「新庄、あいつは宇宙人や」
「マー君神の子不思議な子」

というのもありますが(笑)、数ある名言を道楽的に選んでみました。

「"もうダメ"ではなく、"まだダメ"なのだ」
「楽を求めたら、苦しみしか待っていない」
「うまくいっているときは、周りに人がたくさん集まる。
 だが、一番大切なのは、どん底のとき、誰がそばにいてくれたかや」
「有事に強い者、それは不真面目な劣等生」
「考えることを放棄すると、すべてが幼稚になる」
「人の悪口を言わないような人間は、信用するに値しない」
「やけくそはギブアップ、開き直りはチャレンジ」
「ホームランはスランプの前兆や。
 頭でわかっていても、身体がホームランを欲しがる」
「成功体験が過信、驕り、満足を生む」
「断る度胸を持つ人間が、結局勝つんだ」

・・・すみません、調べてみたらあり過ぎて、止まることを知らなそうだったので、一先ず10個だけ載せておきます。見れば見るほど、ノムさんの中から「道楽」を感じたので、またノムさんの名言特集をしたいなと思いました。

多くの方が追悼しているかと思いますが、私も追悼させていただきました。
意志を継ぐ人や、語り継ぐ人がいてこそ、生きた証になるし、人は生き続けると思います。野村克也さんという素晴らしい方が生きた証の一端になれればいいなと思います。

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