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M-1グランプリ2019アナザーストーリーが泣ける

昨年のM-1グランプリのドキュメント

いよいよ明日、「M-1グランプリ2020」が開催されます。今年は、コロナ禍にあって、メディアや舞台でネタを披露する機会が激減しました。それにより、大本命がおらず、誰が優勝してもおかしくない大会だと言われています。個人的には、ルール変更によって、R-1グランプリに出場できなくなってしまったピン芸人のコンビ「おいでやすこが」に注目していて、以前コラムで特集しました。


今年の大会に先駆け、「M-1 アナザーストーリー」というドキュメントが放送されました。ミルクボーイが優勝した2019年大会の舞台裏を追ったドキュメントです。

これが、泣けるんですよ。

我々一般の視聴者にとっては、日本一の漫才師を決める大会で、「面白い」「面白くない」と気軽に見ることができます。しかし、出場する芸人の方にとっては、人生をかけた戦いであり、一世一代の大勝負です。そこには、並々ならぬ覚悟があり、何年、何十年挑み続ける人たちがいます。中には、芸人を諦める人もいれば、スター街道が拓かれた人もいます。

人生をかけた大勝負に一般視聴者は、ウケなかったからと、平気で批判したり、貶したりします。

芸人が、どれほどの思いでM-1に臨んでいるのか。どれほどの苦労や努力を費やしてきたのか。

詳しい内容は、「TVer」で放送しているので、ぜひ観ていただきたいと思います。

ファイナルに出場する10組。勝者は一人だけで、9組は敗者です。
昨年は、ミルクボーイが颯爽と現れ、史上最高得点(861点)を叩き出し、文句なしの優勝でした。最後の挑戦となったかまいたちは、惜しくも松っちゃんの一票に終わり、かまいたちのM-1は終わりました。3年連続準優勝という記録を持つ和牛は、敗者復活で勝ち上がりながらも、ぺこぱに僅差で破れました。今年も出場資格はありましたが、昨年を最後に、今年は出場を辞退しました。

もちろん、この2組だけでなく、出場した全員に強い思いがあり、掘り下げていけば、様々なエピソードがあるでしょう。


かまいたちの背景

例えば、昨年が最後の出場になった「かまいたち」は優勝を逃しましたが、悔しさよりも、「これでやっとM-1が終わる」という安心感の方が強かったそうです。これは、挑戦し続けたからこそ味わえる感覚だろうし、挑戦し続けたことで、運良く優勝するよりも、確かな実力を身につけられたのではないかと思います。

遠回りした上、優勝というゴールにも辿り着けなかったかもしれませんが、それ以上に、「おかげ」になるものを得たのかもしれませんね。

優勝はできませんでしたが、M-1に優勝し続けることで、「せいをおかげに」したかまいたちの物語は、胸にくるものがありますね。


ミルクボーイ優勝の背景

ミルクボーイも、2007年から挑戦するも、準々決勝止まり。諦めかけていましたが、昨年、ついに決勝に進出し、勢いのまま優勝。その裏には、様々な苦労や努力がありました。しかし、誰にでも苦労や努力があり、比べられるものではないですが、ミルクボーイが一番苦労したとか、努力したわけではないでしょう。一番頑張った人が優勝するわけではないですが、やはり、舞台裏にある苦労や努力を知ることで、昨年のことではありましたが、色んな感情が出てきました。

人はなぜ「物語」に感動し、心動かされるのか。それは、「背景を知る」からです。「M-1グランプリ」とは、晴れ舞台であり、目に移る表面です。それだけでも面白く、感動もすると思いますが、背景である裏を知った時、その感動はとてつもなく大きくなるものです。

「物語」は、主人公が苦しみ、悲しみを乗り越え、成長していく姿に共感し、感動するものです。それは、表面だけではなく、主人公を始め、登場キャラの内面を知り、背景を知るからこそ、思い入れが強くなります。


人生を物語するのは自分自身

私は、「人生は物語だ」と思っており、コラムにもしています。

つい最近では、私とナマケモノの出会いを描いたエピソードを、「ナマケモノ物語」として配信しました。

ただ生きているだけでは、人生は物語とは呼べません。自分自身、背景を知ることで、物語としての息吹が吹き込まれ、人を惹きつけるものになるのだと思います。

M-1グランプリも、ただネタを披露して、面白いだけの大会ではなく、出場する芸人が、人生をかけた物語のクライマックスの一つであると思います。

私自身、「今年のM-1はどうなんだろう・・・」と思ってしまったところがありましたが、今回のアナザーストーリーを観て、ちょっと視点が変わりました。

「M-1グランプリ2020」が、一つの物語であり、芸人による、命をかけた笑いと感動の物語として、最高に面白くなるように、心を込めて応援します!


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