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『いだてん』感動の第45話

世間で話題だった感動シーン

『いだてん』は、ここずっと視聴率6%台で、低視聴率を批判されていますが、私はそんなこと気にすることなく、めちゃめちゃ面白いと思っています。

ここ数回は、かなりダークな感じで、鬱憤が溜まる回が続きましたが、第45話は、その曇りが一気に晴れるような爽快な回でした。

ニュースでも、今や唯一『いだてん』でしか見られない徳井さんが演じる、東洋の魔女を率いた「鬼の大松」のシーンが、感動を呼んだそうです。若い女性が、バレーに打ち込むことで、青春を無駄にし婚期が遅れてしまう。ソビエトを倒し、世界一に輝いたことで、オリンピックへの情熱が薄れ、教え子の幸せを優先したのですが、田畑は、女子バレーがオリンピックで金メダルを取るために、苦心して正式競技に認めてもらいました。

しかし、鬼の大松が「仏の大松」になってしまい、奮い立たせようとしましたが、大松を再び燃え上がらせたのは、他でもない、婚期が遅れた教え子達でした。

「これが私たちの青春です!」

と。やる気を見せた教え子達に向けて、大松がかけた言葉が、

「俺について来い!!」

でした。

15分間に渡って、徳井さんが出演したこのシーンは、大きな感動と、
「これはカットできないわ」
「感動する演技だったのに、こんなことになって残念」

という声がありました。
今回は、徳井さんについて言及するつもりはありませんが、女性にとって大切な時間をバレーに捧げさせたことで、

「俺が責任を持って、全員結婚させたる!」

という気持ちを伝えました。その大松さんの心意気は、素晴らしいですよね。自分が犠牲を強いたことに対して責任をとる気概があるからこそ、鬼のような指導をする大松に付いて行ったのでしょうね。
ドラマ終わりの紀行で述べられたのですが、東京オリンピックで金メダルを取った女子バレーは、メダルを授与した時、監督である大松はメダルをもらえないので、選手全員が監督に金メダルを掛けたそうで、

「監督、一番メダル持ってるやん。ってか返して!」

と笑い合ったそうです。これは感動的ですよね。本当の絆がないとできないことだと思います。

私が伝えたい名シーン

女子バレーの話はとても感動的だったんですが、今回私が感動したシーンは別にあります。

これを語るためには、少し説明がいるのですが、『いだてん』第2部の主人公は、東京にオリンピックを招致した立役者「田畑政治さん」が主人公として描かれています。

嘉納治五郎さんが願い、「幻のオリンピック」と呼ばれた1940年の「東京オリンピック」は、戦争によって返還することとなり、大会そのものが中止となりました。嘉納先生自身は、1938年、その事実を知らずに永眠されました。その意思を継いだのが田畑政治さんで、遺品であるストップウォッチを受け取りました。

第2次世界大戦の敗戦によって、日本は参加できない時もあり、スポーツの国際大会においても、歓迎されないこともありました。
それでも、1964年のオリンピックは、田畑さんの尽力や、嘉納治五郎さんの最期を看取った平沢さんたちによって、東京開催の招致に成功しました。あとは、オリンピックの成功に向けて、田畑さんは「事務総長」として現場トップになりました。ただ、敗戦後の開催で、「日本復活」をアピールしたいのは、スポーツだけではなく政治も同じでした。

「スポーツに政治は介入しない」

という鉄のルールがあるものの、その状況や規模において、政治が手を出さないということはあり得ません。「金を出すなら口も出す」ということで、田畑主導ではあるものの、「東京オリンピック」も政治の道具として扱われることもあり、政治にとって「選手ファースト」を訴える田畑は、邪魔な存在となりました。そして、東京オリンピックの2年前にインドネシアで行われた国際大会に参加したことが、日本で物議を醸し出す時代になり、その責任をとる形で、田畑さんは辞めさせられました。辞任会見では、何度も

「いいかい?俺は辞めたくないんだ」

と未練がましくいい続けました。
そこは、詳しくコラムにしている方がいるので、こちらをご覧ください。

ちょっとまだまだ長くなりそうなので、ひとまずここで区切りたいと思います(笑)次回は、この続きと、本質的なことをお伝えしていきたいと思います。


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