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ルフィ名言Vol.86「なカバ(仲間)・・・・・・ダンダよ」

物語と名言

ナミを背負い、サンジを咥えたルフィは、極寒の中、えんとつ山をよじ登る。3時間以上かけて頂上に辿り着いたルフィの目の前に現れたのは、壮大な城だった。

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                  出典・ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

その美しさと登頂して安堵するが、足場の雪が崩れ去ってしまう。落ちるルフィの手を握っていたのは、化け物だった。

ワポルの足止めをしていたラパーンは、ワポル達によって倒されていた。雪崩に襲われたウソップも、長鼻のおかげでビビに助けられ、ついでにゾロとも合流した。

城の中では、ナミが治療を受けていた。目を覚ました時に現れたのは、青鼻のトナカイとDr.くれは。リトルガーデンで”ケスチア”という有毒のダニに刺されたことで、あと二日で死んでしまう所だったが、ナミは助けられた。急いで出て行こうとするナミにDr.くれはは、

「私の前から患者が消えるときはね・・・ヒッヒッヒ 治るか!!死ぬかだ!!!」

とメスを突きつける。そこに慌ただしく、青鼻のトナカイを追い、ルフィとサンジも入ってくる。

ルフィが登ってきたドラムロックは標高5000m。二人を背負って素手で登ってきたルフィは、全身凍傷になりかけ、サンジは肋6本折り、背骨にヒビが入るほどの重症だったが、一番の重症はナミ。見立てるDr.くれはの腕を掴んで言った、今回のルフィの名セリフ。

「なカバ(仲間)・・・・・・ダンダよ」

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                  出典・ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

Dr.くれはは「わかったよ、助ける」と言い、チョッパーを連れて治療していたのだ。
チョッパーは、”ヒトヒトの実”を食べて、”人の能力”を持て、Dr.くれはの”医術”を叩き込まれたトナカイだった。


名言の意味

今回の名セリフは、仲間を大事にするルフィの名言ではありますが、ポイントはその状況です。「仲間が大事」なんて、誰にでも言えることだし、その言葉が本物かどうかはわかりません。ルフィは当然、仲間のナミとサンジを助けるために、5000mもの山を登ってきました。もちろんそれだけでも凄いことですが、自分自身が全身凍傷になりながらも、ナミを助けてくれと頼むわけです。

よく、人は追い込まれた時に本性がわかると言います。Dr.くれはは、山を登ってきたのはもちろん、自身が傷ついているのに、仲間を思う気持ちに、Dr.くれはは心意気を感じたのです。

逆風でこそ本性は見える

順風に行っているときは、本質や本音はわかりません。追い込まれたり、逆風になってこそ、本音が現れます。例えば、カンヌ最高賞を受賞した『万引き家族』を観たのですが、そこに通じるものがあります。

ーーここから『万引き家族』のネタバレを含むので、観たくない方は飛ばしてください



『万引き家族』は、働きながらも貧しく、万引きを生業にしている家族の話です。家族と言っても血の繋がりはなく、詳しくは観ていただければ早いんですが(笑)、息子の翔太が、万引きすることに疑問を抱くようになり、父にも疑問を抱くようになった。そんなある日、小さい妹が万引きしようとしているのを見て、妹を守るために、わざとバレるように万引きして逃げると、店員に追われて逃げる際、端から飛び降りて骨折する。
警察に呼び出された父は、訳ありの為、対応がたどたどしい。そこに母が現れると、すぐに戻るからと一度家に帰る。しかし、そこで父は、翔太は病院だからご飯には困らないからと、夜逃げしようとする。そこに警察が駆けつけ、全員取り調べられる。窃盗や他にも余罪があるが、母が罪を一身に背負う。

結局、家族はバラバラになり、子供は元いた家庭や施設に預けられることになるが、父と翔太が再開したとき、翔太は、
「僕を追いて逃げようとしたって本当?」
と聞き、
「あぁ。お父さん、おじさんに戻るよ」
「うん」

というように、家族は終わります。

何が言いたいかというと、本当の家族ではなく、本当の父ではない男が、息子がバレたとき、仮に、後から助けるにしても、その瞬間は見捨てて逃げようとしました。そのことが後悔として残っていたからこそ、「おじさんに戻る」と発言したわけです。翔太は、父でいて欲しかったのかもしれませんが、現実はそうなりませんでした。



仲間を見極めるには

なかなか仲間の絆を見極めることは難しいものがありますが、少なくとも、調子がいい時だけの付き合いとか、同じような辛い経験を共にしないと、本物の絆にはならないし、本物かも気付けないでしょうね。
せめて、家族とか仲間と呼べる人とは、苦楽を共にし、表面的なものとか損得、金銭的なものではない繋がりを持てる人と、仲間でありたいですね。

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