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いよいよ最終回!『天国と地獄〜サイコな2人〜』が描く「罪を犯す」ことの重さ
いよいよ最終回を迎える、綾瀬はるかさんと高橋一生さんW主演で話題のドラマ、『天国と地獄』。
刑事である望月(綾瀬氏)と、殺人容疑のかかる日高(高橋氏)の魂が入れ替わってしまうという物語。
男っぽい綾瀬氏も素敵なのですが、高橋氏の女性の演技も見所の一つですね。演技力には定評がありますが、さらに幅を広げたのではないかと思います。
兄弟のしがらみ
ここからは、ネタバレも含むので、まだ観ていない方はご注意ください。
連続殺人を犯していたのは、高橋さん演じる日高の兄で、余命わずかの東朔也でした。
2人は、幼少の時、親が離婚して離れ離れになりました。母親に引き取られた日高は、兄の存在を知らないまま不自由なく過ごし、兄の存在を知らないまま、経営者となって立派になりました。
一方、兄の朔也は父に引き取られましたが、事業に失敗し、貧しい日々を過ごすことに。親に愛され、立派に育った弟とは違い、親に愛されず、苦労し続け、勤めていた警備会社では濡れ衣を着せられ、解雇されてしまう。
「15分」早く生まれてさえいれば、人生は変わっていた。朔也が日高の人生を歩んでいてはずだった。しかも、朔也は余命数ヶ月。人生に絶望していた。
そんな中で、朔也は自殺した猟奇殺人犯の家から見つけた漫画にあった、「Φ(くうしゅうごう)」になって、掃除屋として人を殺すことに。
朔也は弟の日高に協力を仰ぐも、受け入れられない。喧嘩別れをすることになるが、日高は凶行に走った兄の犯行を庇うことにし、犯行現場の掃除をし、犯人を特定させないよう補助する。
しかし、朔也による予定外の殺人事件が起こり、日高は後始末をすることができず、しかも犯行現場から幼い時に交換した日高の乳歯が見つかってしまい、日高と朔也に逮捕令状が出ることに。
追い込まれる前に、日高がした選択は、入れ替わった望月と元に戻り、事情を知る望月と共に、朔也に会いに行くことに。
そして、奄美大島に向かうフェリーで、兄弟は再会する。
罪の無情さ
日高に入れ替わったことで、事件の全貌を知った望月(綾瀬)は、朔也を殴る。
「あんたにもいるんだからね!そうやって守ってやろうって人間が!犯罪者にもなってやろうっていう人が!」
望月は、弟を巻き込む朔也の愚行が許せなかった。
己の過ちに気付いた朔也は、「悪いのは俺で、こいつは何も悪くないんだよ。俺はどういう殺され方してもいいから、こいつだけは守って・・・」と訴える。望月は言う。
「だったら、始めからこんなことすんじゃねぇ!」
朔也が何と言おうが、日高が犯行を補助していたことには変わりません。
「罪を犯す」ということは、加害者と被害者が生まれることはもちろん、そのどちらにも、悲しませたり、巻き込んでしまう人が出てしまいます。そこでどれだけ弁明しても、事実は無情です。
よく、免許の更新などで、事故の映像を見たりすることがあると思いますが、被害者はもちろん、加害者にも傷が残り、背負う罪があります。それは、自分一人だけではなく、自分を大切に思う家族や友人にも背負わせることになります。
ドラマでは、朔也にはもう弟しか家族はいませんが、天涯孤独に生きていました。それでも、「師匠」と慕う、陸がいたりもします。
以前、「人が『一人』では生けない理由」というコラムを配信しました。
天涯孤独であっても、普通に生きていれば、誰かと関わって生きるのが人間です。完全自給自足の仙人でもない限り。
朔也は、自分を不幸にした人に復讐するために殺人を犯しましたが、生きていれば、誰しも嫌なことも憎むこともあると思います。昨年は、有名人の自殺も相次ぎましたが、一時の感情に流されて罪を犯すということは、自分で気付かないかもしれませんが、不可抗力的に、誰かを巻き込むことになります。
罪を犯すその時に、そんな余裕はないかもしれませんが、罪を犯したら、大切な人も同様に苦しめることになります。
後からどれだけ「悪いのは俺だけだ」と罪を認めても、どうすることもできません。
そう言った、「罪の無情さ」というものを、前回は描いていたように感じました。
いよいよ最終回ですが、日高を逮捕した望月も、セク原に逮捕されてしまいました。
「真犯人がまだいる」という説もあったり、ヘタレ相棒の八巻が何を告発したのか。捕まった望月と日高は、どのなってしまい、物語はどのような結末を迎えるのか。今日の最終回が楽しみですね!
おまけ 小ネタ
前回は、「15分」がテーマでした。サブタイトルにも、「永遠の時間は15分」とありましたが、「15分」早く生まれたことで、人生が狂ってしまった、と朔也は言っていました。そして、前回は、「15分」拡大での放送でした。今日の最終回も「15分」拡大放送です。偶然か必然か、物語と放送をうまく絡めてきて、制作の作品への思い入れを感じますね。
もう一つ。
お気付きの方もいるかと思いますが、奄美大島に向かう際、緊急配備が敷かれていて、日高がすぐにバレないよう、「THE刑事」と言えるような、『踊る大捜査線』の青島刑事のトレードマークであるグリーンのジャケットを着ていました。
『踊る大捜査線』のオマージュか、高橋一生さんが、刑事モノをする伏線になるのかはわかりませんが(笑)、似合っていましたね!
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