『KCIA 南山の部長たち』

2007年に見た韓国映画『ユゴ 大統領有故』と同じ題材だが、イ・ビョンホンを主演に添えてどう変わるか気になった『KCIA 南山の部長たち』。今回は事件の下地となる40日前からの出来事を追った実録映画になっていて、キム・ギョピョンにもう一歩踏み込んだクライム・サスペンスに仕上がっている。

 

事件当日前後を追った『ユゴ 大統領有故』と比べるとかなり丁寧な作りだが、アメリカで告発をしたパク・ヨンガクのくだりは映画のテンポがややスローで地味な印象がある。 

 

が、中央情報局のキム・ギョピョン部長と対立する警護室長との対立あたりからストーリーがグンと面白くなる。要は大統領を会社の社長に見立てると、その下の部門が違う部長同士が派閥争いをしている企業ドラマを見ているようでもある。また、この警護室長を演じている人の悪役ぶりが上手く、池井戸潤原作のドラマに出てくる香川照之のようだ。

 

クライマックスのバトルシーンは長回しで派手な立ち回りなので、終わってみれば良質なクライム・サスペンスを見た気分になる。1980年前後の韓国の内乱を扱った作品にハズレはない。この辺りに興味がある方はもちろん、クライム・サスペンスが好きな方なら必見である!

 

 

評価:★★★★

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