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ブルーを笑えるその日まで

鑑賞:2023年12月@アップリンク吉祥寺

監督の意思と実現力のたまものです。

劇場掲示

予備知識なしで、告知で若さ溢れそうな作品かと思いまして、拝見しました。まさにその通りで、役者さんも作り手も若さ溢れてます。

素朴さ・無骨さを感じます。金魚や万華鏡など、定番のアイテムに安心感があり、目新しさは無いのですが、それだけに何を訴えたいのかがポイントとなってきます。少しファンタジーに見せかけたり、川にジャンプしたり、商店の婆さんがいたり、定番てんこ盛り。うらやましい。テクニックに走らない。弁当のごはんに梅干し乗せる感じの安定感。変なことやってしまわない信頼感。たぶん私だったら、何かヒネリを入れようとして失敗してしまうと思います。

なにより役者さんが輝いてます。若さもあるけれど、ツクリモノとしての美しさに感心します。スチールからも伝わってくるビジュアルのみずみずしさ。言葉にならないセリフ仕草も良いです。セリフもナチュラルで、変化球なし。ド直球。これは見る人間が試されます。素直に見られる力が試されます。

監督とキャストによるご挨拶「ブルーを笑えるその日まで」

学校で周囲から浮いている主人公。以前は仲が良かった同級生。万華鏡で繋がった、同じく浮いてる子。情の機微が話をドライブしますが、分かりやすさとの闘いを感じる見せ方に妙な緊張感がありました。

上映だけだと、直球すぎるお話にモヤモヤが深まりそうでしたが、今回は監督やキャストのトークを伺えまして、監督の訴えたい思いに感動。自身の経験を背景に発意して、制作にこぎつけたのはスゴイ、スゴすぎる。「エンターテイメントに昇華したい」とおっしゃっていた部分に、強く共感しました。ものすごく人間味が厚そうな監督の姿で、監督ファンが増えそうな予感です。世に訴えたい思いを、実現させた監督。その劇場公開の場にご一緒できたのが嬉しい。

人間関係に悩んだり、周囲から浮いているんじゃないかと思った方に、ぜひご覧いただきたいと思います。

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