30年間上がらない日本の給与
2022年7月10日(日)は、参議院選挙(第26回参議院議員通常選挙)が行われ与党が勝利しました。大きな事件もあって保守勢力の圧勝の結果です。
今回の選挙での争点は、なんといっても「景気・雇用対策」が挙げられていました。党首討論で、「給与を上げる」を公約にした政党もありました。
事実日本の給与って本当に上がっていません。以下の図は、OECDの統計データを基に1990年から2021年までの約30年間をグラフ化したものです。
驚くことに、日本は30年間給与横ばいです。米国は約1.6倍、欧州各国は平均で約1.4倍も上がっているにも関わらずです。日本社会はもっと給与アップを考えないと国際購買力も上がりません。事実、IMFの世界の1人当たり購買力平価GDP 国際比較統計・ランキングで、日本は36位です。米国は、9位。同じアジアのシンガポールはなんと第2位。香港は11位、台湾は15位、韓国は30位です。
日本はデフレがずっと続いており、衣食住が他国に比べて安価であるためか、給与があまり上がらなくても、大きな不満が挙がらなかったのでしょうか。
経済指数の一つとして、マックのビックマック指数というのがあります。世界各国で売られているビックマックの価格で、その国の経済力を図るというものですが、2022年度のランキング1位はスイスで804円、アメリカは3位で669円。日本は33位で390円。なんと中国は26位で442円です。10年以上前ですが、韓国は食べ物や物価が安いと思っていたその韓国は27位で440円。今は日本より高くなっています。今はまだ、他国に比べて日本はデフレで安く食べることができます。
しかし、2022年7月14日に東京外国為替市場では、1ドル139円台まで値下がりし24年ぶりの円安水準を記録しています。さらに、ウクライナでの紛争もあり、ここにきて物価がじわりじわりとアップしています。経営者は、経営の効率化で生産性を高め、利益の最大化を図り給与原資を創出し、給与アップを真剣に考えていく必要がある時期に来ています。
このような経済環境の中でグループウェアを手掛けるサイボウズ社さんは世界的なインフレを踏まえ「インフレ特別手当」を支給すると決定したそうです。社員にとっては素晴らしいことです。倣って頑張らないといけないと思います。
経営の4大要素であるヒトモノカネと情報の中で、DX社会で最も大切なヒトに注目した経営戦略と人材戦略が連動する人的資本経営は待ったなしです。
執筆:JOB Scope編集部