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「飽きっぽい性格」を、欠点から強みに変える思考法とは

 飽きることはマイナス、そう思い込んでないだろうか。もちろん、なにかを持続させることは尊い。しかし、すべての「継続」を無条件に褒めたたえ、飽きっぽいことは欠点でしかない、という考え方を疑ってみたい。

 たとえば学校教育では、飽きたり、途中で投げ出したりすることが称賛されるような機会はほぼ皆無だと思う。それは社会に出てからも同じで、組織のメンバーとして、飽きっぽい人よりも、忍耐強くなにかを続けられる人が重んじられるのは疑いようのない事実だ。

 しかし、自分の知る限り、たとえば起業家という人種は総じて飽きっぽい人が多い。中には、筋金入りの飽きっぽさレベルを持ってる人がいて、彼らは、毎日なにかに飽きている

 日本でも、「もっと多くの起業家が出てくるような世の中にならなければ」とさんざん言われている。しかしその割に、学校教育や社会文化が、「飽きる」ことにこれだけ否定的なのであれば、起業家としてはなかなかに生きづらい世の中だ。真面目にひたすら何かを続けられる人たちだけだと、起業の数がこれ以上増えることはないと思ってしまう。


 しかし、ここで大切なのは、「飽きる」ことと、「投げ出す」ことはぜんぜん違うということだ。起業家に飽きっぽい人が多いといっても、別に彼らがなにかをすぐに投げ出すわけではない。むしろ、経営というのは、メンバーや顧客、投資家に対して大きな責任を背負った上で、どんな逆境に置かれても途中で投げ出さずにやるべきものだ。そして多くの起業家は、そのとおり、いつも歯を食いしばりながら経営を続けている。

 飽きたから、投げ出す、のではない。飽きたから、「今までとは違うやり方でやろう」と思うのだ。

 そしてそのような発想こそが、スタートアップの存在価値だ。「今までこうだったから、このままでいい」という保守的な考え方に対抗し、それだとつまらないし飽きるから、別のやり方でやってみようと考える。そして、自分が考えたそのアイデアにもまた飽きてくるから、さらにまた違う方法でやってみよう、と考える。業務の改革、そしてイノベーションとは、まさにこの繰り返しによってこそ生まれるんだと思う。


 ひとつのことを、疑いなく永続的にやれるスキルはものすごく重要だと思ってる。特に、社会インフラを支える最前線にいるような人々は、日々、着実に同じ作業を遂行するモチベーションとスキルが高い。そのおかげで、水道、リサイクル施設、交通... といった重要インフラが、今日も安全に稼働しているのだと心から感謝している。

 一方、飽きっぽい人たちには、なかなかこういう仕事は務まらない。同じタスクをずっとやり続けることに耐えられないからだ。だからこそ、「なにか違うことをやりたい」という力を、プラスに発揮できるような仕事を選んだほうがいい。


 起業はその中のひとつの選択肢だが、別に起業でなくてもいい。同じことを繰り返すのではなく、自分の好奇心を満たせるような、つねに「改善」や「改革」をやっていくような仕事を選べばいいのだ。

 自分が飽きないように、いつも新しい刺激をもとめ、業務のやり方を変えていく。新しい事業をスタートさせてみる。なにかを変えたり新しいことを始めるのは、周囲から抵抗されたりしてとても大変なのだが、飽きっぽい人たちにとっては、それすらも楽しめる要素になる。「同じだと飽きるから、いつも変化していたい」と思う精神を、最大限プラスに活用できるはずだ。


 とはいえ、「自分は飽きっぽいのだ」と、ドヤ顔で自慢できる社会ではないし、そんなことでドヤ顔などすべきではない。自分自身も、とても飽きっぽいという自覚はあるが、基本的には褒められたことではないと思ってる。そういう謙虚さはしっかりと持つべきであろう。

 しかしながら、これまでの半生で付き合ってきた自分自身のそういう性格を、最大限プラスに活用できるようにしたいといつも思ってる。これまでも、そうしてきたつもりだ。

 自分自身が飽きないように、つねに変化を求め、新しいチャレンジを続ける。これから先も、ずっとそうやって生きていきたい。

 

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