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【出版記念ランチタイムセミナー】 親子の会話で子どもの伝える力を上達させよう 第3回/全4回

授業での発表や、大人との会話など、普段生活する中だけでも「伝える」場面はたくさんあります。
もちろん、お子さんの中には、この「伝える」が苦手で、どうしたら良いのかと一緒に考えている親御さんもいらっしゃると思います。
今回は、伝える力を伸ばす書籍『発表がうまくなる! 好きになる! 10歳から知っておきたい魔法の伝え方』の著者である鈴木深雪さんをお招きし、「自分が子供のころ知りたかった内容」などをテーマに、「伝える」を上達させる出版記念ランチタイムセミナーを開催しました。
この記事は、上記ランチタイムセミナーをもとに作成されています。

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人とのつながりがより一層深くなる

鈴木深雪さん:伝える力が得られることで手に入るものの2つ目というは、親子関係であってもですが、人とのつながりがより一層深くなるということです。


子どもたちが自分の言いたいことの本音というものをきちんと認識をして話せるようになる。そうするとうわべだけのコミュニケーション、「これが好き」「ゲームが好き」「面白い」という、うわべだけのコミュニケーションではなく、もっと心と心の対話ができていく。そうすると対話が深くなるし、本当に自分がつながりたい人とつながれる。

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何だったら1年人間関係を築くのに時間がかかっていたものが、1週間とか1日しっかり話しただけでつながっていくかもしれない。そうやって人間関係を築いていく、その深さとスピードが変わっていくのではないかなと思います。これが伝える力で得られるものの大きく2つ目です。

非認知能力


今、非認知能力という言葉が親子系の雑誌などでもにぎわっているかなと思いますが、左側にある認知能力というのはいわゆるIQ、学力で測れる、お勉強です。

非認知能力というのは、「非」とついていますので、数字では測ることができない、人間性とかその人が持つ特徴、個性みたいなところ。
具体的には、やり抜く力、自尊心、コミュニケーション力、感情のコントロール力、メタ認知みたいなものではないかなと。まさにここもプレゼンテーションで鍛えられるなと思います。

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今日の私もそうですけれども、皆さんの前で発表すると決めたら発表しなければいけないわけです。そういうやり抜く力を小学生からできるのは本当に宝物だなと思います。そして、発表することは、Wikipediaに載っている情報を発表しても仕方がないです。インターネットにはいろいろな情報が転がっている。

だからこそ自分にしか伝えられないことをプレゼンテーションに入れていくのです。
そうすると先ほどの階段と一緒ですけれども、自分にしか伝えられない、自分こそがいいんだというふうに自尊心も芽生えていく


重複になりますけれども、コミュニケーション力
あとは、感情のコントロール力


テーマを相手に伝えようとした時に、どうやったら伝わるかということ。自分だけを見ていては伝わらない、他者と自分との距離感とか、今日来てくださっている方がどういう皆さんなのか、というのを俯瞰(ふかん)してみる力。メタ認知力とかも養われていくのではないかと思います。

人間性、経験を大きくはぐくむ


プレゼンテーションというのは、単に面接がうまくなる、発表がうまくなる、商談が成立するとか、そういううわべのメリットだけではなく、子どもたちの人間性とか経験を大きく育めるツールなのではないかと、私は思っています。

その伝える力をわれわれ大人が、何だったら私たちも学んできていないスキルを子どもたちに伝えていく、伝承していくために欠かせないものは何なのかというのを図にしたのがこれです。

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知識と実践


何でもそうだと思いますが、知識と実践だと思います。

知識というのは、どうやったら人に伝えるかというテクニックの部分ですとか、物事の考え方です。
右側の実践というのは、今日のような舞台を子どもたちに用意してあげる、いきなり大舞台だとしんどいかもしれないから、小さい成功体験が積める小さな舞台をどれだけ用意してあげられるかということだと思います。

本の内容について


今回出させて頂いた本は、この図の左側の知識にあたります。

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今まで子どもたちが4週間で、人前で話せるようになった。そのためにやってきた、

知識や伝える内容をどう整理したらいいか、
テーマの見つけ方、
それをわかりやすく整理する方法、
図にする方法、スライドにする方法、


いろいろな方法、テクニックがあるのですが、それを頭からお尻まで全部1冊にしたのが、今回の本になります。

小学生から大人まで活用できます

小学生のお子さんが学校の発表や、1分スピーチみたいなところでも使っていただけます。

中学校で、PowerPointだ、Keynoteで、プレゼンテーションをしなければならなくなった中学生も、そういう時のスライドの作り方だとか、論理的に物事を整理していく方法だとかにも使えます。

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何でしたら大人が明日プレゼンしなければいけないとなった時に必要な情報も、子どもたちにわかるレベルで頭からお尻まで書いています。プロセスは一切省いていません。
全部入っているので、小学生の子は小学生なりの理解で読んでもらえばいいですし、中学生はじっくりと、大学生になってもたぶんもう1回戻って読める。それぐらいの気持ちで書いた本になっています。

実践の場を作る


本はあります。知識はお渡ししました。
そこで、次に必要なのが実践の場です。
そこをぜひ今日お越しいただいている親御さんに、ご家庭で実践の場を作ってもらいたいと思います。
ここに全部、伝わるようになるためのレシピは開示していますので、それを是非、全部でなくてもいいので、1個やってもらいたいなと思って、それをこれからお話します。

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親子で出来る会話ワーク


3番目のトピックに入りたいと思います。
「今日から親子でできる会話ワーク」ということで、おそらく皆さん、ここが一番聞きたいのではないかなと思いますので、ここをじっくりやっていきたいと思います。それはどういうワークかというと、自分の好きなことを紹介するワークです。


「私が大好きなアイドルはこれでね」「ゲームはこれでね」「私が大好きな本を紹介します」とか、そういうものです。これが一番シンプルにプレゼンテーション力が伸びるワークだと思います。

見せてそれを紹介して話す


実際に海外の事例などを聞いていますと、この「SHOW&TELL」というワーク、見せてそれを紹介して話すという、すごくシンプルなワークですけれども、これを幼稚園からやっているみたいです。


本の中にも54ページにSHOW&TELLという言葉は書いていないですけれども。SHOW&TELLのやり方というのを書いてありますので、ぜひお家でやっていただきたいと思います。

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お家でやるときには、子どもたちが自分の好きなことをお母さん、お父さん、兄弟に紹介するという感じでやっていくわけです。「僕が大好きなのはマインクラフトでね」とか、「去年大ブームになったあつ森でね」とか、「大好きなペットについて紹介します」みたいな感じでやっていくのです。

否定をしないですべて聞いてあげよう

ここで大事なのは、「え、ゲームの話なんて止めてよ」と否定をしないこと。SHOW&TELLというのは、子どもたちが見せたい、話したいことを話すからこそ伸びるので、やりたいテーマ、伝えたいテーマを自由に選ばせてあげるというのが大事です。

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それが例え親への文句であってもです。うちの子はよく言います。「お母さん、僕にゲームするなっていうけど、いつもスマホやってんじゃん」みたいな。

「僕はそれについてプレゼンするよ」みたいに言いますけれども、そういう耳が痛いテーマであったとしても、それが子どもたちのこれからの可能性を開いていくための小さな1個の扉になるのだったら、耳が痛いテーマも「ちっとも面白くないな」と思うゲームの話も聞いてあげようではありませんか、ということでやっていただきたいと思います。

スポットライトを当てて聞いてあげる


大人は聞くということです。この聞くときの姿勢がとても大事になります。子どもたちの中には、すでに「見せたいもの」「伝えたいもの」というのがあります。なので、そこにスポットライトを当てて聞いてあげてほしいと思います。
今日ここにご参加で、もうお子さんが小学校高学年に差し掛かっているようなお子さんは「いやいや、もううちの子はそんな伝えたいものなんてないと思います」ともしかしたらおっしゃるかもしれません。


思春期なので、という方はぜひ3年前4年前を思い出してください。
小学校の低学年、もしくは幼稚園だったころです。台所で料理をしていたら、子どもたちがすごくまとわりついてこなかったですか?「見て見て」「聞いて聞いて」「こんなんできたよ」と言って。

でも絶対その思いは、今はちょっと曇って隠れているだけで、私は必ずあると思います。ですから、大人がしっかり聞いてあげる。支離滅裂でもいいですし、話がまとまらなくてもいいので、まずは聞くよということをやってあげるのが大事だと思います。それがSHOW&TELLのやり方です。

まずは、聞く~SHOW&TELL

今日ご参加で「小学校の低学年なんです」「幼稚園生なんです」というおうちも結構ありました。そういった方々は、今お話したところまでで十分だと思います。
「見せて」「見せて」「どうなってるの?」というふうにたくさん質問を投げかけながら、「それの裏ってどうなってるの?」と聞いてあげると、子どもたちは洞穴から出てくるように「実はこれもあってね、これもあってね」とたくさん話してくれるはずです。

▶第4回へ続く

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