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【出版記念ランチタイムセミナー】 親子の会話で子どもの伝える力を上達させよう 第1回/全4回

授業での発表や、大人との会話など、普段生活する中だけでも「伝える」場面はたくさんあります。
もちろん、お子さんの中には、この「伝える」が苦手で、どうしたら良いのかと一緒に考えている親御さんもいらっしゃると思います。
今回は、伝える力を伸ばす書籍『発表がうまくなる! 好きになる! 10歳から知っておきたい魔法の伝え方』の著者である鈴木深雪さんをお招きし、「自分が子供のころ知りたかった内容」などをテーマに、「伝える」を上達させる出版記念ランチタイムセミナーを開催しました。
この記事は、上記ランチタイムセミナーをもとに作成されています。

鈴木深雪さん:皆さん、はじめまして。

84%!

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最初にいきなり数字が出ていますが、今日は伝えることを子どもたちにお届けしていくためのセミナーということで、伝えることに関する数字をデータから引っ張ってまいりまして、皆さんにお見せしております。

84%という数字なのですが、何の数字だと思いますか? 伝えることに関する数字で84%というと、だいたい皆さんご想像がつくのかなと思ったりもするのですが。
では84という数字について、少しお話をさせていただきます。これは結構驚きの数字なのですが、何の数字かというとこちらです。

「人前で話すことが苦手ですか?」という質問に対して、20代と30代の社会人約250名の方に聞いたときの「苦手」「少し苦手」「とても苦手」と答えた方のデータが84%だそうです。

今日いらしている方が50名ぐらいだとすると、約40名の方が何かしらの苦手意識をかかえているということになります。日本人は人前で話すことが苦手だとか、プレゼンテーション、パブリックスピーキングが苦手だとよく言われますが、データで見るとこんな感じなのですね。

伝えることへの苦手意識


ここにお集まりの皆さんは、おそらくお子さんをお持ちの方だったり、普段お子さんと何かしら、教育現場とか育児の現場で接している方が多いのではないかと思います。
私は、今日このスライドを準備しながらすごく緊張していました。

今日だけではなくいままで20年社会人生活をしていますけれども、新入社員のときは会社で発表をしなければいけないことがあって、お腹が痛くなって休んでしまったこともあったのです。

この数字のデータを今日お出ししながらも、決して他人事ではないなと思います。私自身、小学校3年生の息子が一人いる親でして、この同じ思いを子どもにさせたくないなとすごく感じるわけです。

おそらく今日ここにお集まりいただいている皆さまも、お子さんのいるいないに関わらず、これと同じ親心、大人心というのを抱えていらっしゃる方ばかりなのではないかと思います。

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今日は、そんな「伝えるということは難しいよね、恥ずかしいよね、ドキドキするよね」というご自身の思いもかみしめながら、これから社会に出ていく子どもたちに、今私たちは何を渡していったらいいのかということを共に考えていくような時間になったらとても幸いです。


とことん書ききった「伝える」ということ


その「伝える」ということに関してとことん書ききったのがこちらの1冊です。

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10歳から知っておきたい魔法の伝え方』という本なので、10歳からの子どもたちが読めるようにマンガがたくさんあります。
何を伝えたらいいか、それをどう整理したらいいか。資料にまとめるにはどうしたらいいか、プレゼンテーションのいろはをまとめたものになっています。これを読むのは子どもたちなのですが、実際に今リリースして1カ月ほどたって感じているのが、この本を読んだ大人の親御さんたちが、子どもたちに渡したいと、すごく熱い思いをたくさんいただいている本なのです。

今日のテーマは「親子の会話で子どもの伝える力を上達させよう」ということでお届けしていきます。

自己紹介


冒頭から熱くお話しさせていただきましたけれども、あらためまして自己紹介をさせていただきます。
「子ともが教える学校」という場を運営しております、鈴木深雪といいます。プレゼン先生ということで、プレゼンテーションを小学生、中学生の子どもたちに教える場を運営しております。
立ち上げて、この活動自体は2年ほどになります。

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私自身のキャリアを少しお話しておきますと、2001年から2016年までは、大日本印刷という印刷会社に勤めておりました。そこでITを中心としてシステムや商品の企画というものをずっとやっておりました。


お客さまと接することがすごく多かったので、プレゼンテーションは日常茶飯事でしたし、何か新しいものを生み出していくときに、頭の中にアイデアを企画とかプレゼンにおとして、最後可視化して物を作っていくということを、ずっとやっていました。そのときの経験を元に今子どもたちにプレゼンを教えているわけです。

5年ほど前の2016年から独立をしておりまして、経営者向けの思考整理やプレゼン資料の代行、ホームページのコンテンツを作ったりを自身でやっております。その私自身のスキルを頭の中をヒモ解いて整理をしていくという意味にちなんで「ヒモ解き」と名付け、5年ほど活動をしています。
プライベートでは東京の日野市に住んでおりまして、小学校3年生の男の子の母でもあります。

子供が教える学校???

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「子どもが教える学校」というタイトルを見て「えっ?」とおそらく2度見をされた方が多いのではと思います。文字通り、子どもたちが教える学校なのですが、どんな活動をしているかということをちょっとご紹介させていただきます。
まさに子どもたちに「伝えること」「プレゼンテーション」を教えている場なのです。
子どもたちは、自分で選んだテーマについて、ゲームをやりたい子どもたちが、お母さんにプレゼンテーションをしたり、「自然破壊は止めよう」と思った子どもが、自然破壊をなくすためのプレゼンテーションをします。

私がやっている「子どもが教える学校」の場では、自分の伝えたいことや好きなことを4週間かけて、3分間のプレゼンにして発表するということをやっています。
テーマは何でもいいよと言っておりまして、最後発表の場がこんな感じなのですが、子どもたちが先生となって、大人に向けて発表をする。発表者の子どもが10人のところに、今日のような形で100人とか50人の大人の方がZoom越しにその授業を観覧するという場をやっております。

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子どもたちは1カ月間のこの体験を通じて、自分の伝えたいことはなんなのか、それを表現するすべだとか、そういったことを学んでいっています。

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そうすると大人たちにすごく感動の渦が沸き起こります。こんなことを子どもたちは考えていたのだなとか、ゲームをずっと批判していたけれども、実はゲームの中にこんなに深いメッセージがあったのだなとか。

メディアにも掲載され、いろいろ子どもたちの活動が世の中的にも注目された活動だったなと思います。
特にこのコロナになってから始めた活動だったもので、学校が休みになって、どこにも行く場がなくなった子どもたちが、一生懸命発表している姿に、すごく大人が心を打たれて、マスコミの方もありがたいことに大変注目してくださった活動になっています。

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特別な子だから…ではない


ここまでお話をすると、「特別な子だから、できたんじゃないのですか?」という質問がとても多いです。「もともと学校で話すのが得意な子なのでは?」とか「リーダーシップをとって、いつも前に出てやっているような子なのでは・・・」という質問がよくありますが、今まで発表してくれた200名の子たち、誰もが本当に普通の小学生、普通の中学生なのです。

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大人が相対していくと・・・

でも1カ月間伝えることについてきちんとトレーニングをして、きちんと大人が関わってあげると、最初は人前で話すのがドキドキしていた子とか、学校に行くことをとても嫌がっていて、毎日正門までお母さんが付き添いで行っているようなお子さんも、1カ月間みっちり向き合って、何を伝えたいのか、どうやって伝えていこうかということに大人が相対していくと、50人100人の前でプレゼンテーションをすることができるのです。

「みんなできる」

「みんなできる!」というのが私のメッセージです。
ただし、やり方が大事だったり、場所が大事だったり、大人の関わり方が大事だったりということがあります。
実際に私がずっとオンラインのZoomでやっている授業なのですが、こちらは東京の公立の小学校でもこのプレゼンテーションのプログラムが採用されて、2カ月間の授業で実際に採用されています。
昨年度は、6年生60人が発表しましたし、今年も同じ学校で新6年生が発表に向けて今走っていっているところです。

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本当に「普通の」というと失礼ないい方かもしれませんが、ごくごく普通の小学校に通っている子どもたちが3分間自分のテーマについてプレゼンをすることができるのです。

プレゼンテーションから生まれるもの


今私が教えているプレゼンテーションでは、ただ伝えればいいだけではなくて、「自分が何を伝えたいのか」
「何に心が動いているのか」
「何に夢中になっているのか」
ということを言葉にして届けていこうよ、そうすると先ほどご覧いただいたような大人の方の感動が生まれたり、気づきが生まれたり、自分が伝えたことで何か周りの出来事が大きく変わっていくよ、だから挑戦しようねというふうにやっています。

▶第2回へ続く

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