世に棲む日日 司馬遼太郎
自在研究社、桑原和弘です。
司馬遼太郎の「世に棲む日日」、私が吉田松陰に興味を持つきっかけとなった本です。私は幼い頃を広島で過ごし、小学校の修学旅行で萩に行きました。
萩と言えば松下村塾です。もちろん見学しましたが、私には伊藤博文が関係した場所という理解しかできませんでした。当時の千円札には伊藤博文の肖像が描かれていたので「千円札の人の写真が飾ってある!」くらいな認識です。
「世に棲む日日」は司馬遼太郎好きの友人が勧めてくれて手に取りました。18歳のころです。初めて読む司馬作品に魅了された私は、4巻を一気に読み上げ、読み終えたときはすっかり高杉晋作の虜に。
奇想天外というか、とにかく行動することをいとわない高杉晋作みたいな男になりたいと憧れたものです。
それから十数年後、久しぶりに読んでみるかと手に取った私の関心は吉田松陰に集中しました。高杉も相変わらずかっこいいのだけど、その高杉を伸び伸び育んだ吉田松陰に好感を持ちます。
その真っ直ぐな心で触れるものすべてを感化していく。自分を燃やし、ただただ周囲を照らす、まるで太陽のような姿勢に胸を打たれました。
同時に、いつまでたっても照らされたい、愛されたい、など欲しがってばかりの自分に出会って少し恥ずかしい気持ちにもなりました。
自分の生命を何に使うか、まだ確たる答えを得ていませんが、何に使うにせよその使い方については、この本に描かれた吉田松陰と高杉晋作から大いに学ばせてもらいました。
桑原和弘
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