軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

1989年7月731部隊拠点・軍医学校跡地から多数の遺骨が発見されたことをきっかけに、…

軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会

1989年7月731部隊拠点・軍医学校跡地から多数の遺骨が発見されたことをきっかけに、究明活動を開始した市民団体です。 会報『究明する会ニュース』要約をnoteで公開しています。 206号以前の会報はホームページへ!https://jinkotsu731.web.fc2.com/

最近の記事

    • 究明する会ニュース221号要約

      <人骨発見35周年企画(二)731部隊の関与を示唆した軍医学校関係者 アンケート調査の回答を検証する> 川村一之  厚生労働省の「人骨の由来調査」(2001年6月14日)に記載されている旧陸軍軍医学校関係者への「郵送によるアンケート調査」の回答が開示された。旧陸軍軍医学校関係者293名へのアンケートが送付され、有効な回答は23通。 【人骨発見場所に関する記述】  5名から回答があり、概ね実験動物の飼育場にあたるとの回答。 【標本類の保管場所に関する記述】  歴史的な標本を保管

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        究明する会ニュース220号

        • 究明する会ニュース220号要約

          <731部隊の調査に躊躇する厚生労働省~人骨との関係を否定はしないが~> 川村一之 ・厚労省が30年前の記録を開示 厚生労働省は昨年9月から今年3月にかけて、2001年6月に公表した戸山人骨の由来調査の基となった陸軍軍医学校関係者への調査記録を開示した。  今年の大臣官房厚生科学課との話し合いは、3月26日午後、厚労省第四共用会議室にて行われた。厚生科学課からは秋山課長補佐、人骨の会からは五井、長谷川、根岸、奈須、鳥居、川村の6人が参加。要望書と説明書類を手渡した。 ・人体標

          究明する会ニュース219号要約

          <人骨発見35周年企画【一】 人骨はやはり七三一部隊の標本か!元少年隊員が頭を断ち割った標本を見たと証言> 川村一之 1945年4月に731部隊の少年隊員として入隊した清水英男さん(飯田市在住・93歳)が、標本室で人為的に切断された頭部標本を見たと証言された。 似通った「頭部標本」が陸軍軍医学校跡地で発見された人骨にもあることを思い出し、筆者が清水さんに連絡を取った。  『戸山人骨の鑑定報告書』を書いた佐倉朔札幌学院大学教授(当時)は、当時、731部隊による人体実験との関連は

          究明する会ニュース218号要約

          <「731部隊の4つの細菌戦」講演録1> 奈須重雄・根岸恵子 講演者 731部隊・細菌戦資料センター共同代表・奈須 重雄さん 1940年に農安と農安大賚、浙江省の衢州、寧波。41年の湖南省の常徳、42年の浙江省、江西省で行われた浙贛作戦細菌戦の6つの作戦を、4つに分けて話す。  細菌戦の研究について金子順一が『PXノ効果略算法』という論文を、1943年の12月に提出している。論文中の「PXノ効果概見表」で何月何日にどこでどのくらいのノミを散布したのかがわかる。PXという

          究明する会ニュース217号要約

          <人骨発見34周年「731部隊の4つの細菌戦」開催 ~故・常石敬一さんを追悼> 鳥居靖 7月16日(日)、戸山サンライズに於て開催。参加者は40名。今年4月に亡くなった常石敬一さんのお連れ合いである美代子さんが出席され、冒頭は常石さんの追悼式。その後川村代表から会の活動の報告があり、奈須さんから標記のテーマで講演があった。講演内容については、次号で報告。 <アンケート結果報告> 内容省略 <七三一部隊の発足時の職員表 - 222人の部隊員の記録 明治学院大の松野研究員が「編成

          人骨ニュース216号要約

          <追悼 常石敬一さん> 川村一之(2023.6.10) 常石敬一さんが4月24日に亡くなられたことを知ったのは一月半後。生物化学兵器の専門家として、人骨問題の発足当初から代表を長く務められ、新宿区内で開いていた例会にも住まいの神奈川から休まず出席されていた。30周年を前に代表を引き受けてほしいと連絡を受け、闘病生活をされていたことは知っていたので、メンバーとも相談し、常石さんの意向に沿うことにした。 常石さんは病と闘いながら『731部隊全史』(高文研 2022.2)を上梓。私

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          究明する会ニュース215号

          究明する会ニュース215号要約

          <人骨問題の真相究明へDNAのゲノム解析を厚労省に要望> 川村一之 ・DNAのゲノム解析は真相究明に欠かせない  3月22日、厚労省の共用第4会議室で2時から話し合い。人骨の会からは奈須重雄、根岸恵子、大谷猛夫、五井信治、鳥居靖、川村一之の6名、厚労省側は大臣官房厚生科学課の秋山敦課長補佐。今回はDNAのゲノム解析の有効性を説明することと、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターの統合が人骨問題にどう影響するかを問うことが主な目的。 ・軍医学校関係者への聴き取り記録の公開は

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          究明する会ニュース記事「スペイン風邪」と陸軍軍医学校

          究明する会ニュース記事「スペイン風邪」と陸軍軍医学校

          究明する会ニュース214号要約

          <連載3 「スペイン風邪」と陸軍軍医学校 ~欧州戦争と「スペイン風邪」~>  2022年11月11日 川村一之 ・軍隊の移動が感染を拡大  内務省衛生局の『流行性感冒』によると、海外の流行状況は1918年に1回目の流行があり軽症だったが2回目の流行が夏から秋にかけて起こり重症化した。翌年に3回目があったが2回目ほどの死者は出なかった。欧州戦争における連合軍の感染者数と死者数を国別に整理すると、仏軍が最も多いが、感染者に対する死者数の割合では米軍が多い。独軍の立場から見た戦争の

          究明する会ニュース213号要約

          <連載2 「スペイン風邪」と陸軍軍医学校 ~「スペイン風邪」の起源~> 川村一之(2022年10月14日記) ・定説は米国浙、中国山西省説も有力  「スペイン風邪」は1918年5月、スペインで報告された。1919年のパリでの国際会議では、1918年3月に米国で発生し、第一次大戦で米軍から欧州、亜細亜、豪州にも伝播したというのが定説になっている。  日本での流行は同年8~9月からと内務省衛生局の記録にはあるが、一方で、5月に先駆的な流行があった。 ・「角力風邪」  1918年の

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          究明する会ニュース212号 「スペイン風邪」と陸軍軍医学校

          究明する会ニュース212号 「スペイン風邪」と陸軍軍医学校

          究明する会ニュース212号要約

          <連載1「スペイン風邪」と陸軍軍医学校~新型コロナ感染症を考える~> 2022年10月13日 川村一之 ・東京大神宮のクラスター  新型コロナ感染症出現から3年目の22年の正月、若い女性に人気の東京大神宮で参拝が中止になった。前年の年末にクラスターが発生したためだ。これは第6波の序章で、東京では2月には2万人を超える感染者があった。第7波は7月に入って再拡大し、感染者4万人を超えた。9月には累計感染者300万人を超え、スペイン風邪の患者数200万人を超えた。全国でもスペイン風