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【東京ディズニーリゾート】エンタメ業界の先行き【Jリーグ/Bリーグ】


10~30代の利用者は約10%減になっており、若者のディズニー離れが進んでいる。


というニュースを読みました。

そのニュースは、

年代別来園比率に目を向けると、18歳~39歳の割合は2023年度で41%となっており、コロナ禍前が50%ほどで推移していたことを考えると、かなりの低下で、18歳未満の来園比率も微減ながら割合を下げている。

ということに注目し、

①ディズニーの先行きに不安がある

という内容と、しかし、コロナ禍前と比較すると、「ディズニーは混んでいて、何時間も待たなくちゃいけない」という状態は解消され、

楽しめるアトラクションの数は何倍にもなり昔よりも元が取れる状況になっている

という二つのまとめになっていました。

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Ⅰ.東京ディズニーリゾートの現状


今回のニュースで私が一番注目したのは、

2023年の来園者数は過去最高だった2018年には届かなかったものの、売上高が6184億円、純利益は1202億円と過去最高益をマークしている。

というところです。

この内容に関して、「今最高益だったとしても、現状ファミリー層が減少しているのならば、将来的に減益になる可能性が高いですよね?」という指摘はもっともな事です。

ですが、私としては、ディズニーは今のような企業運営を継続すれば、十年程度は安泰ではないかと思います。

理由としては、企業運営の売上高と収益だけに注目した場合、企業が置かれている状況というのは、大きく分けると下記①②です。

①種まき期

他社ではなく自社のサービスを選んでもらい、購入・利用するファンを増やす(=裾野を広げる/ライト層を増やす)時期。
⇒ 多くの場合、利益は減少することが多いです。

②収穫期

①で獲得したライト層を、購入・利用する頻度を多くし購入額を高くするヘビーユーザー・コア層に発展させる(=山の頂上を高くする)時期。
⇒ 多くの場合、売上・利益ともに増加することが多いです。

そして当然ですが、企業運営は一過性のものではありませんので、この①②を繰り返すことで、さらに広い裾野と高い山になる、という感じです。

このように二つに分けた場合に、今のディズニーは②の状況にあり、暫くは好調な企業収益を発表するのではないかと思っているからです。

上記のことは、ディズニーのようなエンタメ業界だけでなく、小売・サービス業などでも同様に当てはまり、世間一般の投資家にも考えられています。

ですから、上記ニュースのまとめとしては「ディズニーは何も問題が無い・・・」というわけではなく、また違った課題に直面しています。

では、何が課題かといいますと・・・

少しここで別のエンタメに話を変えます。

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Ⅱ.Jリーグ/Bリーグの現状


上記のように、②収穫期に入っているエンタメ業界は、売り上げ・収益面で好調になると書きましたが、現在の日本のエンタメ業界(スポーツ界)では、サッカーJリーグバスケットBリーグが②の状況です。

他のニュースの引用になりますが

(1)Bリーグ

Bリーグの2022-23シーズン(昨年度)のクラブ決算概要では、

全38クラブの合計の営業収入(売上高)は昨年の300億円から+38.3%の415億円となり、Bリーグ創設以来、初めて400億円の大台を突破した。

B1クラブ平均でも昨年比+38.6%の14.2億円となり、右肩上がりの状況を示す数字が並んだ。

(2)Jリーグ

全60クラブの合計の売上高は過去最高の1517億円(昨年度比+約140億)となった。

中身としては、
全60クラブのうち44クラブが増収となった。
入場料収入は前期比137%となり、コロナ前の2019年度比でも110%と回復した。

J2リーグの価値も、世界でトップ10に入っている。

というように、Jリーグ・Bリーグとも、現状かなりの好業績・発展していることが確認出来ますし、恐らくここ数年は右肩上がりで進みます。

※Bリーグは、まだ「①種まき期」ではあるのですが、オリンピック等の活躍での注目度アップなど特殊要件があり、「②収穫期」でもあると考えて頂ければと思います。

また、JリーグとBリーグを語る上で大事なことが、両リーグとも、日本各地の地域と各スポーツ界に多大な貢献をしているというところです。

Jリーグの「シャレン!(=Jリーグ社会連携)」を確認すると分かりますが、Jリーグと各チームは、年間25000回を超えるホームタウン活動を行っており、地域に大きなメリットを与えています。

Bリーグもまた、まだJリーグほどではありませんが社会貢献運動を行っています。

両リーグとも、地域貢献・地域密着を旗印にしているのですから、当然と言えば当然なのですが、当然なことを当然行うということは意外に難しいものです。

そして、両スポーツはスポーツくじの対象になっており、2023年の売上げは過去最高の1203億円になり、この売上金額が各スポーツ界の強化費に充てられています。
そして、この強化費がオリンピックや世界大会での、各スポーツ界の日本代表の活躍に大きく貢献していると言っても、過言でありません。

こういったことが地域と各企業に評価され、

Jリーグでは、長崎・広島・NTTドコモの国立など。
Bリーグでは、各地のアリーナなど。(福島県郡山市でもアリーナの大規模改修が行われています。楽しみです!)

といったように、

スタジアム・アリーナへの大規模投資・それに伴う周辺のまちづくりが行われており、大きな反対運動も起こらず計画がスタートし完了しているのは、上記ような様々な「日本社会への貢献運動」が認められているからと言えます。

しかし当然ですが、上記二つのスポーツリーグにも課題はあり、そして、J/Bリーグの課題は、ディズニーと同じ種類のもののため次にまとめたいと思います。

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Ⅲ.ディズニーとJリーグ/Bリーグの共通課題


では、ディズニーとJ/Bリーグに共通する問題は何かというと、魅力的なコンテンツを提供し続けることです。

前述した①種まき期=裾野を広くすることは、「コンテンツを安くしたり・提供日数を増やしたり」などすることで、比較的簡単に出来ます。

しかし、コア層・ヘビーユーザー層を増やすためには、上記だけでは足りません。

魅力的なコンテンツを提供出来るからこそ、顧客はお金と時間を使うのであり、そしてライト層から移行したコア層が増えることになります。

そのためには、ディズニーもJリーグもBリーグも、先行投資を行うことが重要です。

ディズニーは定期的にコンテンツの入れ替え・アップデートを行っていますので、まだまだ「TDRは魅力的」「時間とお金が出来れば来園したい」と考えている層は多いです。

こういったことが、私が「ディズニーは今のような企業運営を継続すれば、十年程度は安泰ではないか」と考えている理由です。

同様に、Jリーグ/Bリーグも、上記のようにスタジアムやアリーナの新設が進んでいます。

また、今季Jリーグで躍進している町田や優勝争いをしている広島など、Bリーグでは千葉に渡邊雄太選手が加入など、投資(人件費の増加)をしている個別チームが多く、それによりリーグ全体が活性化しています。

そして、日本代表の活躍も重要です。

サッカー日本代表は、最近のW杯予選を見ても分かるように面白い内容ですし、バスケ日本代表も、五輪のフランス戦は勝ててもおかしく無い試合内容でした…

両リーグとも、国内の地域密着と、海外を見据えた日本代表の活躍という両輪をまわし続けることが重要になります。

というように、ディズニーの記事から国内スポーツなどエンタメ業界について記述してきましたが、こういったことは、きちんとした情報やデータが無いと考察することすら出来ません。

JリーグもBリーグも正確な数字をリリースすると、(恣意的に)批判する層が生まれることは間違いないのですが、現在のように、両リーグに対して信頼し投資をしてくれる理由の一つに、きちんとした(客観的で正確な)データの収集と発表があります。

こういったことを各自治体や各企業は評価しておりますので、これからも継続する必要があります。



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