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はるさめとはいったいなにもの?めだたない存在だがおてがるでべんりでのどごしもよい



はじめに

 この季節になるとたべたくなる。こうした乾物にグルーピングされる食材はどれも地味な「わき役」かもしれない。そのしぶい存在感。いないとさびしい。

料理のはばをひろげようとつかうと、とたんにあらたな食感やあじわいがしょうじる。まるで実力派の役者さんのよう。そんな食材のひとつを紹介。

きょうはそんな話。

日々づかいに

 日ごろの料理は直感でこんだてを台所そばで発案。従来どおりのレパートリーのなかからえらぶにすぎないが、それでも順列・くみあわせしだいで、なかなかおなじものにはならない。材料をアレンジすればますますそう。

たとえばスープ。中華風にしようか、和風にしようか。それとも洋風にするか。それにおうじて3品なり、4品の材料をおもいうかべる。そのときどきで、冷蔵庫のやさい室にあたまをつっこみ(そんなにおおきくはない)、その汁に合いそうなのこりものからつかう。

そんななかでつねに常備するもの。それははるさめ。語感がいかにも日本のネーミング(ああ、日本語っていいなあ)。もとは緑豆からつくられる中国に由来したものらしい。ほかにも常備してきらさないものはあるにはあるが、これは年じゅうきらさないように買いつづけている。

その特徴は

 はるさめはふつうは乾燥品なのでひもちがいい。台所の戸だなのひきだしにつねにふくろに封をしてめだつ場所におかれる。中華風のスープにしようと決めれば、まっさきに水をはったなべに料理ばさみでふたつに切りいれておく。しばらくすると水をすってふくらんでくる。そのあいだにほかの手もとにあるやさいや香味をくわえる。

火にかけるとさらにじんわりと水をふくみ、すがたかたちをかえていく。とくにそとがわからじわじわと透明になっていくさまはじつにうつくしい。たとえはおかしいが日焼けしていっしょに走りまわっていたおさななじみがしばらく逢わないうちににはっとするようなすがたにかわるようなかんじ。

乾燥した状態はじつにごわごわしてあつかいにくい。料理ばさみで切ろうとするとあちらこちらにとんでいこうとする。わたしの主宰する学習サポートのこどもたちを運動場に遊んでいいよと解き放ったかのよう。この食材、水分をふくむと感触もかわる。こうした細ながいめんの形状に類するもののなかではだんとつに「つるつる」をかんじる。

素材はなに?

 わたしのつかうはるさめの素材はなんとさつまいもとじゃがいも。いずれもでんぷんをあつめてつくられる。はるさめはほかにも上に記したように緑豆でつくられるものもある。むしろこちらのほうが本来のものらしいがそのへんは気にしないでつかう。

でんぷんをこんなふうに細長く加工するなんてじつに想像しがたいが、じっさいにつくる現場を見学させてもらった経験がある。へえ~ということばがたびたび口をついてでてくるぐらいにその製造工程はおどろきの連続だった。

参考までに、科学技術振興機構様の動画を引用させていただいた。


それ以来、この食材は入手しやすくつかいやすい素材として常備している。

いまなら水気をきったきゅうりなどとあえて酢のもの。あっさりしているがカロリーはしっかりとれる。カロリー確保の必要なわたしにはうってつけの食材。バテぎみで食欲がいまひとつのときなどにはさいわい。

おわりに

 こうした乾物はローリングストックとしておいてもムダにはならない。保存場所さえ確保できれば日もちするのでつかいたいときに重宝する。あっ、そうそう、この食材がいつもわき役に徹しているなかにあって、マーボーはるさめなどはめずらしく主役に抜擢されたかのよう。たまにはつくろうか。

くわえて油で瞬間で揚げるとおもしろい(油に注意)。つけあわせに。


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