凡人公務員(34歳)が都市経営プロフェッショナルスクールに自費で40万円弱払って得たもの
どうも!新潟市の稲葉です。普段は地方公務員やってます。
5分程度で読めるように書いてみました。
まえがき
都市経営プロフェッショナルスクールをご存知でしょうか?
ざっくり言うと、地域を変えたいと“思っている人”が、地域を“変える人”になるための学びの場です。
日本全体の課題に目を向け、大きな実績を上げているプロフェッショナルな講師陣にくわえ、全国にいる実践者がコーチとなり、さまざまなアドバイスをいただき意見交換までできるなんともぜいたくなスクールなんです。
ぼくもメンバーのNPO法人自治経営にも多くのOBが在籍していますよ。
受講料は50万円。
ぼくは紹介割と早期割を使って、約40万円でした。
ぶっちゃけ、自費でこの出費はけっこう勇気が必要なものでした。
ただ、自己投資に関しては金に糸目をつけるな!と自分に言い聞かせ白目をむきながら飛び込んでみました。
ぼくは、昨年の2019年9月〜2020年2月までこのスクールの公民連携課程で学び、いまは地元新潟で“地域を変える人“とまでは言えませんが、アウストラロピテクスくらいにはなり始めたところです。
この記事では、ぼくがこのスクールで得たものの一部をご紹介したいと思います。
Ⅰ.とにかく行動してみるという姿勢
ほんと最近よく聞く言葉ですね「とにかく行動すべし」
ぼくは真逆の人間でした。とにかく行動しない!笑
と言ってもすごい慎重な人間というわけではなく、「もっと面白くできるんじゃないか」という高みを目指し、企画をブラッシュアップした結果、話が大きくなってしまい、めんどくさくなってやらない。というどうしようもないタイプ。
このスクールに入った理由の一つとして、このムダに高みを目指す性格から、自分の器を広げることでもっと大きなプロジェクトを動かせるようになりたい!と思ったことがあります。
しかし、スクールでコーチに言われるのは
「いいから行動しろ」
「インプットして構想練ってるだけだったらイミがない。やろう。」
「おまえ程度のもんが考えてる絵空事なんて興味ないから、さっさと一回失敗して学べ」と言われているように感じて(言われてませんよ)コメントされるたびに少し傷つき、一方でそこまで言われてもなかなか動かない自分に失望していました。
さすがに毎回のようにアニマル浜口よろしく「行動ダァ!行動ダァ!」と言われていると、思考回路がショート寸前で「もう考えずにやってみよう(遠い目)」と思うようになりました。
ぼくが仕掛けたのは3つ(いま思うと、いきなりいろいろやりすぎた)
・知人の空きビルを活用したエリアリノベーション
・自分の結婚式を川辺の公園でやる(公園利活用)
・働いている市役所1階にキッチンカーを呼ぶ(空地利活用)
幸いなことに、むかしから多動な性格のおかげで顔だけは広かったので、民間の人に声をかけ、一緒にプロジェクトを動かしてみました。
すると、様々な変化がありました。
まず、インプットの質が変わります。
今までは教科書を読んでいる感じだったのが、攻略本を見ている感じに変わりました。
そして周囲の人からの評判が変わります。
「元気な公務員」から「〇〇やっている人」と呼ばれることが増えて、自分から動かなくても人を紹介してもらえたり、その関連のイベントなどから声がかかることが増えました。
ああ、だからみんな行動しろって言ってたのね。
と、やっと実感を持って納得したのです。
Ⅱ. 肩書きや立場は関係がないことに気づいた
このスクールに入る前年に、職場の昇任試験を受験し、係長になることができました。
しかも昇任して異動した先は、新たな政策を考える部署。
おほ〜!これで新潟市でもリノベーションまちづくりとか、公民連携によるファシリティマネジメントとかできるかも〜!なんていさんでこのスクールに応募したのです。
しかしですね。そんなに甘くない。
スクールではコテンパンにされました。
「君のは、まだバッターボックスにも立ったことないヤツが、プロ野球でホームラン打つって言ってるようなもんだぞ」
と。
いや言いすぎだろ。(と当時は思ったw)
しかし実際にやることに落とし込んでみるとそれは実感できました。
計画を作ったり大規模でかつ新しい手法を実現しようとするためには、まず自分が成果を残していないと、本当の意味で関係者が話を聞いてくれないのです。
「本当にそんなことできるの?誰がそんなことできるの?」
となってしまいます。
「あなたが言うなら実現できそう。」
そう言ってもらえる人物にならなくてはいけなかったんですね。
そのためにはいち早く何らかの事業をやらなくてはいけません。
行政の仕事であたらしい事業をやろうとすると、1年以上前から企画を考えないと動けないというそもそも予算がないといった組織の問題が立ちふさがります。
それも自分の担当部署じゃなかったらできません。
担当部署でも自分は担当ではないかもしれません。
そんな自分でコントロールできないものは手放して、仕事外ならやろうと思えばすぐできるんですよね。
つまりまちを変えるプロジェクトをやろうと思ったときに、仕事枠で考えずに、仕事外で考えちゃえば、公務員だろうが会社員だろうが立場は一緒だなと気づきました。
Ⅲ. 民間に任せるために公務員が必要なスキルが身についた
このスクールの公民連携過程で学ぶのは民間主導のまちづくりです。
では、公務員の立場ではまちを変えられないのか。
違う、そうじゃない。
公共が何もしないで民間に任せればよいわけではなく
しっかりとそのまちの課題を整理し「なんのためにやるのか」を
民間事業者と共有する必要があります。
さらに求められるのはキャスティング力。
どんな民間の人と組んでやるのか?
そこが一番の肝だと思います。
となると、必要となるのは都市課題をセンス良く設定できる
幅広い知見とマーケティング能力。
さらに地域で稼ぐ力があり、公共的な視点も持ち合わせている民間と
どれだけつながっているか。
この二つの能力だと思います。
その能力を伸ばすために必要なこと。それは
1 都市経営に関する知識を吸収すること
2 マーケティングや課題解決に関するセンスを磨くこと。
3 想いのある民間事業者と日頃から関係性を作るため、仕事外でもまちに繰り出していること。
この3つだと思います。
このうち、1つめと2つめはこのスクールで嫌というほど学ぶことができます。(ただ、がっつりやってみて、まだまだ足りないと痛感していますが・・・)
3つめはとにかく民間が仕掛けている面白そうなイベントに飛び込めるかです。
ここでも行動できるかどうかが大きな差を生みます。
そういう意味でも「行動力」を高めてもらったこのスクールは
よくできているなぁとこの記事を書いていて再度感心しました。
さいごに
得たものはもっともっとあるのですが、長くなりすぎると僕自身も読む気がなくなるので最後に「で、お前なにやってんの?」についてお答えします。
こちらは僕がやっているエリアリノベーションのFBページです。
まだまだ走り出したばかりなので、今からチェックしていただくと「初期の頃から知っている」と将来マウントとれるチャンスです。フォロミー。
そして新潟公民連携ゼミとして、都市経営についてのオンライン読書会もやってます。
こちらはまちづくりに興味のある幅広い年齢の人たちが月に1回本を読んできて意見交換する会です。
課題図書は、このスクールで選書されたものから選んでいるので読むだけでもとても勉強になりますよ。
それでは!