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助け合い。心と心を『ツナグパン』

兵庫県神戸市の老舗ベーカリー「ケルン」さんのSDGsへの取り組みが、とっても素敵で感銘を受けたので紹介をさせてください。

「食品廃棄ロス削減」と「社会的弱者支援」という二つのニーズを同時に満たす循環型経済の発展を目指す取り組みです。

「ツナグパン」の仕組み

パン屋さんでは、過去のデータを元に計画生産を行っていても、どうしても廃棄せざるを得ない売れ残ってしまうパンがあります。

フードロス削減という環境問題と、社会に貢献したいという社会問題の解決につながる仕組みをつくりたいとの想いで「ツナグパン」という仕組みが生まれたそうです。

前日売れ残ったパンの中から日持ちするパンの詰め合わせを「ツナグパン」として、翌日販売します。

ツナグパンを購入されたお客さんには、100円相当のエシカルコインというものがもらえます。

これはケルン全店で、次回以降使用できるコインとなります。

そして、そのお客さんと同額のエシカルコインが支援先の福祉施設を介して支援対象者にプレゼントされるという仕組みになっています。

廃棄されるパンを購入するだけで、社会的弱者の方の生活を支えるという支援と、フードロスを削減する環境問題にも貢献ができる。

そして、廃棄することによって、利益も得られない、パンの製作にかかったコストがマイナスとなってしまうパン屋さんを助けることができます。

このツナグパンの説明を読んでいて、特に心に残った文章があります。

『福祉施設を介してエシカルコインを支援対象者にプレゼント。
支援対象の方は「エシカルコイン」を使って自由にパンを購入することができます。
ご本人がケルンに足を運んで実際に消費行動ができる機会を提供することで、社会的自立を応援します。』

ただ単に社会的弱者支援を行うのであれば、売れ残ったパンを支援者にプレゼントをすればよりシンプルに支援ができます。

ですが、それだとパン屋さんと支援者という二者だけの関係で終わってしまい、社会的な広がりといものが感じられません。

パン屋さんだけが支援をするのではなく、いつも購入してくださるお客様にも支援者になってもらう。

様々な人がもともと持っている『助け合い』という精神に改めて意識を向け、普段自分が当たり前のように行っている消費行動が誰かの役に立つのだと思うと、買い物の仕方や意識が変わり、より豊かな気持ちでお買い物ができるとても素晴らしい取り組みだと思いました。

また、社会的弱者となってしまわざるを得ない方々というのは、『お買い物』という行為自体を楽しんで行うことができない場合もあるかと思います。

『食べたいと思うパンを自由に選んで買うことができる』

多くの人が当たり前のようにやっていることも、もしかしたら金額の制限や不安によって、できなくなっていることもあるかもしれません。

そんな制限や不安を全部取っ払って、自由にお買い物ができる心の豊かさという体験を提供することで、社会的自立を応援できる。

ケルンさんのこの『ものではなく体験を提供する』取り組みは、私が今まさに学んでいる豊かさの循環を目的とした取り組みだと感じて、紹介したくなりました。

最後までお読み頂きありがとうございます🥰💕

昭和21年創業
神戸の老舗ベーカリー『ケルン』


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