マガジンのカバー画像

JPT役員の頭の中

44
社長の阿渡、CTOの長尾の記事です。 障害者雇用の変革にかける想い、経営において感じること、日常のふとした気付きなどを更新します。 JPT役員陣の頭の中を覗いて行ってください。…
運営しているクリエイター

#SDGsへの向き合い方

もしかしたら、人は成長しないのかもしれない。

ああ、もうコイツだめだな、と思ったのではなく、 もしかしたら自分が見えているのは伸びてほしいある特定の、ごくごく一部のことだけで、どんなときでも総和は同じなのかもしれない、という話です。 なんでこんなことを考えたのかというと、日々従業員らと接する中で、自分にはないスキルを目の当たりにして、俺って成長してるのかなぁとしみじみ思ったからです。 能力も時間と同じように総和が一定なのかもしれない会社の仕組みは、人は成長する、という前提で作られています。 経験値を積めば積むほど

言ってることとやってることが正反対に見える多様性施策への3つの提言

我が社はSDGsの一環で、女性が働きやすい環境を整えるために子育て支援の人事施策を行なっています! こんな記事を毎日のように見るのですが、果たして子育て支援は多様性の促進につながるのでしょうか? 僕には正反対のことのように思えてなりません。 特権階級から既得権を取り上げることが出来ないから、新たに別の特権階級を作り出す。 あたかも全員が平等になったかの様に見えても、実はそこでも取りこぼされたマイノリティがより差別的な扱いを受けるようになってしまう。 特に経営者や人事

多様性への対応は統一化か個別実装か

うちの会社は、すべての人が対等に働ける社会の実現をミッションに掲げており、まず隗より始めよ、ということで就業規則や働き方に関してはかなりこだわりを持っています。 全社員が参加するイベントは全てオンライン(リモート)にしたり、担当業務はキャリアや志向から逆算して決めたり、といった具合に。 これらは自分がこれまでサラリーマンを続けてきた中で感じた、苦しみ、怒り、焦り、悩みといった負の感情とその根っこを、制度や仕組みで解決できないものかと考え抜いた末に作ったものです。 ですが

会社に求められるのは、手厚すぎる保障ではなく従業員の可処分〇〇を増やすこと

日本にはおよそ1万2千社ほどの大企業があるそうです。 大企業の特徴の一つに保障が手厚いことがあります。 これまで多様性の観点から就業規則を見てきましたが、本エントリではこの保障を取り上げます。ムズカシイ... 保障とはなにか保障、と聞いてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか。 社会保障(医療、年金、介護)や、民間保険(生命保険、医療保険、年金保険)など、関連ワードはいくつもありますよね。 ライフネット生命創業者の岩瀬氏が執筆した「生命保険のカラクリ」という本(超絶

退職金という誰も幸せにしない制度

退職金があって嬉しい!という人はいても、あって悔しい!という人は今まで見たことがありません。 でも、退職金ってそんなにいいもんじゃないよ、ってことを伝えたくなりました。 本エントリでは、退職金の正体に迫ります。 退職金の正体 退職金を一言で表すと、対価支払いの留保です。 留保とは、本来履行すべきことを一時差し控えて手元に留めておくこと、です。 このことに気づいていない人が余りにも多いと感じたため、本エントリを書くに至りました。 ビジネスの世界では、支払いの留保をさ

育児介護休業法における国家的転職者差別条項について

入社1年未満の人は育児休業も介護休業も取れないようにしてもいいよ。と国が言ってるんです。 どういうことか?会社の就業規則を決めるにあたり、親会社の規程を穴が開くほど見つめていたときに発見したのですが、 なんと、勤続1年未満の人は育児休業と介護休業を取得できない、という文言が入っていました。 この会社の代表を務める直前まで中途採用の担当者だった私。 こんな条件になっていたとはつゆも知りませんでした。 人材の流動性が高まっているこの時代に、女性だけではなく男性も積極的に

精神障害者にとっての義手・義足ってどんなものか、パラリンピアンを見てふと考えた。

答えはまだ出ていないのですが、これを探していくことには意義があるような気がしています。 身体障害者にとっての義足や義手は、精神障害者にとっての何なんだろう、と、ふと考えたという話。あんまり思いつかないな、と。 きっかけはブレードジャンパーつい先日、東京パラリンピックが多くの感動と快挙を残して閉会しました。 個人的に注目していた競技はいろいろあったんですが、特に記録に対して興味を持っていたのは、男子走り幅跳び。 ドイツ代表の「ブレードジャンパー」こと、マルクス・レーム選

”一社で長く働く”ことはそんなに偉いのか

就業規則をつくるために本社のものや厚労省が出しているひな形などを眺めてみると、勤続年数に応じてだんだん条件が良くなる系の制度がたくさんあり、よくよく考えてみると変だよな、と思ったので考えを整理してみます。 まず、どんな制度がそれにあたるのかあげてみると、、・年次休暇 ・勤続XX年の節目で取れる長期休暇 ・休職時の給与補償(補償期間が勤めた期間に比例) ・退職金(早くやめたらXX割カット) ・在宅勤務(X年目以降から取得可) ・社費留学(X年目以降から取得可) などなど、結

用途や対象が限定された休暇なんて、いらない。

企業に勤めている方にとって、休暇ってとても大事ですよね。でも、年次有給休暇(以下年休)以外に用途や対象者を限定した休暇がたくさんあって、これって誰が得なのか、損なのかがよくわからない状態になっているんじゃないでしょうか。 ということで、今回は休暇制度について考えていきたいと思います。 現在の休暇制度 先日のエントリで、「勤続年数にインセンティブを与えるような人事制度は、今の時代にそぐわない」と主張しましたが、休暇制度もまさにそのとおりになっていると思います。 だって、厚

多様性をアピールする会社が、新たな特権を作り続ける矛盾。

今回は、うちは多様性のある会社ですよー!とアピールするためにやっていることは、大半が真逆のことになってしまっていることに気がついた、というエントリ。 どういうことか?最近、多様性とか包括性とか、ダイバーシティ&インクルージョンという言葉をよく耳にすると思いますが、なんのこっちゃ?という人もいると思います。 これを一言で説明すると、、多分無理で、逆に一言で説明しようとするとかえってミスリードしてしまうような、かなーり難解な概念のような気がします。 だからこそ、いろんなとこ