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多様性をアピールする会社が、新たな特権を作り続ける矛盾。

今回は、うちは多様性のある会社ですよー!とアピールするためにやっていることは、大半が真逆のことになってしまっていることに気がついた、というエントリ。

どういうことか?

最近、多様性とか包括性とか、ダイバーシティ&インクルージョンという言葉をよく耳にすると思いますが、なんのこっちゃ?という人もいると思います。

これを一言で説明すると、、多分無理で、逆に一言で説明しようとするとかえってミスリードしてしまうような、かなーり難解な概念のような気がします。

だからこそ、いろんなところで変なことが起きてしまっているのではないかと、障害者雇用の最前線で思っている次第です。

例えば、女性の社会進出を促すために妊活を支援したり、結婚や出産の時にお祝い金を出したり、こどもの看護のための休暇を有給にしたり、、、などなど。

これってつまり、結婚とか出産とか子育てをする人に特権を与えてる訳で、それ以外の人はその特権を与えるために労働力なりお金なりを徴収されている、ということですよね。

それでいいんでしたっけ?

たしかに!労働基準法で生理休暇や子の看護休暇は企業が設置しないといけない法定休暇として定められています。

が、それは、人口を増やすという国家戦略に基づいて、つまりは、国の論理で強制的に定めているだけで、企業が結婚や出産を推奨なんかしてくても良いと思うのです。

たしかに!結婚や出産を望む女性に対して集中的にリクルーティングすることでより優秀な人材を採用できるから、という採用戦略があるのならいい制度だと思います。

が、それは多様性とは真逆のことをやっていますよね。だって、ある特定の集団を優遇するために、それ以外の人たちから搾取する訳ですから。

じゃあどうするのか

簡単です。ありとあらゆる特権をなくしていけばいいだけ。やるべきは足し算ではなく、引き算です。

今までは新卒で入ったおじさんを優遇しすぎたから、結婚や出産する女性を同じようになるまで優遇しよう!ではなく、

新卒で入ったおじさんの変な優遇施策を廃止しよう!が正しいアプローチ。

例えば、冠婚葬祭に絡むお祝い金や有給の休暇は全部廃止。だって一生独身の人や、入社前に既に身内を亡くしている人もいるのに、不公平でしょ。

勤続年数に比例して追加されていく休暇や休職時の給与補償も廃止。だって長く働いているからより成果を残す傾向があるなら純粋に成果に対して報いればいい訳で、ただ長くいるだけで美味い汁を吸えるのは不公平でしょ。

多様性とは作るものではなく、できるもの

こうやってどんどん特権をなくしていけば、これまで特権を目当てに集まっていた人たちは集まらなくなり、搾取されることを理由に辞める人も減り、"結果的に"多様な人が働く場所になるはず。

そう、大事なのは、多様性とは、マイノリティを優遇(逆差別)することで作為的に作るものではなく、誰もが対等に働ける制度や仕組みを整えたことで結果的に!自然と!出来上がるものだということ。

だって自然界が多様なのは、変に人間が足を踏み入れず、自然の摂理に任せて淘汰や進化が繰り返されたからでしょ。

そこんとこ、間違えないようにしたい。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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