株式会社FIREBUG
FIREBUG・ファウンダーズ代表対談。事業の立ち上げに必要な「3つの考え方」
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FIREBUG・ファウンダーズ代表対談。事業の立ち上げに必要な「3つの考え方」

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当社はエンタメの力で、スタートアップ企業のマーケティングをメインにさまざまなビジネスサポートを行ってきました。スタートアップ企業が直面する課題、FIREBUGだからこそ提案できるソリューションを、事業成長の後押しとなった事例を交えて紹介する対談企画「Startup STORY」。

第6回のゲストは、ファウンダーズCEOの一岡亮大さん。今回は一岡さんがMUGENUPの代表を退任した理由、そして再び起業家としてファウンダーズを立ち上げることにした理由などについて話を伺います。

一生、同じ事業と向き合う覚悟がなかった

佐藤:一岡さんは2015年にMUGENUPの自己株式を売却し、経営から退かれています。途中で代表をご退任されようと思った経緯は何だったのでしょうか?

一岡:一言で説明するなら、自分に「覚悟」がなかったということですね。会社が上場したら、その事業と一生向き合っていくことになります。とても情けない理由なのですが、当時の自分にはその“向き合う覚悟”が足りていなかったんですよね。

起業家が事業を立ち上げるにあたって、その事業にずっと情熱を傾けられるかどうかはすごく重要です。その点に関して、MUGENUPが提供していたクラウドソーシングを活用したイラスト制作のプラットフォームは“当たってしまった”事業なんです。

佐藤:それまでにも、いくつか事業は立ち上げられてたんでしたっけ?

一岡:一番最初は、今で言うソーシャルギフトサービスの「ミナオメ」をやっていました。VC(ベンチャーキャピタル)の人たちからも「面白い」と言ってもらえていましたし、マーケットの選定も良かったと思うのですが、マネタイズができずに撤退しました。
企業として事業を続ける以上、お金を稼がなければいけないので「今度はお金を稼げる領域にしよう」ということで、当時流行っていたソーシャルゲーム領域で事業を展開することにしたんです。それで「レクシロムファンタジー」や「エア・エイジ」といったソーシャルゲームを開発してみたのですが、これも全然売れなくて(笑)。

結局、両方ともすぐに提供を終了しました。ただ、ソーシャルゲームの開発・運営をする中で、ゲームで使用するイラストを準備するのが大変だと思ったんです。
その課題について、当時ソーシャルゲームの会社に投資されていたインキュベイトファンドの本間真彦さんに話をしてみたら、「イラスト周りの課題はよく聞くし、その課題を解決するビジネスをするなら投資するよ」と言ってもらえて。それでクラウドソーシングを活用したイラスト制作のプラットフォームを立ち上げたら、300万円出資してもらえました。

一岡さん6

当時、どのゲーム会社もイラスト集めに困っていることもあってか、サービスをリリースしてみたら、すぐに売り上げも立ち、「これはイケるぞ」となったんです。2012年8月にはニッセイ・キャピタルとインキュベイトファンドから1億円の資金調達も実施しました。今では当たり前かもしれないですが、当時で1億円は珍しかったと思います。
イラスト制作のプラットフォームはソーシャルゲームの市場が成長すれば、イラストの単価も上がっていくので、問題なくやっていけたと思います。ただ、偶然始まった事業でもあるので、いざ上場などが視野に入ってくると、すごく悩んでしまって。

当時の自分の悪い癖でもあるのですが、周りの起業家と自分を比べてしまってたんですよね。“隣の芝生は青く見える”じゃないですけど、周りの起業家たちを見たときに「自分の会社はなんでこれが出来てないんだ」と思ってしまって。今の事業を続けていった先の姿がなかなか見えず、なぜ自分がこの事業をやるのか、ですごく悩みました。いま振り返ると、すごく贅沢な悩みだなと思いますね(笑)。

佐藤:普通は上手くいかずに悩む人の方が多いですからね。

一岡:割と最近まで、その悩みは続いていました。ただ、そういう悩みがある状態のとき態度に出るじゃないですか。会社の代表がそういう態度の状態だと、周りにも良い影響を与えないので、そういう感じならバトンタッチした方がいいんじゃないかと考えました。それで2015年に自分が自己株式を売却する形で、代表を交代しました。

佐藤:起業する際、自分のやりたいことが見つかって、それを事業にすることは大事だと思うのですが、自分のやりたいことと市場のニーズが合致するのは奇跡に近いと思うんです。最近は自分がやりたいこと、使命をいかに勘違いできるかも大事なスキルだと思っていますが、確かに事業は嫌々やらない方がいいですね。誰もハッピーにならない。

一岡:役者さんのように、いかに自分が求められている役割を明確に演じ切れるかどうかの話だと思うんです。役者さんは役に合わせて自分一人を変えればいいと思うのですが、社長は自分だけが変わっても会社が変わらないのでダメなんです。これまでに積み上げてきた“会社”という構造があるので、なかなか変えられない。難しいですよね。

一岡さん4

事業を立ち上げる際に必要な「3つの考え方」

佐藤:MUGENUPの代表を退任してから今に至るまで、一岡さんは“自分のやりたいこと”は何かを探し続けてきたのでしょうか?

一岡起業家は売り上げや利益、時価総額など常に数字が付いて回るプロフェッショナル職じゃないですか。その数字からは逃れられないので、どこまで数字を高められるかを自分なりに考えた上で、事業として何をするか。

もちろん、何かひとつの事業で大きく成長できるのが理想的だと思うのですが、自分の場合はそのやり方に腹落ちしなくて。マーケット的には正しいけど、個人的には「うーん」と思うものは上手くいかないんですよね。それで自分が飽きずにずっと続けられて、なおかつ長く続けることで価値が増していくジャンルを見つける作業をずっと続けていました

何回かやってみたものの、なかなか上手くいかずといった形で、今に至るまで試行錯誤を繰り返していましたね。普通の人は何回か失敗した後に、その中からフィットするものを見つけると思うのですが、自分の場合は“一発屋芸人”みたいに偶然事業が当たってしまったものだから、代表を辞めた後に何回か失敗して、今の形にようやくたどり着きました

佐藤:たどり着くまでの過程と“今”で何か違いはあるんですか?

しょうごさん1

一岡:個人的にプロダクトの“ジャンル”を当てるのは得意なんです。MUGENUPの代表を退任してからも何個か事業を立ち上げたのですが、“なぜ自分がやるのか”のイメージができず、腹落ちしなくて。この事業を続けてどうなるか、が分からなかったんです。

佐藤:失敗というよりかは、いざやってみたら「違った」という感じなんですね。

一岡:周りからしたら、本当に迷惑な話だと思います。そういったこともあり、今の事業にたどり着くまでに組織的な崩壊、失敗を2回くらいやっています。

佐藤:個人的に事業を立ち上げる際は「お金を稼げること」「自分が長く続けていけること」「時代にフィットすること」の3つをバランスよく持つことが重要だと思っています。

一岡:今は、そういう事業をしています。

佐藤:時代にフィットする事業というのは、どのように見つけているのでしょうか。

一岡:個人的には急激に数字が伸びるものが、時代にフィットしているものだと思います。例えば、安くなる、早くなるなど経済合理性があるものは絶対伸びます。もともと、ビットコインも国際送金のコストを安くするために開発されたもので、普通に考えたら絶対に流行るじゃないですか。そういう話に近いですよね。

佐藤「普通に考えたら、そうなるだろう」が意外と大事なんですね。そこを複雑にしてしまいがちな人は割と多くいる気がします。

一岡:ただ「普通に考えたら、そうなるだろう」が当たり前になるまで、5〜10年くらいかかります。今の当たり前や今の経済の仕組みで生活している人たちから必ず否定されるので、どうしても潜る期間が発生してしまう、と思っています。だからこそ、なぜ自分がこれをやりたいかを何回考えても、どんなプレイヤーが来ても負けない、やめないと言えるかどうか。そういったことが起業家にとっては大事なんじゃないかと思います。

佐藤:昔、お笑い芸人の千原ジュニアさんが「芸人さんが売れるにはどうしたらいいんですか?」という問いに対して、「辞めないこと」と答えていたんです。それがすごく面白いなと思って。お笑い芸人は辞めなかったら売れるけど、辞めてしまったら売れない。だからこそ、いかに辞めないで続けられるかが大事だ、と。

一岡:辞めずにやり続けることは重要ですよね。自分の場合、会社の代表は一度辞めましたけど、“起業家”であること自体は辞めてないのでセーフですね(笑)。起業家はお金を稼ぐ手段を持っておくことも重要ですが、途中でも折れないロジックをいかに持っておけるかが重要だと思います。「こうだからいける」と思ったものが仮に外れたとしても、そこから修正して続けていけるかどうか。自分はそれを試行錯誤しながら、見つけていきました。

一岡さん7

6年経ってたどり着いた、ノーコード開発の事業

佐藤:いま、一岡さんの会社が提供されているサービスはどういったものなんですか?

一岡:一言で説明すると、ノーコード開発プラットフォームです。プログラミングに関する知識がない人でもSaaSなどのシステムを開発できるサービスを提供しています。ただ単にサービスを提供するだけでなく、1社ずつ個別にコンサルをして開発を進めていくこともやっていますし、自社のツールを活用し自分たちで別のサービスをつくる“スタートアップ・スタジオ”のようなこともやっています。

いま、世の中的には開発人員が足りず、開発コストも高くなっているので、開発にかかるコストを下げるといった考えから、今の事業を展開しています。スクラッチ開発では、一度使ったコードは捨てて、新たに書き直さなければならず、とても生産性が悪いんです。そこに工数をとられているのであれば、1回つくったものを何回でも使えるようにすればいい。

ファウンダーズが提供するノーコードのシステム開発クラウド「ZeroOne(ゼロワン)」はドラッグ&ドロップでシステム開発ができ、​​各ブロックの必要な項目を埋めていくだけで他のサービスとの連携が実装できるのが大きな特徴です。これまでのスクラッチ開発に比べて最大50〜70%のコスト削減と30〜50%の工数削減が実現できます。

佐藤:さっきの事業に必要な3つのことで言うと、エンジニア不足に悩む会社でも開発費を抑えてシステム開発できるので使いたくなるという点でお金を稼げていますし、“ノーコード”というのは時代を捉えている

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一岡:確かにノーコードは時代を捉えてるのですが、自分の中で重要だと思うのが世界中のSaaSやアプリケーションをAPI連携によって繋げている点です。今はSaaSの数が増えたことで、APIの数も指数関数的に増えているので、いかにAPIを繋げてシステムを開発するか。「APIライクな開発」が次のテーマとも言われています。
例えば、StripeのAPIを連携していれば、決済機能がつけられるのが分かりやすいと思います。いま、世の中にはそういったものがたくさんあるんです。

そうしたAPIを上手く連携させれば、開発するのはAPIを繋ぐコードの部分だけで良いはずなんです。今はノーコード開発と言わないと分かりづらいので、そう言ってますけど、ビジネスの重要なポイントはAPI連携の数とパッケージ化です。いろんな組み合わせができて、それがアセットとして溜まっていく。その数が日本だと比較的多い会社だと思っています。

佐藤:「自分がやりたいこと」という意味だと、一岡さんはこの事業のどこに一番ドキドキするんですか?

一岡技術的なテーマはずっと出てくるので、飽きないんですよね。新しい技術を使って事業をやる、だからこそスタートアップスタジオを作って自分たちでもサービスを開発しています。

佐藤:そこがポイントだったんですね。新しいことを常にやっていたい、という。

一岡:僕はそういうタイプかもしれないですね。成功しているIT企業を見ていると、やはりいろんなことやらないと続かないんですよね。例えばソフトバンクや楽天、サイバーエージェントを見ていると、事業の数がめちゃくちゃ多いじゃないですか。海外だとGAFAもそうです。10年くらい経つと、新しい技術スタックが出てくるので、結果的にいろいろな事業をやることになるんですよね。

佐藤常に新しいものを作ったり、チャレンジしていったりしないといけない。

一岡:だからこそチャレンジしやすくて、なおかつチャレンジするコストがどんどん下がっていく。そういう構造をつくりたかったんです。それをずっと考えていて、結果的に開発コストがどんどん下がっていく今の事業にたどり着きました。これを続けていれば自分は飽きることがないですし、なおかつ需要もあるので必ず伸びるだろう、と。

佐藤:3つの条件が完璧に揃っていますね。

一岡:これは揃えにいったんです。だから大変だったんですよ(笑)。MUGENUPの代表を辞めてから6年くらい、ずっと試してみては失敗して、を繰り返していたんです。それでたどり着いた事業だからこそ、仮に周りから評価されなくても自分はやり続けます。
社会的意義と事業のポテンシャル、事業的な利益率をなるべく兼ね備えるように自分なりに考えてやっているので、頑張ってやりきろうと思っています。

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