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012 人材開発・組織開発の専門家は…(中原先生のブログから)

立教大学の中原淳先生の昨日のブログからです。
自らの「人材開発・組織開発プロジェクト」の成果をプレゼンテーションした大学院生の報告書の最後に記されていた言葉だそうです。「これはある聡明でかつ努力家の大学院生(彼女がずっと学び続けてきたことを、わたしは見続けてきました)が書いてくださった内容です。一部、わたしが加筆・修正してご紹介します」とのことです。ちなみに、文中にあるLDCとは、立教大学大学院 経営学研究科 経営学専攻 リーダーシップ開発コースのことです。
     
(LDCに入る前は、人材開発・組織開発の専門家は)「深く広い専門知識とロジカルな思考で、現場の課題を計画的かつ鮮やかに解決できる人材」(だと思っていた)
       
(しかしLDCに入ってわかった。人材開発・組織開発の実践家とは)「必死にもがきながら理論と実践を往還する」、「様々な矛盾や曖昧さ、割り切れなさに向き合いつつ、地道に課題に取り組む」ひとのことだ

まったくもって同感です。前者はカッコいいコンサルみたいな感じですね。でも、そんなことでは解決しません。たまたま月曜日にセルフ・キャリアドックの全体報告の報告があり、そこで明らかになったリアルな現実を真摯に受け止め、昨日・今日と毎日の朝の散歩をしながら、ああだこうだと頭を巡らせ、課題の特定と何をやるかを考えています。これを人事の仲間や経営にぶつけて、組織開発・人材開発にさらに取り組んでいくわけですが、計画的にも、一直線にも話は進むわけではありません。時には傍観者的に見る人からは、ブレているようにも見えるかもしれませし、弱気に見えることも、回り道に見えることもあるかもしれません。しかし、それらはまさに「様々な矛盾や曖昧さ、割り切れなさに向き」あっているからこそのことです。現場を壊さないように現場を変えることには、特段の丁寧さと粘り強さが必要です。そして、人を説得するためには、ロジックとパッションが必要です。地道に粘り強くやり続ける胆力が必要です。ずこいなぁ、そんなことを大学院のカリキュラムの中で実感として理解するとは。実に実践的でリアルな学びの場です。
そして、「理論と実践を往還する」ことが大切です。夢見る現場主義の人事担当者は、時にこの視点と努力が十分ではありません。経験や更新されていない持論で、乗り切ってしまいがちです。そして、それで乗り切ってきた自信があります。でも、理論と実践の往還が何よりも大切なのです。そうしないと、自分がアップデートできません。越境学習とアンラーニングを進めながら、自分自身が学び続けないと、よいサービスを組織に提供できないということを真に理解するためにも、「様々な矛盾や曖昧さ、割り切れなさに向き合いつつ、地道に課題に取り組む」ことは大切です。愚直にこれをやれば、もっと自分をアップデートさせなければ、もっと自らが学びを続けなければと実感するものです。
あと大事なのは、しかめっ面しないことですね。冒頭の岡本太郎さんの作品をイメージしましょう。まあ、何とかなるさ、何とかできるよね、と心の中で思い続けることです。






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