日本花卉文化株式会社

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マガジン

  • 京に映える

    撮影者:藤井亮太 X:https://twitter.com/Kyoto_Ryota_F Portfolio:http://kyotoryotaf.myportfolio.com/work

  • 20歳樹木オタクの、ひとり演習林

    • 27本

    執筆者 三浦夕昇 樹木がとにかく好きな20歳。 日本の樹木や、森のことを、写真と共にゆる〜く解説。森の中を散歩するような気持ちで、お気軽にお立ち寄りください。個性豊かな樹木達が、いつでも優しくおもてなしいたします。

  • 描かれた日本の植物

    執筆者:ヴェルデ@歴史・美術ライター https://note.com/azzuro0205

  • 草木と生きた日本人

    • 18本

    執筆者:玉川可奈子/和歌(やまとうた)を嗜む歌人(うたびと)・作家 (画像:大宇陀 又兵衛桜)/月一連載

  • 諸種/四季

    投稿:弊社担当者 多種/植物、仕事先で撮影した花卉/風景

最近の記事

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久多:北山友禅菊

久多は、京都市左京区の最北端に位置する、豊かな自然と伝統文化が息づく山間の集落です。 特徴 北山友禅菊:左京区久多地域に自生していた野生菊である朝鮮嫁菜(キク科の宿根草)の系統の中から特に強健で栽培しやすい系統を選抜したもので、平成9年から左京区久多地域で栽培されています。 自然豊かな環境:四季折々の美しい自然に囲まれ、特に秋には紅葉が素晴らしい景観を作り出します。また、久多川が流れ、釣りや川遊びも楽しめます。 伝統文化の継承:平安時代から続く花笠踊などの伝統行事が今

    • 白川一本橋周辺:しだれ柳

      京都の白川一本橋周辺のしだれ柳は、風情ある風景を作り出す象徴的な存在です。 白川は、京都市左京区から東山区にかけて流れる小さな川ですが、その一部、特に知恩院の南側周辺は、川沿いに美しいしだれ柳が並び、京都らしい風情を感じられる場所として人気があります。 これらのしだれ柳は、川面に枝葉を垂らし、まるで緑のカーテンのように水面を覆います。特に新緑の季節には、鮮やかな緑が川面を彩り、その美しさは格別です。また、秋の紅葉シーズンには、葉が黄色や赤に色づき、また違った風情を楽しむこ

      • 巨椋池跡地:蓮

        京都の巨椋池は、かつて京都盆地南部に広がっていた巨大な湖です。豊臣秀吉による宇治川の付け替えや干拓事業などにより、現在は完全に姿を消し、広大な農地や住宅地へと変貌を遂げています。 巨椋池の歴史 古代から中世にかけて、京都盆地の南部は、宇治川や木津川の氾濫により、広大な湿地帯を形成していました。その中心に位置していたのが巨椋池です。 巨椋池は、周辺の村々にとって、漁業や農業用水、水運などの重要な資源でした。また、その美しい風景は、貴族や文人たちに愛され、多くの和歌や絵画に

        • カラマツ 〜冬に眠る針葉樹の、ガッツ ある一面〜

          秋の北海道をドライブしていたときのこと。十勝から富良野方面へ抜ける国道38号「樹海峠」を通りました。 その名前通り、広大な樹海の中を突っ切る峠道で、周囲は一面カラマツの植林地。ちょうど紅葉のピークだったらしく、カラマツたちは見事な黄金色に染まり、それはそれは幻想的な景色を作り出していました。山々が金色の絨毯となり、西日に照らされる……。 あの見事な景色は、カラマツにしか作り出せないでしょう……。 日本唯一の落葉針葉樹 門松のマツしかり、クリスマスツリーのモミしかり、針

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        久多:北山友禅菊

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        • 京に映える
          36本
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          27本
        • 描かれた日本の植物
          5本
        • 草木と生きた日本人
          18本
        • 諸種/四季
          95本
        • イラストで見る江戸の園芸
          12本

        記事

          近代日本画の美人画の大家、上村松園

          江戸末期から明治にかけての女性風俗、そして歴史や文学に材をとったその作品は、凛とした気品としなやかな強さを兼ね備え、見る者の心までが洗われるようである。 しかし、当時、女性は結婚して子供を生むのが普通だったなかで、職業画家になるという選択は、文字通り茨の道だった。男性画家から嫉妬され、しばしば心ない誹謗中傷にさらされた。 作品について、「中身がない」と批判された時には、大いに苦悩し、スランプにまで陥ってしまったほどだった。 が、悩みに悩み、苦しんだ末、彼女はあるヒントを見いだ

          近代日本画の美人画の大家、上村松園

          草木と生きた日本人 撫子

          一、序  おきて見んと 思ひしほどに 枯れにけり 露よりけなる 朝顔の花  (朝起きて見てみようと思つたところが、枯れてしまつたよ。露よりもはかなき朝顔の花よ)  『曾丹集』、または『新古今和歌集』の歌です。曾丹は、曾禰好忠のことです。丹後掾を長く務めたことから、さう呼ばれました。少し変はつた人でありつつも清新な歌を作りました。  ゆらのとを 渡る舟人 かぢを絶え 行へも知らぬ 恋の道かな この『百人一首』の歌はよく知られてゐませう。これも優れた歌ですね。  甲

          草木と生きた日本人 撫子

          2024.08.14 亜麻/大帽子花/皁莢・梍/屋久島椿/石榴・柘榴

          亜麻(アマ) 学名 :Linum usitatissimum L. 科名 :アマ科 属名 :アマ属 原産地:カフカス地方から中東 日本では、江戸時代元禄年間に、江戸の小石川付近の薬草園(小石川御薬園)で、種子(亜麻仁)を薬種として使用するために、種子が輸入され栽培された記録があります。 大帽子花(オオボウシバナ) 学名 :Commelina communis L. var. hortensis Makino 科名 :ツユクサ科 属名 :ツユクサ属 原産地:露草の栽

          2024.08.14 亜麻/大帽子花/皁莢・梍/屋久島椿/石榴・柘榴

          高瀬川周辺/三条大橋周辺/四条大橋周辺:百日紅

          高瀬川周辺/三条大橋周辺/四条大橋周辺:百日紅

          【江戸の粋を現代に】変化朝顔の魅力と歴史

          夏の風物詩、朝顔。 その中でも、江戸時代に一大ブームを巻き起こしたのが「変化朝顔」です。突然変異によって生まれた多様な花や葉の形は、まるで芸術品のようです。 変化朝顔ってどんなもの? 変化朝顔は、普通の朝顔とは一味違います。花弁の数や形、色が様々に変化し、中にはまるで牡丹や獅子のような姿になるものも。葉の形も変化に富み、柳の葉のように細長いものや、斑入りのものなど、多種多様です。 江戸っ子を魅了した、変化朝顔の歴史 変化朝顔は、江戸時代初期に突然変異として現れたとされ

          【江戸の粋を現代に】変化朝顔の魅力と歴史

          蹴上インクライン:芹

          蹴上インクラインは、京都市左京区にある歴史的な傾斜鉄道の跡地です。琵琶湖疏水の一部として、1891年(明治24年)から1948年(昭和23年)まで使用されていました。全長約582メートルで、当時は世界最長の傾斜鉄道でした。 このインクラインは、琵琶湖疏水の急斜面を船を運ぶために設置されました。船を台車に乗せ、ケーブルカーのように引っ張って上下させる仕組みでした。現在では、桜の名所としても知られており、春には美しい桜並木が楽しめます。

          蹴上インクライン:芹

          城南宮:梅園

          城南宮は、京都市伏見区にある神社で、「方除の大社」として知られています。平安時代に創建され、都の南を守るために建立されました。主祭神は城南大神(八千矛神、息長帯日売尊、国常立尊)です。 宮内庭園「楽水苑」は、四季折々の花々が楽しめる美しい場所で、特にしだれ梅や椿、桜、藤、紅葉が見どころです。また、曲水の宴が行われることでも知られています。

          城南宮:女郎花/鬼百合/桔梗

          城南宮は、京都市伏見区にある神社で、「方除の大社」として知られています。平安時代に創建され、都の南を守るために建立されました。主祭神は城南大神(八千矛神、息長帯日売尊、国常立尊)です。 宮内庭園「楽水苑」は、四季折々の花々が楽しめる美しい場所で、特にしだれ梅や椿、桜、藤、紅葉が見どころです。また、曲水の宴が行われることでも知られています。

          城南宮:女郎花/鬼百合/桔梗

          東福寺天得院:桔梗

          天得院は、京都市東山区にある臨済宗東福寺派の塔頭寺院です。南北朝時代の正平年間(1346~1370年)に無夢一清禅師によって開創されました。 この寺院は「桔梗の寺」としても知られており、初夏には美しい桔梗の花が咲き誇ります。また、桃山時代に作庭された枯山水庭園があり、杉苔と桔梗の花々が織りなす風景が非常に魅力的です。 また豊臣秀吉、豊臣秀頼、荻原井泉水、種田山頭火、尾崎放哉などの歴史的な人物とも縁が深い場所です。

          東福寺天得院:桔梗

          草木と生きた日本人 朝顔

          一、序  さ百合花 後も会はむと 思へこそ 今のまさかも うるはしみすれ (『万葉集』巻十六・四〇八八)  (小百合の花のやうに、後に会はうと思ふからこ、今のこの瞬間を楽しみたいと思ひます)  大伴家持の歌です。前回、家持そしてその叔母である坂上郎女の歌を紹介し、古へ人が百合の花をどう見てゐたのかを記しました。  私も、真岡鐵道のSLもおか号の車窓から、真岡や茂木の野に咲ける姫百合の花の美しさをたびたび見て、古へ人のことを思ひ起こしました。  梅雨も明けて、八月とな

          草木と生きた日本人 朝顔

          ゴッホ〈ひまわり〉

          8月の誕生花、ヒマワリ。 青い空と大輪のヒマワリの組み合わせは、誰もがイメージする「夏らしい」風景と言える。 そんなヒマワリを描いた絵画として、真っ先に連想されるのは、ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵のゴッホの〈ヒマワリ〉だろう。 だが、総数が数百枚にものぼる彼の油彩画の中で、なぜこのロンドン版の〈ヒマワリ〉が、彼の代名詞的存在となりえたのだろう。 そして、そもそも、なぜ彼はヒマワリの花を描いたのか。 その答えを探ってみたい。 ①ゴッホとヒマワリ ゴッホが初めてヒマワ

          ゴッホ〈ひまわり〉

          東京23区内の”森”を探索しよう その③

          その②から続く ここまでいくつかの自然林を回ってきましたが、それぞれの森の樹種組成は、概ね似通っていました。スダジイ、アカガシ、シラカシが優勢の照葉樹林に、ムクノキやケヤキ、イヌシデなどの落葉広葉樹がところどころで混じる、というのが、東京の自然林の基本的な構成のようです。 しかし、国木田独歩の「武蔵野」に描写されていたのは、コナラやクヌギなどからなる落葉広葉樹林。僕が見た林相とは大きく異なります。19世紀末から現在にいたるまでの約130年の間に、23区内の植生は全くの別モ

          東京23区内の”森”を探索しよう その③