近代日本画の美人画の大家、上村松園
江戸末期から明治にかけての女性風俗、そして歴史や文学に材をとったその作品は、凛とした気品としなやかな強さを兼ね備え、見る者の心までが洗われるようである。
しかし、当時、女性は結婚して子供を生むのが普通だったなかで、職業画家になるという選択は、文字通り茨の道だった。男性画家から嫉妬され、しばしば心ない誹謗中傷にさらされた。
作品について、「中身がない」と批判された時には、大いに苦悩し、スランプにまで陥ってしまったほどだった。
が、悩みに悩み、苦しんだ末、彼女はあるヒントを見いだ