日本花卉文化株式会社
撮影者:藤井亮太 X:https://twitter.com/Kyoto_Ryota_F Portfolio:http://kyotoryotaf.myportfolio.com/work
杉浦非水は、日本のグラフィックデザインのパイオニアとして知られており、『非水百花譜』は、彼のデザインセンスが遺憾なく発揮された作品です。大正時代に刊行された植物図鑑。当時としては珍しい多色摺木版画で、アール・ヌーヴォーの影響を受けた、装飾的な要素と植物の細部まで丁寧に描写された写実性が融合しています。
投稿:弊社担当者 多種/植物、仕事先で撮影した花卉/風景
執筆者:玉川可奈子/和歌(やまとうた)を嗜む歌人(うたびと)・作家 (画像:大宇陀 又兵衛桜)/月一連載
執筆者:ヴェルデ@歴史・美術ライター https://note.com/azzuro0205 2024年10月30日マガジン名変更「描かれた日本の植物」→ 「描かれた日本と世界の植物」
一、序 あしひきの 山菅の根の ねもころに われはそ恋ふる 君が姿に (『万葉集』巻十二・三〇五一) (あしひきの山菅の根のやうに懇ろに、私は恋するよ。あなたのお姿に) 前回のお話しは山菅、ヤブランでした。右の一首は、名も無き人の歌、しかし山菅も前からお話ししてきました草木、そして花と共に多くの古へ人に愛されてきました。 また、菅は、右の歌にもあるやうに、その根も歌に詠まれました。 菅の根の ねもころごろに 照る日にも 乾(ひ)めやわが袖 妹に会はずして
京都市左京区、哲学の道の近くに鎮座する神社で、「狛ねずみの社」として有名です。 ご祭神 少彦名命:医薬・酒造の神様。 応神天皇:第15代天皇。 菅原道真:学問の神様。 歴史 創建:仁和3年(887年)、宇多天皇の病気平癒祈願のため、藤原淑子によって創建されました。 由緒:東山三十六峰の十五峰目である椿ヶ峰をご神体とした山霊崇拝の社でした。 見どころ 狛ねずみ:境内末社の大国社に鎮座する狛ねずみは、大国主命がねずみの助けによって試練を乗り越えたという神話に由来
杉浦非水 著『非水百花譜』第10輯,春陽堂,大正9-10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13702612 ※キャプションは、上段は原本のまま。下段があるものは追記(弊社)。
京都市上京区にある、緑豊かな神社です。明治維新に貢献した三條實萬・三條實美父子を祀っており、学問の神様として信仰されています。 特徴 創建:1885年(明治18年) 祭神:三條實萬、三條實美 別名:萩の宮(境内には約500株の萩が植えられており、秋の萩まつりは有名です) 境内:京都三名水のひとつ「染井の水」が湧き出ています。 その他:上田秋成や湯川秀樹の歌碑もあります。 見どころ 萩のトンネル:秋には、萩の花が咲き乱れる美しいトンネルが現れます。 歌碑:上田
杉浦非水 著『非水百花譜』第9輯,春陽堂,大正9-10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13702611 ※キャプションは、上段は原本のまま。下段があるものは追記(弊社)。
山科川は、京都市山科区を流れる淀川水系の一級河川ですね。かつては琵琶湖疏水の一部としても利用され、京都と滋賀を結ぶ重要な水路でした。その流域には豊かな自然が残されており、多様な植物が生息しています。 山科川に自生する植物 山科川では、四季折々に様々な植物を観察することができます。代表的なものをいくつかご紹介します。 春:セリ、クレソン、オランダガラシ(ミズガラシ)などの水生植物。土手には菜の花やレンゲソウが咲き乱れます。 夏:ヨシ、ガマ、マコモなどの抽水植物が繁茂し、
杉浦非水 著『非水百花譜』第8輯,春陽堂,大正9-10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13702610 ※キャプションは、上段は原本のまま。下段があるものは追記(弊社)。
京都市中京区にある天台宗のお寺で、通称「革堂」として親しまれています。西国三十三所観音霊場の第19番札所としても有名です。 歴史 1004年(寛弘元年)に、行円上人によって創建されました。 当初は「一条北辺堂」という名前でしたが、行円上人が常に鹿革の衣を身につけていたことから「革聖」と呼ばれ、お寺も「革堂」と呼ばれるようになりました。 創建以来、戦乱や火災で何度も焼失しましたが、その度に再建され、現在地に移ったのは1591年(天正19年)のことです。 見どころ 本
菊まつりの起源 文京菊まつりは、正式には「文京菊まつり」といい、毎年11月に湯島天神で開催されています。 始まりは昭和53年(1978年)。 当時、文京区では区の花である菊を広くPRするために、区をあげて菊の栽培を奨励していました。 その一環として、湯島天神で菊まつりが開催されるようになったのです。 菊と湯島天神の関係 湯島天神は、学問の神様として知られる菅原道真公を祀っています。 道真公は、菊を愛した人物としても知られており、多くの歌を詠んでいます。 そ
杉浦非水 著『非水百花譜』第7輯,春陽堂,大正9-10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13702609 ※キャプションは、上段は原本のまま。下段があるものは追記(弊社)。
グスタフ・クリムト、といえば、〈接吻〉や〈アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像〉など、黄金に包まれた絢爛たる人物画が連想されるだろう。 しかし、彼は一方で風景画にも力を入れていた。1898年頃に初めて風景画を描いてから亡くなるまでの間に50点あまりの風景画を描いており、その数は、クリムトの全作品数の約4分の1に相当する。 一体なぜ、彼はこんなにも多くの風景画を描いたのか?彼にとって、風景画とは何だったのか? その答えを探ってみよう。 ①クリムトの決断 グスタフ・クリムトは1
杉浦非水 著『非水百花譜』第6輯,春陽堂,大正9-10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13719767 ※キャプションは、上段は原本のまま。下段があるものは追記(弊社)。
その①から続く マングローブ樹種たちの社会 石垣島の西海岸、名蔵川(なぐらがわ)の河口には、名蔵アンパルと呼ばれる巨大な干潟が広がっています。 「アンパル」というのは、現地の言葉で「網を張る」という意味。 「重税に耐えかねて島外に脱出しようとする農民を捕らえるべく、役人が河口に大きな網が張っていた」とか、「漁師たちが大きな網を張って魚を獲っていた」など、名蔵川には網にまつわる伝承がたくさん伝わっており、それが地名の由来なのだろうと推測されています。 簡単に網を運び込める
12月半ば、オフシーズンの石垣島。どんよりとした曇り空が広がっていて、気温も低く、島内の観光地はどこも閑散としていますが、植物マニアにとってはありがたい時期です。 夏場の石垣島のビーチは、ナンパに勤しむお兄さんたちに支配されていますが、冬になればそんな喧騒も本土へ後退してしまいます。モンパノキやテリハボク、アダンなど、熱帯の樹種との出会いを求める僕にとっては、誰にも邪魔されずに樹木を観察できる冬場のほうが、むしろベストシーズンなのです。 そんなわけで、2年前(2022年
善峯寺とは 山号:西山(せいざん) 宗派:善峰観音宗 本尊:十一面千手観世音菩薩(2躯) 創建:長元2年(1029年) 開基:源算上人 所在地:京都府京都市西京区大原野小塩町1372 歴史 平安時代中期、源算上人によって開山。 後一条天皇から鎮護国家の勅願所と定められ、「良峯寺」の寺号を賜りました。 後に、後朱雀天皇の勅命により、洛東鷲尾寺の仁弘法師作の千手観音を遷座し、本尊としました。 建久3年(1192年)に後鳥羽天皇から現在の「善峯寺」の額を賜りま
杉浦非水 著『非水百花譜』第5輯,春陽堂,大正9-10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/13702608 ※キャプションは、上段は原本のまま。下段があるものは追記(弊社)。