JASTJ COVID-19 科学ジャーナリストのための情報整理

日本科学技術ジャーナリスト会議(JASTJ)https://jastj.jp によるCOVID-19のnoteです。 新型コロナウイルス感染拡大のなかで国内の科学ジャーナリストを支援するため、科学情報、科学データ、科学論文、感染拡大防止の啓発活動などの情報を収集・発信します。

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    北海道での第3波は「Go toトラベル」で本土から持ち込んだ株が寄与(遺伝子データ解析結果)

    <科学論文> 17th Dec. 2021 Curated by 瀧澤美奈子 ※2021年12月17日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。  1年前(2020年)の秋に政府が行ったGo toトラベルは旅行業界を中心に一定の経済効果をもたらした反面、とくに北海道で目立ったように国内における第3波の蔓延を助長したことが強く疑われました。北海道では2020年10月に突然、首都圏で先行して急増していたB.1.1.214系統を主とする第3波の流行が始まり、第1波、

      • 議論の多い政策テーマを報じる際に避けるべきことと、正しく報道するための方法

        <感染拡大防止のコミュニケーション> Curated by 瀧澤美奈子  世の中には、合理的な意思決定が必要な複雑な政策テーマが多くあります。あるテーマについて、さまざまな情報や対立する意見が存在するとき、情報を発信する際にどのようなことに注意したら良いのでしょうか。有力な情報源は学術界にありますが、どのように質の高い研究を見極め、報道に利用すればいいのでしょうか。ハーバード・ケネディスクールのThe Journalist’s Resourseの記事、Covering sc

        • ウィルス起源に関する米国国家情報会議の報告

          <関連する話題の報告書など> 2th Sep. 2021 Curated by 滝順一 ※2021年9月2日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。  米国の国家情報会議(National Intelligence Council)が8月27日に新型コロナウイルスの起源に関する報告書のサマリーを公表しました。すでに報道されている通り、自然界の宿主からヒトに感染したのか、武漢ウイルス研究所から漏洩したものか、情報機関の間で意見の相違があって明確な結論には至りま

          • デルタ株は重症化しやすい

            <科学論文> 2th Sep. 2021 Curated by 滝順一 ※2021年9月2日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。  日本の現状から見て今さら驚くことではないかもしれないが、新型コロナウイルスのデルタ株はアルファ株に比べて重症化しやすいようだ。ランセットに掲載された英国のグループの論文によると、今年3月から5月にかけて新型コロナ感染者約43,000人を対象にした調査で、デルタ株感染者の方が入院したり緊急外来を受診したりするリスクが大きかった

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          • 科学論文
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          • 感染拡大防止のコミュニケーション
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            モデルナ社RNAワクチンに関する論文2篇

            <科学論文> ※2020年12月9日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。  臨床試験で94.1%の有効性を示した米モデルナ社のRNAワクチン候補(mRNA-1273)が当局へ緊急使用許可を申請し、17日にも承認される見通しであることが報じられています。  西川伸一京大名誉教授(医学博士)が代表理事を務めるNPO法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパンで紹介された、モデルナ社RNAワクチンに関する論文2篇(8月5日Nature、11月12日NEJM)の解

            感染成立に必要なウイルス粒子数は1000

            <科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載 ※2020年11月23日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。 Sci Transl Med. Nov 23, 2020(doi.org/10.1126/scitranslmed.abe2555)  オーストリアでは疫学的サーベイランスシステムが発達している.実際に第一波での主要なクラスターを同定し,かつ500以上のウイルスサンプルの全ゲノムシークエン

            大流行が1年続いている米国でも,集団免疫はまったく実現されていない

            <科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載 ※2020年11月24日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。 JAMA Intern Med. Nov 24, 2020(doi.org/10.1001/jamainternmed.2020.7976)  米国の全土,すなわち50州を含む52の管轄地域で,SARS-CoV-2ウイルスに対する抗体を有する人の割合を検討した研究が報告された.   17

            COVID-19は虚血性脳卒中,とくにcryptogenic strokeの増加と関連する

            <科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載 ※2020年11月21日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。 Ann Neurol. Nov 21, 2020(doi.org/10.1002/ana.25967)  COVID-19に関連した脳卒中の発生および転帰について報告するコホート研究を集めたメタ解析が報告された.6万7845名の患者を含む18のコホート研究が対象となった.感染者のうち,脳卒

            TNFαとIFNγの組み合わせは,複数の細胞死の特徴を持つ強烈な細胞死(PANoptosis)を誘導する

            <科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載 ※本論文は最終版ではないレビュー中のバージョンであり、2020年11月19日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。 Cell. Nov 19, 2020(doi.org/10.1016/j.cell.2020.11.025)  米国からサイトカイン・ストームで誘導される種々のサイトカインを組み合わせ,骨髄由来マクロファージの細胞死を誘導できるか調べた研

            【動物実験結果】 鼻粘膜への感染により,ウイルスは速やかに脳へ移行する

            <科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載 ※2020年11月9日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。 Nature. 2020 Nov 9.(doi.org/10.1038/s41586-020-2943-z)  米国からの研究.上皮細胞特異性発現K18プロモーターにより,ヒトのACE2を発現するモデルマウスを作成し,感染実験を行った研究が報告された.  この実験系では,SARS-CoV2

            モデルナ社製ワクチンmRNA-1273の第1相試験

            <科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載 ※2020年11月12日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。 N Engl J Med. Nov 12, 2020(doi.org/10.1056/NEJMoa2022483)  米国ファイザー社とともに期待されるモデルナ社製ワクチン候補mRNA-1273に関する第1相試験がNEJM誌に報告された.目的は安全性と,ヒトで中和抗体が誘導できるか明らかに

            安全なワクチン開発に要する時間

            <科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載 ※2020年11月10日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。 JAMA Intern Med. Nov 10, 2020.(doi.org/10.1001/jamainternmed.2020.7472)  COVID-19に対するワクチンの安全性は重要な問題である.どのぐらいの人数を,どの程度の期間,検討すれば安全性が担保されるのか,過去10年間,

            退院患者の11人に1人が,2カ月以内に再入院する

            <科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載 ※2020年11月13日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。 MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2020;69:1695–1699.(doi.org/10.15585/mmwr.mm6945e2)  米国の865病院のデータを用いて,12万6137人の入院患者を特定した.約15%が入院中に死亡していた.また退院患者のうち,9%が入院

            抗うつ薬が重症化防止に有効かもしれないという2つの論文

            <科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載 ※2020年11月12日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。  選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であるフルボキサミンは,サイトカイン産生を調節するシグマ1受容体を刺激することで,臨床症状の悪化を予防する可能性がある.米国から,軽症COVID-19に対して,フルボキサミンが臨床症状の悪化を防ぐことができるかを検討した研究が報告された. JA

            ミンクからヒトへの感染によるアウトブレイク

            <科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載 ※2020年11月10日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。 Science. Nov 10, 2020(doi.org/10.1126/science.abe5901)  動物実験において,SARS-CoV-2に感染することがわかっている動物は,ヒト以外の霊長類,ネコ,フェレット,ハムスター,ウサギ,コウモリなどである.また,フェレット,ミンク,イ

            COVID-19とギラン・バレー症候群(GBS)の関連性

            <科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載 ※2020年11月6日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。 J Neurol Neurosurg Psychiatry. Nov 6, 2020(doi.org/10.1136/jnnp-2020-324837)  COVID-19におけるギラン・バレー症候群(GBS)の報告は散見されるものの,ジカウイルス感染症の場合に示されたように,発生率の増加を