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戦術動作アプローチ

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サッカー戦術動作アプローチについて書いています。
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#フットボール

スポーツは無力であり大きな力を持つ

スポーツは無力であり大きな力を持つ

サッカーやフィジカルという切り口でこれまで繰り返し全体とパーツの話をしてきた。嫌になっている人もいるかもしれないが、まだまだ続ける。繰り返し表現し続けないと我々は知らず知らずのうちに要素還元的な視点に引っ張られてしまうから。

これらの表現にツッコミを千回ぐらい入れられなければ、要素還元的な視点から脱しきれていない。現代の社会は要素還元的な視点で溢れている。

サッカーという全体構造の中のパーツと

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いくら体幹が強くてもサッカーで通用しない理由

いくら体幹が強くてもサッカーで通用しない理由

戦術動作アプローチのプロセスはあらゆる競技の指導者にとって『フィジカルの取り扱いマップ』としての活用が可能であるが、その必要性が最も高くなるのが複雑な構造を持っている競技である。

なので誰よりも速く走る、遠くに投げる、などのシンプルな構造を持つ競技だと、戦術よりも身体能力の重要度の方が明らかに高い。d
サッカーは考え得る中で最高度に複雑度が高く、それゆえ戦術動作の重要度が非常に高い。裏を返すと「

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フィジカルブラックボックス

フィジカルブラックボックス

戦術動作とは、戦術を実行するために必要となる動作能力のことである。
単なる身体能力ではなく、戦術の実行という優先順位の中で要求される動作を指す。
非常にシンプルだが、この知識に欠けると「なぜ戦術が実行できないのか」の分析に大きな欠落が生じる。

例えば急減速能力が不足(相手に劣る)しているだけで”急減速が関与する戦術”の実行レベルは低下する。

戦術実行の8要因戦術動作の生命線となる身体操作は、『

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全体とパーツの”一方通行な”関係

全体とパーツの”一方通行な”関係

前回は、「誰にでも”サッカー選手が絶対やるべきトレーニング”を発信できてしまう「方法過剰供給状態の社会」においては、方法に目を奪われるのではなく選択能力の向上に努力をシフトチェンジしていく必要があると述べた。

「このトレーニングをすれば〇〇ができるようになる」今回は”誰でも発信できる状況”における、もう一つの重要な問題について触れたいと思う。それは構造の単純化と短時間化。
膨大な量のトレーニング

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我々が『戦術動作』に目を向けるべき理由

我々が『戦術動作』に目を向けるべき理由

ご存知の通り、近年トレーニングの方法は溢れかえっている。
トレーニングに関心のある方なら分かると思うが、SNSに少し目をやれば毎日膨大な数のトレーニング方法が投稿されている。
(中でも日本のメジャースポーツであるサッカーと野球は”発信者”が多い)

皆さんはこの状況をどのように感じているだろうか。
特に選手や指導者の方々。

「こうすれば〇〇ができるようになる」
「サッカー選手が身に着けるべき正し

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