見出し画像

【タリウム】水銀とともに歯の詰め物などでもある皮膚感作物質・神経毒であるタリウムの毒性

タリウム (TI) は、鉛や水銀と同様、多くの身体組織に蓄積する非常に有毒な元素である。

殺人事件に使われるほど人体に強い毒性があり、脱毛、循環器・呼吸器・消化器・神経系などの全身に致死的障害を及ぼす有害金属である。

副作用を起こし、多くの臓器で進行性病変を起こしうる蓄積性毒物とされ、皮膚感作物質でもあり、経口摂取・吸入・皮膚吸収により毒性を示す度蓄積性毒物である。また、歯の詰め物として使われている水銀とともにアマルガムを容易に合成する

タリウムは外観、性質、比重などが鉛(Pb)によく似ており、ナイフで切れるぐらいにやわらかい。乾燥した空気中では安定でも、湿度が高くなると酸化されやすくなる

生体内では+1イオンとして存在し、そのイオン半径はカリウムイオンと類似しており、カリウムイオンと同様に取り込まれてカリウムイオンが関与する生体反応を阻害する。これがタリウムの毒性発現のメカニズムとされる。

このメカニズムを応用して、虚血性心疾患の患者の心筋細胞の生存度を評価する放射性医薬品の1つとして、日本の臨床現場で広く用いられている。

また、がんへの取り込みも認められることから、がんの画像診断にも用いられる。

なお、臨床において投与されるタリウムの量は痕跡量(2~3ppm以下)であるため、その毒性は問題とならない。

ここから先は

740字 / 2画像
この記事のみ ¥ 300
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

みなさんの症状改善や体質改善に少しでも役立ち、食生活改善に生かせれば幸いです。