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「曲げわっぱのお弁当」を薦めたい。

工芸好きの旅人、はるかです☺

散歩してたら梅の花にメジロが止まっていて、春を感じました。
もう少し春が深まったらお花見したいなあ。お弁当箱には、曲げわっぱを使いたいなあ。あの、木の香りがわたしはすごく好きです。

もちろん木の香りがするだけじゃなく、曲げわっぱには具材をおいしくする秘訣がたくさん詰まっています。


ここが好きです、曲げわっぱ

具材の彩りを支えるやさしい色味

〇冷めてもおいしい

曲げわっぱのお弁当箱に入れておくと、ごはんがふっくら冷めてもおいしいです。炊きたてのようなふっくらしたごはんを保つことができるのは「木」のおかげ。多湿な夏は水分を吸い込み、乾燥する冬は水分を出し、湿度を調節してくれます。

〇おかずを引き立てる木の色味

シンプルな木の色は、どんなおかずも美味しそうに見せてくれます。
ごはんに赤・青・黄・黒・白のおかずを彩りよく詰めて、ピクニックしたり。写真を撮るのも楽しいです📸✨

〇軽くて丈夫

曲げわっぱの軽さと丈夫さも魅力のひとつです。
実際に使ってみると、曲げわっぱのお弁当はあらためて「軽さ」に驚かされます。教科書やノートなど荷物が多い学生さんにも、仕事道具が多い会社員の方にもちょうどいいですね。

また、使っていくうちに木が引き締まっていくので、長持ちします。万が一、留め具が外れる、漆が剥がれるなど、壊れてしまったときも、工房によっては修理も承ってくれるので安心です。

使い方とお手入れについて

〇具材を詰めるとき。ごはんは冷ましてからがいい。

お弁当箱に中身を詰めるときは、最初にごはんを詰めていきます。そのときのコツは、必ず一晩以上乾かして乾燥したお弁当箱に詰めるということ。濡れたままの曲げわっぱは、うまく呼吸することができません。

ごはんを詰めるときは、熱々の炊きたてのごはんを端から詰めていきます。ごはんを詰めた後はしばらくほったらかしに。蓋は閉めず、詰めたままの状態で室温と変わらなくなるまで待ちます。

〇使用後のお手入れは?できるだけ湿気を避けたい。

使い終わった曲げわっぱのお弁当箱は、なるべく早く洗います。

ごはんなどがこびりついているときは、ぬるま湯に少しだけ浸けておくと取りやすくなりますが、浸ける時間は10分を超えないようにします。洗うときはスポンジで丁寧に手洗いを。洗剤は使って構いませんが、少量を使います。

洗い終わったら、すぐに晒しなどやわらかい布で拭き、蓋と容器部分を別々に乾燥させます。だいたい一晩経ったら乾きますが、できれば2日はおきたいところ。

もし、カビや臭いがついてしまったときは、お湯で洗って数日別々に干してみます。煎じたお茶で一緒に洗うのもひとつです。

そもそも曲げわっぱにはどんな歴史があるのか。

曲げわっぱとは、スギやヒノキなどの木の板を、曲線に曲げて、つくる工芸品のことを指します。お弁当箱のイメージがありますが、この技法でつくられたおひつや食器、ひしゃく、神社などで使用する神具もすべて曲げわっぱです。

日本ではじめて曲げわっぱを使ったのは、一説によると木こり。

各産地でいろんな伝承がありますが、ここでは国の伝統的工芸品に指定されている大館曲げわっぱと、無形文化財に指定されている博多曲物(はかたまげもの)の歴史について触れてみます。

大館曲げわっぱの故郷・秋田県大館で曲げわっぱの生産が活発になったのは約400年前、関ヶ原の戦いの後です。藩内の豊かな木材を使ってつくられはじめ、やがて藩の特産品にまでなりました。

福岡県の博多曲物は、日本書紀に登場する応神天皇が誕生したお祝いとしてはじまったといわれています。本格的に作られるようになったのは約300年前だそうです。どちらの話もその地域と密接に結びついており、曲げわっぱが古くから馴染みある食器であることがうかがえます。

曲げわっぱは、日本各地で生産されており、地域によって呼びかたが違うのも面白いところです。

  • 青森県:ヒバの曲物

  • 秋田県:大館曲げわっぱ

  • 福島県:檜枝岐ワッパ

  • 静岡県:井川めんぱ

  • 栃木県:日光曲物

  • 群馬県:入山メンパ

  • 長野県:木曽檜のめんぱ

  • 福岡県:博多曲物

木のぬくもりを感じるお弁当箱

大切に使えば何十年も使うことができる曲げわっぱ。秋田の蔵から発見された曲げわっぱは、120年ほど前につくられていたのにも関わらず、ふたと容器部分がしっかりと噛み合い、今でも使えるくらいの精密さだったそう。

主は今年で何度目の桜を、曲げわっぱとともに過ごしたでしょうか?(笑)
あなたも、すてきな春を過ごしてください🌸

曲げわっぱの歴史や使い方について、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

日本工芸スタッフ。日本の伝統工芸に魅了され、その美しさや技術に感動する日々。旅行が大好きで、新たな文化や素敵なものに触れることが大好きです。このnoteでは、日本の工芸文化や旅先での出会いを通じて感じたことや、見つけた情報をシェアしていきます。一緒に工芸品の魅力に迫りましょう!

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