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新作小説(歴史もの)『The DANELAW(デーンロウ)』の設定など

2023年9月10日(日)開催予定の「文学フリマ大阪」に出店を申し込んだので、現在書き進めている新作小説の設定をメモ代わりに書き留めておきます。
長編になりそうなので、3巻くらいに分けて本をつくると思います。
(9月の文フリ大阪で1巻を出したい!)
本文の進捗に合わせて、この記事に情報を追加していく予定です。


【タイトル】
The DANELAW(デーンロウ)
ヴァイキング時代のイングランド東部、スカンディナヴィアからの移住者が居住した地域。
「デーン人の法(が通用する地域)」を意味するが、この名称の初出は1008年頃、エセルレッド2世の治世下で編纂された法典とのこと。
現在のヨーク周辺地域はヨールヴィーク王国と呼ばれ、デーン人(デンマーク人)やノース人(ノルウェー人)が王となった。


ヨークシャーの風景


【物語の概要】
主な舞台は10世紀初頭のブリテン島。

(1巻)
ノース人の父とサクソン人の母を持つヨールン・ラグナルスドーティルがマーシアの女主人(Myrcna Hlæfdige ミュルクナ・フレーフディーゲ)エセルフレドのもと、治療師として、ひとりの人間として成長していく物語。

(2巻)
エイステイン・ラグナルスソン(ヨールンの異母兄)が戦働きと交易に携わり、変わりゆく時代のなかで己の将来を見据える。

(3巻)
エイステインの義兄弟シグトリュグが主人公。



【時代背景と統治者】 
909年頃~918年のデーンロウ(イングランド東部、北欧人の居住地域)

ウェセックス : エドワード長兄王(アルフレッド王の長男)
マーシア : 太守エセルレッドと妻エセルフレド(アルフレッド王の長子。エドワードの姉)の共同統治
ノルウェー : ハラルド王(美髪王)


関連地図


【主要登場人物】
ヨールン・ラグナルスドーティル エセルフレドに仕える治療師
エイステイン・ラグナルスソン ヨールンの異母兄〈赤のエイステイン〉
シグトリュグ・ビャルナルソン ヨールンとエイステインの幼馴染
ラグナル・シグルザルソン ヨールンとエイステインの父
エディス ラグナルの後妻、ヨールンの母。ヨルヴィークの名士の娘
ログンヴァルド・シグルザルソン ラグナルの兄

ヨールン、エイステイン、シグトリュグの3人が主役級。
(登場人物は他にも沢山いるが現時点では省略)


【容姿と身長の設定】
ヨールン 赤髪(褐色寄り)、灰紫色の瞳 160cm
エイステイン 赤髪(金髪寄り)、青灰色の瞳 188cm
シグトリュグ 淡い金髪、氷青色の瞳 184cm
ラグナル 赤みがかった金髪、青灰色の瞳 178cm
エディス 淡褐色の髪、灰紫色の瞳 158cm
エセルフレド 濃褐色の髪、瑠璃色(深みのある青)の瞳 168cm

同じ赤髪でも、ヨールンは赤褐色、エイステインは金髪寄りの赤髪。
紫色の瞳は非常に珍しいとされるが、ラグナルが再婚を勧められた際にエディスの容姿の特徴としてインパクトが欲しかった為、採用。
エイステインは(当時としては)かなり長身のイメージ。
ヴァイキング時代の平均身長は、デンマークの研究者 Else Roesdahl によると、男性 170~172cm、女性 158~160cm位。
デンマークで出土した男性二人(主人と奴隷)の骨を調べた結果、主人は184cm、奴隷は170cm弱だったらしい。


ヨールンとエイステインの父ラグナルはノルウェー人。
876年、冒険と名誉を求め、ハラルド王(美髪王)と諍いを起こして追放された兄ログンヴァルドのヴァイキング船でノルウェーからブリテン島にやって来た。そこでアイルランドからノーサンブリア(イングランド北部)に戻って来たハルヴダン・ラグナルスソン(骨なしイーヴァルの兄弟)が率いるThe Great Heathen Army(異教徒大軍、大軍勢)に兄と共に参加。877年、ハルヴダンはアイルランドで戦死したが、生き残りの軍勢とともにアルバ王国(ピクト人のカウサンティン王)と戦い、手柄を立ててヨールヴィーク(現在のヨーク)近郊のロイディス(現在のリーズ)に土地を得る。アイスランドに新天地を求めた兄と別れ、幼馴染の〈楯の乙女〉ソールゲルズと所帯を持ち、大農場主として新生活を始めた。

888年に待望の長男エイステインが生まれたが、翌年、二度目のお産でソールゲルズはお腹の子とともに死去。その二年後、妻に先立たれた悲しみがようやく癒えかけた頃、ラグナルはヨルヴィーク王グズレーズの勧めもあって、現地の名士の娘〈菫の瞳〉のエディスと再婚し、娘ヨールンが誕生(891年)。

シグトリュグは、ラグナルの友人でノルウェー南部ロガランドの拝領地主(hersir, 後の lendr maðr)ビョルンの息子。ラグナルが養父となり、ロイディスで育つ。ヨールンの許婚。左利き。


【物語の開始時(909年)の主人公たち】
ヨールンはマーシアの宮廷でエセルフレドに仕えている。新米の治療師だが、遠征にも同行する為、戦士としての訓練も受けている。明朗快活で、何事にも積極的な性格。
エイステインは父の農場の跡継ぎではあるが、今は戦働き(戦士団の首領)と交易をやっている。〈赤〉のエイステイン(Eysteinn inn Rauði)と呼ばれる強靭な戦士ながら、商人としての顔も持つ。行動力があり、部下に慕われているが、皮肉っぽく物事を捉える癖がある。
※〈赤〉には赤髪と勇猛なヴァイキング、2つの意味がある
シグトリュグはヨールンとともにマーシアの宮廷勤め。エセルフレドの甥アゼルスタンの武術指南役。怜悧な美貌の持ち主。陽気で気前が良く、誰にでも好かれる性格だが、掴みどころのない一面を持つ。


1巻の表紙ができました。
2023年9月10日(日)開催予定の 文学フリマ大阪11 で新刊として頒布します。その後、通販と委託も予定しています。

1巻の主人公 ヨールン・ラグナルスドーティル
装画 芳乃 カオル様


※本文の進捗に合わせて情報を追加します

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