2023年映画マイベスト10+
さて今年もやりましょう。
まず2023年に観た新作を6段階評価するとこんな感じです。
評価Fと評価A+は例年1本あるかないかという感じなのですが、2023年は例外的にA+が6本も出る異常事態(うれしい)になりました。
評価Cは「チケット代の元は取れたくらいには面白かった」という感覚です。逆に言うと評価Cダッシュは「観なくて良かったかも」と思えるラインで、評価D以下なら何かしら期待外れだったことになります。まあ私はトレイラーを観てD以下になりそうだと直感したら観に行かないようにしているので、作品選抜のミスともカウントできますね。122本中9本ですから2023年の失敗率は7.3%です。
A:29本(ドラマ2本)
B:45本(ドラマ6本)
C:39本(ドラマ1本)
D:7本
E:2本
F:0本
基本的にどんな作品も面白さを見出せる方だと自覚しているので、評価Dをつけた作品も全否定ということはありません。評価Eに関しては結構厳しかったという印象ですね。
最低賞:くまのプーさん/ブラッド&ハニー
好きな方にはごめんなさい。あくまで私にハマらなかったという理由です。出オチ要素強めのB級映画だろうと予測はしていましたが、想像以上に低クオリティな仕上がりを徹底していて、作り手があえてクソ映画を目指している強い意志を感じたので、敬意も込めて年間ワーストとさせていただきました。
オリジナル題名『ブラッド&ハニー』の方がB級感マシマシで良かったと思います。邦題『あくまのくまさん』はちょっと上手すぎて、観客の期待値を上げてしまいましたね。(苦笑)
さて、気を取り直して。ここからは122作品を一気に100本以上かけ上がり、ベスト10について語ります!
10位:ノートルダム/炎の大聖堂
これはスマッシュヒットでした。日本で年間ベスト10に本作を挙げる人は少数派でしょう。ただ私にとって映画とは、巨大なスクリーンで轟音のサウンドに浸ることこそが、映画の愉しみ方の一つの大事な要素なのです。となると、こういう作品は俄然強いです。
最大の見どころはIMAXカメラで撮影した、実際に炎上する実物大セットですが、ストーリーとしてもキリストのいばらの冠(本物)を無傷で非難させるまでのドラマが組み込まれており面白い内容になっています。
4K UHDの発売もなく(UK盤が存在したようですが既に廃盤😭)、日本国内ではアマゾンプライムビデオのスターチャンネル加入でしか視聴できないのが勿体ないと感じる作品です。
9位:ザ・クリエイター/創造者
2023年らしい作品を一つ選べと言われたらこれにするかもしれません。そのくらい今っぽさを感じる作品でした。
8位:REBEL MOON: パート1 炎の子
クリエイターとは対照的に80年代テイストを色濃く感じた本作。私が敬愛するザック・スナイダー監督作品ですが、この順位です。そりゃあワンシーンの破壊力だけで選べば圧倒的な優勝候補ですが、映画一本でのまとまりを込めて評価すると、このくらいまで順位を落とすことになります。
近日中に完結編となるパート2と、そして上映時間と過激描写を大増量したR指定ディレクターズカットが控えているので、2024年はそちらに期待です。
7位:マエストロ/その音楽と愛と
これは本当に良い映画でした。アメリカ滞在中に上映しててラッキーでした。字幕なしで銀幕で観覧できたのは本当に良かったです。私は日本語字幕が嫌いなんですけど、オーケストラが奏でる音楽が空気を振動させる迫力(顔の肌で感じたい)は映画館でしか味わえませんから。
6位:逆転のトライアングル
これは全体的に高品質で面白かったのですが、テーマと脚本が現代っぽくて大幅に加点しました。
5位:ボーはおそれている
2023年時点では日本未公開作品です。ものすごくキチガイな映画でした。飛行機の劣悪な環境で観たのにこの順位というのは凄いです。2024年に劇場で観覧したらもっと順位が上がるかもしれません。
4位:ノースマン/導かれし復讐者
実はこの映画は昨年も2位に選びました。日本は公開日さえ未定だったので米国盤4K UHDをお取り寄せして一足先に観たからですね。ところが今年は順位を落としてTOP3を逃したのです。それほど令和5年は激戦でした。
3位:TAR
とんでもなく面白い映画でした。何かわからないけど、ものすごい何か。って感じ。特級品です。
2位:アイスクリームフィーバー
まさか年間TOP10で、この順位に日本映画が差し込むとは、私でも驚きです。しかし小物のような雰囲気を出しながら、やっていることは王道で、もっと世に知られるべき作品だと強く感じます。
1位:オッペンハイマー
2023年のNo.1映画はこれですよ。異論は認めません。もう語り尽くせません。ダンケルクやインターステラーのようにフルサイズIMAXで観なきゃ意味ないよね、と思える要素がほぼ皆無で、ドラマとして十分すぎるくらい面白いのが最強たる所以です。スピルバーグにとってのシンドラーのリストが、ノーランにとってのオッペンハイマーだと言えるでしょう。
もう2024年のランキング1位もほぼ確定ですね。(笑)
次点:ピギー
日本未公開作品から2本も選んでしまったので次点の映画も記載しておきます。9月公開の『ピギー』は、悪趣味と爽やかさが同居する素晴らしい映画でした。こういう映画のマジックが詰まった作品が私は好きですね。
次点:イニシェリン島の精霊
こんなに素晴らしい脚本と演技なのにアカデミー賞でエブエブに一つも勝てなかったのが本当に納得できません。特にキー・ホイ・クァンの演技にはまるで深みがなく、退屈の極みでした。彼のセリフで一節でも覚えている人が居ますか?逆にイニシェリン島のブレンダン・グリーソンの演技の衝撃たるや。ここまで来ると逆ポリコレですよ。
審査員特別賞:リバー、流れないでよ
観覧していて一番楽しかった作品はこれです!アイデア一発勝負でありながら『ドロステのはてで僕ら』に続く第二弾なので映画的なストーリーの面白さもあり、非常に良かったと思います。万人にオススメしたい作品ですね。英語吹替版を作って世界市場に売ったら、ゴジラマイナスワンみたいに大きく跳ねるんじゃないかしら、と本気で思います。
最優秀ドラマ:THE DAYS
ドラマシリーズもいくつか観ました。その中でも本作は別格の面白さでした。奇しくも2024年1月1日に震度7の地震が発生しました。被災地の皆様にお見舞い申し上げますとともに、この時の東北での経験が現代に教訓として活かされていることを願います。
(了)
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