役者を辞めて、数年越しに自分の出演作品を見た話
「新人紹介用の動画を作るから、
役者の時の映像とか写真を送ってもらえる?」
「分かりました」
何の抵抗もなく、そう答えた。
役者をやっていたことが
恥ずかしいとも思ったことはなかったし、
あの時期がなかったら私はいま
どんな人間になっていたのだろうか。
(あまり想像がつかなくて、少し気になる)
昔の記憶をなんなくたどりながら
この辺りで出てくるんじゃなかったかなと
早送りボタンを押す。
「あっ」
昔の私が早送りで通り過ぎていく。
少し前に戻って再生。
そうだった、こんな