【業界研究②:総合商社】
こんにちは、Jackです。日系事業会社・外資戦略ファーム複数社での経験を踏まえ、業界研究シリーズを投稿していきたいと思います。
シリーズ第二回目は総合商社業界に焦点を当て、特にこれから総合商社業界にエントリーしようと思っている学生や中途入社を検討している社会人の方々に対して、何かしらの気付きに繋がれば幸いです。
目次
①商社はどのようなビジネスを手掛けているか
②主要なプレーヤーはどこか
③足元の動向/今後の戦略の見立て/必要とされる人材
①商社はどのようなビジネスを手掛けているか
商社が手掛けるビジネスの大枠は、主にトレード事業と投資事業の二つ。前者のトレード事業は、商社の祖業でシンプルに言うと主に海外の資源(鉄鋼、石油、木材、石炭、etc...)をまとめて買い占め、国内の取引先に供給する機能を担って仲介料で収益を得るビジネスモデル。海外の主要国に優秀な人材を配置し、現地資源の質の目利きや資源の調達先とのパートナーシップ構築等を行い、国内への資源の安定供給を実現しています。
後者の投資事業は、資源調達時に現地パートナーと組んで単に資源を横流しするのではなく、もう一歩踏み込んで商社自体もリスクを取って資源調達に投資をしている。例えば、海外の鉱山をパートナー企業と共に投資で獲得し、その採掘資源の権利を得る、というようなイメージです。それ以外にも現地のベンチャー企業へ投資をして、ベンチャーの事業が大きくなったら売却する事例も増えてはいるものの、売上・利益に占めるインパクトはまだまだマイノリティとみなすことができます。
そのため、従来の商社マン(後段を念頭に、敢えて従来と冠させてもらう)に求められるスキルとしては、海外赴任に対する免疫(自分が意図しない世界中のどの国へ行っても頑張れてしまう≒順応力、体力、精神力)、語学吸収の下地、対人力/コミュニケーション能力が必須でした。但し、後述するように現在の商社マンに求められる要素は昨今変化しており、その本質を理解していなければ商社の内定を獲得することは非常に難しい(私が面接官なら理解して順応しそうな学生を優先して採用)と思います(後述)。
②主要なプレーヤーはどこか
ここはご存知の方が多いと思うが、三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅、双日、豊田通商の7社。冒頭三社が財閥系で総合商社の御三家的な存在です。
組織の三菱、人の三井、結束の住友と称されていた時代もあったようで、住友は別の格言として「石橋を叩いて叩いて渡らない」という程慎重な社風があるそうです。三菱・三井の二強に比べ、住友はエンロン事件の影響もあり現在は業界3-5番手くらいに推移しています。一方で、昨今は脱資源の伊藤忠商事が躍進しており、丸紅は安定的に稼ぐという印象を持っています。三強+伊藤忠&丸紅で5大商社と呼ばれています。
ちなみに、私の周りには商社の友人が数多おり、外資戦略ファーム出身者による帰納法による各社の特徴を述べると以下になります。
三菱商事はThe エリート集団、三井物産はスマートな野心家、住友商事は手堅い真面目集団、伊藤忠商事は頭の良い体育会系、丸紅は地頭の良い明るい集団、です。
③足元の動向/今後の戦略の見立て/必要とされる人材
足元の動向として、各社共通する点は事業モデルの転換を図ろうとしている点です。従来は、世界各国に配置した優秀な人材、言い換えればグローバルに展開されたアンテナから商社しか知れない調達先確保、国内の得意先に対して単なる資源の横流しを行うビジネスモデルでも口銭収入で成り立っていました。
しかし、近年は日本国内の企業が力を付け事業規模が拡大・グローバルカンパニーの台頭により、調達コストも大きなメスを入れる先=改善余地が無視できない規模感となり、調達の自前化が進んできました。また、インターネットに代表されるIT技術の進化も相まって、情報の格差が急激にフラット化し、日本国内の企業であっても海外の動向が掴みやすくなってきました。これらが所謂、商社不要論の基本的な理由と理解しています。
以下、今後の戦略の見立て/求められる人材像を具体的に記載しています。特に、俗に言われている商社内定するためにはこの書籍を読んでおけ、という書籍には挙がらない以下書籍を私が勧める理由も記載しております。ご興味ある方は是非購入してみて下さい(ジュース一本分くらいの感覚で値付けはしました)
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