夢を捨てたい。

私には、今就きたい職業が2つある。一つは地方公務員、もう一つは脚本家だ。

安定、堅実な公務員。その逆を行く博打な職業・脚本家。まず、どうやってなるのかも曖昧だし、とりあえず学校に通って勉強したとしても芽がでるかわからない。コスパが保証されていないのだ。第一お金をかけて勉強したとして、才能って育つの？そして、自分の書いた本がドラマや映画になったとしても、メジャーのものじゃないと嫌だ、とか、脚本家になることにして、生きていく上で障壁となりそうな問題を挙げていくと、とても乗り越える気にはなれない。

だって私には、確実な公務員という道も選択肢にあるのだから。あの時公務員を選んでいれば、という後悔だけは絶対にしたくない。

こんなノート書いている時点で、私は楽して脚本家の美味しい部分だけを味わいたいと思っているただのアホということが自分でも分かっている。

何を捨ててでも、どうしても脚本書きたい！と言う訳ではなさそうなのに、どうして夢を捨て切れないんだろう。

オーディションサイトやコンペをたまに漁っている。シナリオ学校や、日芸などのサイトも高校生のときから定期的に見たくなる。進学校に通い、名門と呼ばれる大学を目指すことが自分の中でのデフォだった高校時代。それにも関わらず、定期的に魔が差すというか、本当にやりたいことは…と考え込んだり、夢を追いかけよう！とか言う文言に騙されるので、高校3年間の模試の志望校欄はちょいちょいジャンルの違うところを書いていた。そして親や先生から毎回「？」と言われてきた。その時には毎回、なんとなく…などと濁して誤魔化してきた。理由は夢を語りたくなかったから。

実現するかわからないことに向かって頑張るってバカじゃない？効率悪くない？と頭の中で自分が言うのだ。普通に考えてQOL上げたいんでしょ？なら学問やって公務員でも何でも、道のりを見通せる人生生きなよ、と。

確かにQOL上げていたい。旅行へ行きたいし、美味しいものも食べたい。暖かくて広い家に住みたい。

そういうことの、邪魔になるんだよ。
夢を追いかけることは。

学校教育で、小さい頃から散々夢を持てと言われてきたが、夢を持つことが生きていくうえで邪魔になるなんてこと、教えてもらわなかったぞ私は。

普通の学科に進学した今でもシナリオ学校の学費を調べている。もうどうしたらいいんだ。夢を捨てたい。夢の捨て方を教えてくれ。