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ライラック杯短歌🌸審査員賞👑✨十六夜賞🌖

ライラック杯は、俳句・短歌・川柳と3部門共に大盛況でした💐
みんなの俳句大会の短歌部門としては、宇宙杯、鶴亀杯、十六夜杯、白熊杯に続き、ライラック杯が5回目の開催となり、短歌のレベルも格段にアップ、上質でかつ個性的な歌がさらに集まってきているなと感じました。

とはいえ、私自身が大会に参加したのは、鶴亀杯、もっと言えばスピンオフ企画の「こっそり返歌」からでした。返歌の楽しさを知るところから短歌を詠むようになり、最初は古語を使うことが多かったです。

ここ最近は、現代短歌が主流ということもあり、ライラック杯短歌の参加作品は、そのほとんどが現代短歌となっていて、詠まれる方も今までの古い型や価値観ではなく、自由な空気、作風のもとに詠まれているのが、とても印象的でした。

今回、私がライラック杯短歌審査員として選んだ公式賞である十六夜賞では、おそらく他の審査員と少し異なる観点から選んだと思います。
大会の公式賞ではありますが、私は短歌のプロでも専門家でもありません。

この賞は、本質的な短歌の優劣を決めるものではなく、あくまでも各審査員の好みや選ぶ基準の違いが色濃く反映しています。そこは、ご理解いただきたいと思います。m(_ _)m

私が選んだ基準(好み)は、私設賞を選ぶ時の基準にも似ています。
まず、私がファーストインプレッションでより心揺さぶられたもの。
声に出して読むとリズミカルで、心地よいこと。
複層的な世界観、読み手によって多重の解釈の余地がある。
余韻が残る。
何よりも言の葉の使い方が絶妙である。
その先のストーリーを感じさせて、思い浮かべたくなるような奥行がある。
その世界観が好きである。
思わず返歌をしたくなる。
繰り返し読みたくなる🍀
あとでふと思い出してしまうほど忘れられない魅力がある🍀

以上のことを念頭に、参加受付締め切り後にあらためて、ライラック杯短歌148人389首(全首一覧表)より厳選しました。
この全首一覧表は、沙々良まど夏さんが毎日コツコツと丁寧にまとめてくださったものです。
(人''▽`)ありがとうございました☆💖


今回は、特に選ぶのに迷いました(^▽^;)💦
まず、ファーストインプレッションで選んだものが多すぎました。
それだけ、魅力的な作品が多かったです。
そこで、前回より選考基準を2つ追加しました。
上記の最後の2つ🍀です。

下記6首が、公式の審査員賞十六夜賞です。
6名の方には、私の拙いCanvaの記念品(記念盾?プレート?)を用意させていただきました。
よろしければ、お持ち帰りくださいませ(*´▽`*)✨


🏆✨🏆✨🏆


ライラック杯短歌✨審査員賞


🌖十六夜賞🏆✨6位

卒業という名の羽を手にしたら
空はこんなに青いのですね


この短歌は、お嬢様のことを詠まれたそうです。
「この日の青さはおそらく一生忘れられないでしょう」と記事で書かれています。
今回の参加3句は、元は個々に詠まれた首と思いますが、私には連作のようにも思えました。
「卒業」「空の青さ」「余白」「羽」「自由に翔ける」「迷い」「君だけの道」
riraさんの言の葉たちが、まさに美しい翅をひろげ、自由に羽ばたいて、それこそ自由を謳歌しているように感じました。そして、春色のパステルカラーでキラキラと煌めいている世界です。
まさに「私らしい私」になっていく瞬間をみているようでした💙

そして、返歌をしてみたくなり、ライラックぽんでした返歌がこちらです。

(十六夜返歌)
卒業で手にした自由 ボクたちは
それぞれの空 羽ばたき翔ぶよ

素敵な短歌を(人''▽`)ありがとうございました☆💖


🌖十六夜賞🏆✨5位

空高く風に揺蕩う花びらが
はじめてふれる柔らかなつち


春の大会だけに、桜🌸の短歌は数多く、桜吹雪や花そのものを詠まれる方はたくさんいらっしゃいました。
しかし、花が散り終わっていくことの寂しさ、悲しさよりも花びら視点で「はじめてふれる柔らかなつち」への期待にも満ちた高揚感、そして安心感を詠まれたことにまず、驚きました。
そして、花びら視点でその舞い降りていく先、着地点に「柔らかなつち」が待っていてくれる、受け止めてくれる、その優しい眼差し、視点に素直に感動しました。

「枝に生き生きと鮮やかにあった花びらが、他の同朋がそして自分自身が同じように地に落ちるとき、どのような感慨が湧きあがってくるのか。
できるなら柔らかなつちであったならいいですね。」

Momocoさん記事、コメント欄より)

Momocoさんが、コメント欄にて書かれていたのですが、花びら🌸がとても、愛おしく感じます💖
この短歌を読んでから、舞い散る桜に対する感じ方が少し変わりました。
素敵な短歌を(人''▽`)ありがとうございました☆💗



🌖十六夜賞🏆✨4位

朝露に濡れるつま先花びらの
足りない花が一日を生く


こちらの短歌は、大谷八千代さんの著書『草生け』を読まれての読書感想短歌だったそうです。
野の草花を、その生きてきた姿をありのままに生かして生けた「草生け」。
野に咲く花々は、元々とても生命力があり、凛として生きているのが印象的です。花びらの足りない花でも、自然のありのままを受け入れて生きていく、生かしていく。
大会のキャッチフレーズ「私らしい、私になる」もそのあるがままをまずは素直に受け入れることから始まります。
花や空や大地、自然への静かな眼差しと自分との対比が短歌に集約されている。そんなふうに感じました。
素敵な短歌を(人''▽`)ありがとうございました☆💚


🌖十六夜賞🏆✨3位

半生をくらく過ごししのち思へ
この花白く風に受かるる


現代短歌が多くなった今大会では珍しい古語、旧仮名遣いで、和歌に対する憧れがあると語っていたつるさんらしい短歌でのご参加でした。
古語や和歌がお好きなのがとてもよく伝わります。
なぜ、今は日常的に使わなれなくなった古語をわざわざ使うのかという疑問を持たれる方もよく見受けられます。
日本の情緒的な奥ゆかしい心情や心象風景のようなものは、文語や現代仮名遣いでは言い表す言葉が少なく、古語でしか表現できないこともあると思うのです。そして、何よりも日本語の美しさが堪能できます。

「杳」は、「杳(よう)として」などとも使われますが、暗くてよくわからないさま、はるかに遠いさま、奥深く暗いさま、遠くてよくみえないことを意味しています。
木の下に日があるのは、日(陽)が森に沈むことを表しているのだとか。
ちなみに、日が木に在るのは「杲(こう)」で、明らかの意味だそうです。
その意を踏まえて、この歌を読むと詠者の気持ちが染み渡るように伝わってきます。

白い花とは、どんな花を思い浮かべたでしょうか?
野に咲く小さなスミレでしょうか?
庭に咲く艶やかな白木蓮の花でしょうか?
それとも空に向かって花弁を広げる街路樹の花水木でしょうか?
読み手によって、想像の分かれるところ。
そこにも余韻を感じさせてくれました。

そして、思わず返歌したくなってしまい、即興でコメント欄で詠んだ返歌がこちら。後日、ライラックぽんにも掲載しました。

(十六夜返歌)
春風にそよぐ花弁の白き花
心ゆくまで今 咲き誇れ

素敵な短歌を(人''▽`)ありがとうございました☆💛


🌖十六夜賞🏆✨2位

春の午後からだのなかに雨が降る
青い吐息をのみほしてゆく


ゼロさんの短歌は、いつもそうですが、ストーリーが必ず内包していて、言の葉の組み合わせとバランスが絶妙ですね💙
けして難しいワードではないのに、言の葉たちは、いつも何か特別な響きに満ちていて、極上のイメージがクリアに伝わってきます。
ゼロさんの世界観に一瞬で没入できる、その至福の瞬間がクセになりそうです。他の誰にでもない、ゼロさんならではの世界。
今回の首も、読んだ瞬間にゼロさんの世界に一瞬で引き込まれ、魅了されました。
まるで、これから一篇の小説、物語が始まるかのような高揚感。
春の午後、音もなく降りしきる雨と魔法のような青い吐息を感じました。

ゼロさんの紡ぐ言の葉たちは、一見、曖昧模糊としたイメージの中にも幾重にも張り巡らされた心象風景が心地よいです。
どうして、いつも懐かしいような気がするのでしょうか?
自分でも不思議です。
私自身の心象風景とリンクするのかなぁと、勝手に思いを巡らしています。
何度も読み返したくなる短歌でした。
素敵な短歌を(人''▽`)ありがとうございました☆💜



👑✨👑✨👑✨👑✨👑✨👑



🌖十六夜賞👑✨1位

花いかだ与えてばかりで受けとらず
救ってばかりで救われぬ人


散った桜🌸を花筏に例える日本人の感性も素敵ですが、「春かなし」で始まる3連作の最後を飾るこちらの短歌が、私にとっては最も味わい深く、考えさせられるものがありました。
コメント欄でもさまざまな感想が飛び交っていましたが、雪華さんは、このようにまとめていらっしゃいました。
以下、コメント欄より抜粋させていただきました。m(__)m

受けとるって本当の意味で与えることで
与えるって本当の意味で受けとること
なのかなぁ~と
だから
人を救いたい人って本当は誰よりも救われたいと切望している人なんですよね。
でも、わたしはその人たちを救えない。
川岸に浮かぶ花いかだが流れてゆくのを眺めるだけしかできないように。

救う人は救った時点で救われているのだけど、受け取らないから救われていないと思い込んでいる

(雪華さん記事、コメント欄より一部引用)


花筏から深く巡らす思い、何度も何度も繰り返し読みたくなる短歌であり、私自身が今大会で最も印象に残った短歌でした。
そして、返歌をしてみたくなり、ライラックぽんでした返歌がこちらです。

(十六夜返歌)
受けとらず救われぬもの何求む
求むものなどなかりしものを

素敵な短歌を(人''▽`)ありがとうございました☆💖


🌸🌸🌸

以上が、ライラック杯短歌の公式審査員賞 🌖十六夜賞👑✨の6首でした。

👑✨受賞された皆さま🌟👑
㊗受賞🎊🎉おめでとうございます💐
(´▽`*)✨


その他、最終候補に残った6首は、また別の機会(記事)にて紹介させていただきます。
今回ここに掲載されていない短歌もすべて、魅力的な素敵な作品でした。
参加作品すべての詠み人に感謝を🍀
(*^-^*)💞


🌸🌸🌸

他の審査員賞の記事は、こちらです(50音順)

👑✨審査員賞 沙々良まど夏賞


👑✨審査員賞 ゼロの紙賞


👑✨審査員賞 moe賞


👑✨審査員賞 rira賞

👑✨短歌三賞



🌷🌷🌷

私設賞の「勝手に賞」もたくさんの方々が記事を出してくださいました。
こちらもぜひ、楽しんでくださいね。
勝手に賞は締切りがありません。グランドフィナーレまで、あと1週間近くあります。たくさんの素敵な作品の中からゆっくりと、それぞれの推し作品を選んで、この機会に表彰してみませんか。
(*´▽`*)✨


ぜひ最後までお楽しみください💐
(*^-^*)💞





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