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【旅行】公共交通機関で行く【屋久島】の旅

人生で一度でいいから屋久島に行ってみたい

 宮崎駿監督の『もののけ姫』のモデルになった場所が屋久島だと知ってからもう20年以上は経ったんじゃないかと思う。
    周りは大学生のうちに行く人が多かったけど、私は、2022年のゴールデンウイークに遂に行ってきました。

空から見える屋久島

 前日に鹿児島入りして、鹿児島中央駅の周辺や桜島の観光して、次の日の朝早い便(飛行機)で、鹿児島から、屋久島に到着。山々の緑の陰影に心が躍りました。『遂に、遂に、太古の深い森が!!』という気分。
    フェリー便もあるので好きな方をチョイスしてほしい。

屋久島空港

 小さな空港。島の空港。
    降り立った瞬間、黄色と赤と、青が目に入って鮮やかだった。
 空港を降りて、左手に観光案内所がある。そこで、観光の目的は『海なのか山なのか』、『ホテルや宿はどこを予約したのか』、『どこを回りたいのか』といった計画を話すと、一番近いバス停や所要時間、目的地のバス停を教えてくれる。

バス

 私は、縄文杉トレッキングが目的だったから、朝イチの出発のバス時刻、登山した後の最終バス時刻を教えてくれた。朝5時台には、宿付近のバス停から出発して、15時くらいの最終バスで帰ってくる。そんなスケジュール。所定の時間は必ず厳守で。
    私はペーパードライバーなので、バスの2日間乗車券を購入。島を散策したりするのであれば、本当にお得なきっぷ。 

KITCHEN YUKA


とりあえず島に到着したので

 先に宿に向かって、荷物を置かせてもらって、島内観光。
島の半周を往復しているバスがあるので、それに乗って、周囲をめぐる。海で遊ぶ予定ならば、リゾートホテルを予約して海も満喫できる。私は思い立ったように、旅に出てしまったから、そこまで気が回らなかったけど、十分に、バスでいろんなところに行ける。海に直接落ちる滝、トローキの滝を見たり、関東から移住してきた女性が営む定食屋さんでお昼ご飯。そのあとは、のんびり散歩しながら、一日を過ごして、次の日に備える。

トローキの滝

薄暗いうちから、山に陽の光が差し込むまで

 歩いているとあっという間。緑の木々の間に差し込む光が本当に綺麗だった。暗い影が光に照らされて、どんどん青々しく、輝き、鮮やかな緑に。肌寒い早朝が恋しくなるくらいに。

 早朝、宿から出発。8割ほどの座席は埋まっている。バスは一度、屋久島自然館・荒川登山バス停留所に到着。そこから、登山口までの専用バスに乗り換えて、トレッキング・登山入り口(荒川登山口バス停)まで連れていってくれる。ピストン方式で各方面から来たバスの乗客らをどんどん載せ替えていく。
 荒川登山口バス停まではそもそも自家用車では行けない。(むしろ、駐車場気にしないでいいので、『やったね。ペーパードライバー』という気分←)

トロッコ道
屋久島の森

本当にこんな景色があったんだ

 苔が、木々が、陽の光が、風までも。
    もう本当にそんな気分。長い長いトロッコ軌道が続くのだけれども、ふと開けた山肌の際に到着すると、岩の川に出る。私はこの景色を眺めながら、岩の上にモロの子とアシタカが駆けてくるんじゃないかと思ったくらい、白い毛皮の動く生き物はいないか、目を凝らしてしまうくらい、完璧だった。
    この辺りで、まだまだ朝7時くらい。

小杉谷橋 付近
小杉谷橋 付近

ひたすらに、前を向く

 一歩一歩、無心に歩く。
 そのあとも、三代杉、仁王杉、ウィルソン株、大王杉、夫婦杉と立派な杉達を拝見して、縄文杉に向かう。トロッコ道は、ウィルソン株の手前で終了して、山道に入っていく。山道は混雑期に目の前に他の観光客がいる状況なら、安心だけど、閑散期であると道に迷いそう。ご注意を。
 株の中に入ると空や木々の葉がハートのかたちに見えることで有名なウィルソン株。このスポットを目的に来る人も多いみたい。でも実際にみると、ハートの形も素敵なのだけれども、株の雄大さに感動してしまう。神々が本当にいるんじゃないかって思ってしまう。
    しかし、まだまだ先は長い。

ウィルソン株

だんだん不安になってくる

 トレッキングマップを片手に、道を間違えている訳ではないんだけど本当に到着するのか、歩けど、歩けどたどり着かない。そんな時に迎えてくれるのが、大王杉。幹が割れてもなお、そこに在る、偉大さ。大王杉を見て、またあとひと踏ん張り歩いて行けそうな気力を受け取る。
 そのあとすぐに夫婦杉も見えるので、男女の組で来ている人は、つかの間の休憩時間。この辺りで、昼休憩をとる人もちらほら。私は縄文杉を見るまでは、心が折れたらいけないからと、そのまま歩き続けた。

大王杉

ついに、逢えた縄文杉

 縄文杉の周りには、木道のデッキがあって、そこから、遠くに見える縄文杉を眺める。幹の根本が見たかったなと、そんな感想を持ったけれども、森の奥にひっそりと佇んでいた。
 縄文杉が見たかったのは、『もののけ姫』の舞台のほかに、中学生の時に見た『ウエダマサノブ』の『縄文じいさん』という絵画が忘れられなかったから。夜の森を照らす大木のおじいさん。幹の年輪や木の皮が皺になって優しく動物たちに微笑むそんな絵画。

縄文杉

 しばらく眺めていたかったけれど、次から次へと、展望デッキに人が来るので、そそくさと交代。
 縄文杉まで到達しても、トレッキングコースの半分、折り返し地点。ここまで来て、時刻は12時前。宿に頼んでおいたお弁当を食べて、帰路につく。

登山道

10時間コースは嘘ではなかった

 わりとトレッキングが好きで、ちょこちょこ出掛ける。ガイドブックに記載のある登山コースの所要時間よりは、かからない方だ。今回も、15時台の最終バスには予定より早めにつけると思っていたが、予定時刻20分前のご到着。正直焦った。往路は楽しかったが、復路は終わりの見えないトロッコ軌道。『あれ、こんなに長かったっけ。』
 迫る最終バスの時間に、『あー、これが自家用車トラップか』と時間に余裕を持てるマイカードライバーを羨ましく思った。(でもトレッキングで疲れ果ててからの運転も酷だよね!?)
 屋久島自然館・荒川登山バス停留所から、各宿付近までのバス停までの乗客は3組。出発時点では、6組はいたはず。彼らは大丈夫だろうか。
 帰りしな、バスからぽつり、ぽつりと降りていく人に、乗客のみんなが静かに手を振っている。私も静かに見送る。
 そして、見送ってもらう。
 今日は、お疲れさま。
 

ちなみに

 屋久島のトイレ事情。三代杉を過ぎて、ウィルソン株に向かうまでの中間に位置するトイレが最後の公共トイレになる。繁忙期はトイレ待ちの時間が何十分にもなるそう。近くで話しているガイドさんの情報を盗み聞きすると、今シーズンは近年稀にみる空き具合だったそう。(COVID-19の影響)
 そんな時には携帯トイレをお勧めしたい。簡易トイレブースは道中各所にあるので安心。森の中での解放感の凄まじさを体感してほしい(笑)。まぁ何より、時間短縮・効率重視・混雑回避もある(笑)。バス周遊チケットの売っている観光案内所での購入が可能だ!

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