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『池袋モンパルナス』を読み解く12

池袋西口通信社では、「池袋モンパルナス」について日々情報を集めています。先日たまたま立ち寄った古書店で宇佐美 承が著した『池袋モンパルナス』(集英社)を発見しました。今後不定期に書籍の内容を章毎にダイジェストでお知らせしていきたいと思います。
今回は、第二部「繚乱」の第八話「十五夜と十六夜」をご紹介。戦前に流行りつつあったシュールレアリスムと池袋モンパルナスの関係について述べられていました。

そもそもシュールレアリスムとはなんなのでしょうか。元々はフランスの詩人アンドレ・ブルトンが1924年に刊行した『シュールレアリスム宣言・溶ける魚』をきっかけに世界的に流行し、世界中の文学や芸術に影響を与えました。池袋モンパルナスの界隈ではフォービスムがまだ流行しており、なかなかシュールレアリスティックな作品は認められませんでした。しかし、靉光の《眼のある風景》は彼なりにシュールを受け入れ昇華した作品として独立展で協会賞を取ったのでした。

戦争が始まる前、魂の解放をうたうシュールレアリスムはなぜか反社会的運動として国家に認定されてしまい、抑圧されます。どんな流儀であれ、アートは魂を解放しますが、それが許されない時代が近づいていました。池袋モンパルナスの画家たちは決して危険思想に染まったのではなく、フォービスムに変わる新たな表現方法を模索しただけであり、かつての自由な大正モダンを懐かしんでいただけのようです。しかし福沢の逮捕によりモンパルナスに暗雲が漂います。モンパルナスはこれからどうなってしまうのでしょうか。

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