話すための言葉→勉強言葉②:推論する
おはようございます。いわたコトバのそうだん室言語聴覚士の岩田です。
先日3匹メダカが生まれて喜んでいたら、1週間くらいで追加でもう10匹くらい生まれました。みんな元気に大きくなれ!
今日は引き続き「話すための言葉→勉強言葉」の続きです。
前回の振り返り
「話すための言葉とは」
1歳〜5歳くらいまでの「みてみて〜」「私はこう思ってるんだ」「こうしたい」とか自分のことを相手に伝える言葉のキャッチボールとしての言葉。
「勉強言葉とは」
5歳以降に育つ「言葉で言葉を考える」ようなもの。
勉強や頭の中で考えをまとめたりするといった言葉。文字の読み書きもこれと同時に急成長する。
子供は1歳くらいから言葉を話しだしてから徐々に語彙を増やしながらコミュニケーションを取れるようになります。
これらの「話すための言葉」を使って、小学校に入る前後くらいから「勉強言葉」へと徐々にレベルアップしていきます。
この勉強言葉へとレベルアップするのに大切な土台「推論する」力について見ていきます。
推論するとは?
推論は「はっきり言ってないことを想像する」ことです、
実は大人同士が会話する時には頻繁に使っています。
例えば、
動物園で「あれすごーい。鼻が蛇みたいに長くて足は丸太みたいに太い!」
なんて会話。「なにが」とは全く言ってないのに「象」の話をしていることが分かりましたよね。
「蛇みたい」「丸太」「動物園にいる」というヒントから実際の動物と照らし合わせて知っている動物から一つ選び出したのです。
これが推論するということです。
この能力、幼児期はあまり育っておらず、小学校に入ってから徐々に伸びていきます。これがまだ苦手な子は「鼻に蛇さんいるの?」とか「蛇じゃないよ。鼻だよ」なんて返答が返ってくるかもしれません。
「推論」に必要なこと
①言葉の知識
「象」と「蛇」がどういう動物か」「丸太」「太い」という言葉を理解できている必要があります。当たり前のようですが「言葉」自体よくを知っていないと推論することはできません。
この言葉の知識を蓄積していく必要があります。
②相手の気持ちを考える
相手は今「どんな気持ちで何を感じているか」「どんな意図があるか」を感じ取ることも大切です。
そのためには相手の表情やトーンなど相手の状態と言葉の意味を合わせて考える必要があります。
③状況を理解する
自分は今「動物園に来ていて」「相手はどこに目線を向けているのか」「どこの檻の近くにいるか」など自分や相手の置かれている状況を理解する必要があります。
「鼻が蛇みたいに長い」という言葉を水族館で言ったのならヤガラとかダツのことかもしれません。
(釣りしない人はピンとこないかも、、めちゃ鼻が長いお魚です。赤ヤガラは美味しいです)
もし動物園であっても「あれすごーい。鼻が蛇みたいに長くて足は丸太みたいに太い!」という言葉を、象のいない動物園でバクの檻の前で言ったなら「バク」のことを表しています。
まとめ
この「推論する」能力は、小説とか物語でよく使われるので文字の読み書きとともに発達していきます。
推論する力は、小学校でよく出る「読解問題」とか「作文」とかでも使われることになります。
注意点
この推論する能力。言葉のレベルとしてはかなーり高いレベルです。
「推論や例えが理解できていないから、こういう推論を必要とする言葉をたくさん使って話そう」とするのはNGです。
言葉の理解が追いついていないと、相手の話している内容が分からずただ混乱してしまいます。
特に発達に遅れのある子供は、この「推察する」のが苦手なことが多いです。
「推察するのが苦手だから練習しないと」よりもまずは「推論するのが苦手だから分かりやすい言い方にしてあげよう」の方が子供はのびのび言葉を伸ばしていけます。
言葉は相手に伝わって初めて意味を持ちますからね!
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