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季節を味わう、七十二候のしらべ。「禾乃登る(こくものすなわちみのる)」

note投稿19回目である。
今日から9月が始まったが、関東は急に肌寒くなった。
夕方職場を出ると、ひんやりとした風が半袖の隙間を通り抜けて思わず身震いした。
夏は静かに季節の主役を秋に譲ったらしい。

今回は七十ニ候紹介、第3回目である。

禾乃登る(こくものすなわちみのる)

新暦では9月2日〜6日 二十四節気「処暑」の末候

田んぼの稲穂に米粒がたわわに実り、穂を垂らす頃。

「禾」とは、本来粟(アワ)の穂がたわわに実った様子を形どった象形文字。古代においては、穀物と言えば米や麦ではなく主に粟のことを指していたようだ。

粟は、日本最古の穀物と言われ、栽培が比較的簡単なことからかつては稗(ヒエ)・麦・豆と並ぶ主食の穀物だった。

現在では、米・麦・とうもろこしが主穀と呼ばれるのに対し、粟・黍(キビ)・稗は雑穀と呼ばれ、少し脇役の感があるが、健康食ブームも相まって、口にする機会も増えているように思う。
(粟の原型はえのころぐさ、つまり猫じゃらしなんだとか)

一方米に関しては、稲作文化は古くから日本にはあったものの、粟や稗に比べると収穫量がかなり少なく、日常的に食べれるのは一部の人だけだったと言われている。
それが品種改良が進み、主食として定着したのが江戸時代末ぐらいなので私たち庶民の日本人と米の関わりは意外に浅いのかも知れない。

ちなみに新米とは、秋に収穫されてその年の12月31日までに精米、包装されたお米のこと。

米は時間が経つと表面の脂肪が酸化し、味が落ちるため、15度以下に保存するといいんだとか。冷蔵庫で言うと野菜室が一番オススメだ。

補足事項

・季節の言葉 禾(のぎ)
・季節の魚介 鰯 (旬は6月~10月)
・季節の果物 無花果(8月~10月)
・季節の草花 えのころぐさ(猫じゃらし)🐈‍⬛
・季節の昆虫 まつむし

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