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上勝町ゼロ・ウェイストセンターで学んだ、資源となるゴミたちの話【ゴミゼロ】

瀬戸内への半移住を目指し、毎月ワーケーション中です。9月は徳島県へ初上陸! 市街や美馬市を満喫した最後にお邪魔したのは、ゼロ・ウェイスト宣言をしている上勝町。体験宿泊施設HOTEL WHYに一泊して学んだことを3回に分けてリポートする最終回。ゴミたちの行方についてリポートします。

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3回に分けたテーマは以下の通り。

1. 上勝町の取り組みについて(ゴミゼロを目指した理由)   
2. ゴミの分別方法について(45種類もの分別をする理由)  
3. ゴミの行方について  ⬅️今回はコチラ

80%のゴミは資源! 最後まで使い道を考える
上勝町の取り組みをご紹介(*^_^*)

2003年にゼロ・ウェイスト宣言をした上勝町。その内容はゴミの焼却・埋立処分にせず、何かしらのリサイクル・リユースに還元することで、ゴミを資源とするということです。

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↑ゴミの分別には、ゴミは資源となり「どこに運ばれ、何にリサイクルされるのか?」がわかるように表示されている。ちなみに、運ばれるエリアによって、運送費コストも変わってくる。

達成目標年度は2020年で、実際には80%までの達成率でした。残り20%は、メーカーサイドが最初から廃棄するように生産されており、リサイクルの限界なのだそう。

上勝町ではその限界を少しでも突破できるよう、企業と一緒に研究を行ったり、アップサイクルといって、それらの形や価値を変えた使い道を模索している。それらの素晴らしい取り組みをいくつか紹介していきます。

①譲渡する(リユース)
自分にとっては不用品でも、誰かにとっては必需品

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↑まだ使える不用品たちは、センターのくるくるショップというスペースに展示され、欲しい人が無料でもらえる。もらう人は何グラム分か計測する。年度末にゴミがどれだけリユースされたか調べているため。

私も断捨離などをする際に、いつも頭を悩ませるのが壊れていないけど不用になったものたちの廃棄。「まだ使えるのに」という罪悪感。フリマなどで売ってお金にしたいわけでもない。ただ、そのまま廃棄するのがつらいだけ。そんな感情で捨てられずに、何年も家で眠っている不用品が山ほどあるって人も多いのではないでしょうか?

上勝町では、くるくるショップに衣類や食器などが並べられています。また、調度品などもいただきものを再利用しているのだそう。

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↑コミュニティホールにある素敵な椅子やテーブルは、ご縁のあった京都の都ホテルさんがリニューアルタイミングで廃棄される予定だったものをいただいたのだそう。

②アップサイクル
➕アートやデザインで不用品に付加価値をオン!

最近聞かれるようになった「アップサイクル」という言葉の意味を知っていますか? リサイクルの一種ですが、UPするんです笑 何が? デザインやアートの力で価値をアップさせるというリサイクル品のことです。

わかりづらいと思うので、見てみるのがいちばん早いですね。

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↑ゼロ・ウェイストセンターはまさに、アップサイクル建造物! 廃材を最大限活用しています。特に窓枠が象徴的ですよね。町民たちの納屋などで使われずに眠っていた窓枠から、たくさんの光が差し込んできます。

ゼロ・ウェイストセンター計画中に町民に声をかけて、不用物を回収して建物のデザインに取り入れたのだそう。おしゃれな空間には、アップサイクルされたものがあちらこちらにある。アートやデザインの力は偉大!

古い、ダサい商品が生き返って誇らしく鎮座している様子は感動します。

10〜15kg スーツケース (8)

↑左上から時計回りに。受付後方は町民たちの不用棚で編成。ビンをアップサイクルした照明。デニムをパッチワークしたラグ。ソファ&クッションはベッドをリサイクルしたものだそう。床には割れたガラス片などを利用。

③メーカーとの共同開発
花王のシャンプー詰め替え容器がレゴブロックに!

上勝町と花王との共同で、開発されたのが写真のレゴブロック。シャンプーや洗剤の詰め替えパックを回収して、再生させたブロックは小学校へ寄贈されたのだそう。写真はセンターコミュニティホールにあるもの。

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↑シャンプーなどの詰め替え容器から作られた子ども向けのブロック。優しい洗剤の匂いがうっすらと残っていて、思わず癒されてしまう。

町の発信基地RISE&WIN
クラフトビールと日用品の量り売りの店

上勝町で行くべし店として、おすすめされたのがRISE&WIN。私もランチでお邪魔したしたおしゃれなクラフトビールのお店。実は上勝町の活動の発信基地としての意味もある。

ゼロウェイストセンターと同じ建築家・中村拓志氏がデザインした建物は廃材を多く利用している。生産や輸送の面からゴミを出さない仕組みのための場としてスタートしているのだそう。

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↑ゼロ・ウェイストセンターと同じく、窓枠が多用されて光をたくさん取り入れたデザイン。クラフトビールの種類も多くて美味しかった〜。
↓アメリカンなハンバーガーや骨付き鶏肉のランチプレート。

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ものをゴミと決めているのは自分の主観。
地球に優しい循環型の社会のためにできること

我が家の本棚にある本はインテリアでもあり、読み返すための財産でもある。でも、もういらないと思った瞬間にゴミとなる。
つまり財産かゴミか、決めているのは私たち自身。

そして、“不用物=ゴミ”と決めた時、その先のことはほとんど考えない。自分の目の前から消えたら終わりだけど、そのモノはどうなるのか?

上勝町で学んだことは、ゴミの行方について。ゴミは資源にもなる。そういえば、小学生のときに、家中の新聞や雑誌、段ボールなどをまとめて持っていくと500円くらいのお小遣い稼ぎになっていたことを思い出しました。

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最近よく言われている循環型社会とかサーキュラーエコノミーという言葉。まさに「ゴミの行方を考える」こと、ゴミではなく資源にできる社会を作ろうという取り組み。

なぜか? そもそもの地球上の生物たちは、すべて地球に帰る存在だったんです。食物連鎖のように循環していくのが当たり前。地球には帰ることのできないプラスチックや金属を生み出した責任は、私たち人間にある。

未来のために、少しでも美しいままの地球を残したいですよね。


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下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!