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ゼロ・ウェイストの町・徳島県上勝町で 3Rについてめっちゃ考えた話【ゴミゼロ】

毎月恒例のワーケーションで、9月はSDGsをテーマに組み込んで徳島周遊の最終日にゼロ・ウェイスト宣言をしている上勝町の体験型ホテルに宿泊。ゴミとがっつり向き合う時間を過ごしてきた。1泊2日なのに、あまりに濃厚すぎるステイ。得たことを3回に分けて紹介したいと思います!

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上勝町のゼロ・ウェイストセンター。上空から見たら「?」の形になっている右端が宿泊棟のWHY HOTEL。4組限定で部屋はメゾネットタイプ。

3回に分けたテーマは以下の通り。

1. 上勝町の取り組みについて   ⬅️今回はコチラ
2. ゴミの分別方法について(なんと45種類!)
3. ゴミの行方について(ちゃんと再生してるよ)

2003年日本で初のゼロ・ウェイスト宣言!
理由はダイオキシンと財政問題

「ゼロ・ウェイスト宣言」とは、ゴミをゼロにしようという活動。そもそもこの町ではゴミは野焼きされていたのだそう。確かに私が小さい頃も小学校に焼却炉があったし、年末はゴミを家の横で燃やして焼き芋作った!笑 そんな習慣が日本にはあったんですね。

10〜15kg スーツケース (4)

↑上勝町の取り組みやゴミの分別などの説明してくれた田村さん。地元が上勝で、その後名古屋で仕事をした後Uターン。実家でゆこう農家をやるかたわら、こちらの施設でも働くことにしたのだそう。右の冊子は2021年に作られた上勝町のゼロウェイストの解説本。めちゃくちゃ勉強になる!

ところが! 近代化の中で廃棄物焼却炉の周辺でダイオキシンが見つかるなどの問題が2000年ごろから発生。上勝町では設置したばかりの小型焼却炉を閉鎖せざるを得ないという事態とともに、ゴミ処理問題が表出したのです。

ドイツなどの廃棄先進国の視察などもしながら、ゴミ問題と向き合う中で、今の形の原型ができたといいます。上勝町は800世帯、人口1500人ほどの小さな町。ゴミの収集車に税金を使うより、各自がゴミステーションに持ち寄り、徹底的に分別することでコストを抑えることにもつながるわけです。

ゴミをゼロにするってどういうこと?
ゴミは無くならないでしょ? と思いますよね

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↑どんなに細かく分別されていても、ゴミがゼロには見えないが。。。

ゴミをゼロにするとはどういうことか? 分別したってゴミはゴミじゃないか?と思いますよね。そうではないんです。売却可能な資源ゴミ・処理費がかかる資源ゴミ・資源にならないゴミの大きく3種類になると考えられます。
(※名称は分かりやすくするための、このコラム内で決めた呼び名です)

業者から指定されてたアルミや紙類などで、状態がいいものは資源として業者から買い取ってもらえるのです。コレが売却可能な資源ゴミ、つまり売却益を得られるゴミです。

処理費はかかるけれど、多くのゴミは資源として何かしらに再生可能なものが多いのです。それらが処理費がかかる資源ゴミ。ただし、しっかり分別されて再生できる部分を取り出せるようになっていることが大事。

そして、最後にどうしても再生できないものが資源にならないゴミで、コレらは焼却か埋め立てという道を進みます。

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↑ゴミは各自が自宅から持ち運んでくる。自分たちの都合のいいタイミングで、年末年始以外はほぼ毎日捨てることが可能なんだとか。

上勝町ではゴミの転換率100%を目指す!
2020年の結果80%強はほぼ限界値

つまり、多くのゴミは何かしら再利用(リサイクル)される可能性がある。つまりゴミを原料として捉えられるわけです。もちろん、リサイクルの前にそのままの形で別の誰かに使ってもらえる可能性もあります。そんな、さまざまな生きる道を検討した結果、どーしても!行き場がなくなったものが焼却や埋め立てされる資源にならないゴミとなるわけです。

上勝町では、資源にならないゴミをゼロにすることを目指しているのです。2003年から取り組んだ結果、2020年は転換率80%強まで達成。なぜ100%にならなかったのかというと、その商品特性上の問題。ここに関しては、生産者側の企業努力などが必要になってくるのだそう。

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↑宿泊施設のHOTEL WHY。六角形のセンターは石が敷き詰められ、天井には穴が。瞳をモチーフにしていて、空を見上げている構図。小さな町から地球規模で世界や社会、自然を見ているという意図があるのだという。

ゼロ・ウェイストセンターは2020年スタート!
上勝町の新ゼロ・ウェイスト宣言も発表!

上勝町は、2030年までに「未来の子どもたちの暮らす環境を自分の事として考え、行動できる人づくり」を重点目標として再スタートを切りました。

そのためにこのセンターも作られ、ゴミ問題や環境問題についてのリーダーシップを取る姿勢を表したのです。実際に多くの企業が上勝町に視察に訪れ、実証実験の場として共に考えるプロジェクトなども多数あるのだそう。また、私のように見学や体験に来る人もたくさんいます。

山の上にあるセンターは空が近くて、中庭でのお昼寝はとても気持ちいい。夜は静かで夜空の星がきれいに見える場所。自分や自然と向き合う時間をじっくり取れました。

上勝町がすごい!もうひとつの理由
高齢者が元気に”葉っぱビジネス”で儲けている!

実は、私も行った時は繋がってなかったのですが、帰ってからビックリ! 上勝町って映画にもなって有名な“葉っぱビジネス”発祥の町だったんです。

↑吉行和子主演「人生、いろどり」。人口の約半数が高齢者という町で生まれた高齢者・女性が輝けるビジネスの誕生物語。

2012年に映画化されたので知っている人も多いのでは? 1986年から始まった、地域の高齢者や女性たちが活躍できる仕事として野山に大量にある葉っぱを”つま”として料亭などに卸す葉っぱビジネス「いろどり」をスタートさせ大当たり! 年商2億円にもなる町の主力ビジネスなのだそう。

年収1000万円を超えるおばあちゃんもいる、高齢者が元気な町。実際に生きがいを見つけた結果、町の寝たきり高齢者がゼロになったとか。

上勝町、めちゃくちゃおもしろくないですか? 私もまた絶対にお邪魔したい町リストに入りました。

次回は、上勝町が行っているゴミの45種類分別とそのゴミがどんな資源として再利用されるのか? をお届けします。


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下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!